”意味深”な映画ー『攻殻機動隊』シリーズ


#映画にまつわる思い出

私が今までの人生の中で最も印象的に残っている映画は攻殻機動隊シリーズです。最初は父とテレビアニメで観ていましたが一人暮らしを始めた年の秋、(1年半程前だったと思います)近場の映画館で「攻殻機動隊SAC_2045持続可能戦争」が上映されるということで一人映画デビューしました。

近年ネットフリックスで新作が公開されていますが、作品のテーマやキャラクターたちの言葉に哲学的な要素が盛り込まれているのはテレビアニメの時からずっと変わっていないと感じます。生憎サブスクリプションに入らない主義の私はここ1,2年の最新作を追えていませんが…。


AIがどんどん進化しIT技術が発展した現代は原作漫画(出版当時90年代)に描かれた「未来」の社会と類似してきており、人体の一部にコンピューターを埋め込む(作中で言う”電脳”)などいう技術も完成するまで時間の問題でしょう。人間と分離された存在のコンピューターがハッキングできるならコンピューターを埋め込んだ人間の脳をハッキングすることも容易い。作中で起こる犯罪の数々が現実世界でも発生する可能性が少なからずあるのです。

また”持続可能戦争(戦争をし続けることによって経済発展を支えること)”に関連させると、昨年2月から終わらないウクライナとロシアの戦争においても一部事実ではないでしょうか。
と思うのは以前ウクライナの国内難民がとある縫製工場で軍服を作り工場の売り上げを増加させた、という趣旨のニュースを耳にしたからです。西側諸国でももしかしたら、武器生産で利益を上げている国ないし企業があるかもしれません。戦争物資の需要が生まれ、皮肉にも関連産業は儲けてしまうのですから…

約20年前から始まった作品ですが、予言していたのではないかと思うほど今の社会と比較しても絶妙にリアリティがあります。
ー老いも若きも問わず数多の命が失われる戦争が果たして本当に「持続可能」なのだろうか。真の国の発展をどう支えていくべきなのだろうか。
ー情報技術が発展し続け、それを必要とする社会はどのような影響を受け得るか。
ー人間らしさとは何か。機械の脳が入っても体が人間なら人間なのか。
ー未来の問題解決のために私たちが考えるべき、すべきことは何か。

もう一度映画を観て、今度は単に好きな作品という動機でなく戦争の続く現状と重ねて考えたい。

中学生の頃は「かっこいい」しか感想が出なかったメインヒロイン草薙素子や荒巻課長の言葉。
その意味を理解できる時が、数年越しになってやっと訪れるかもしれません。


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