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【究極の予告詐欺】映画「首」感想

どうもTJです
今回は11月23日公開、北野武監督6年ぶりの新作「首」を見てきたのでレビューしていきたいと思います!
戦国ファンとしては予告を見た時点でハードルは上がりまくっていましたが、果たしてどうだったのか
所々で軽くネタバレしていきますので、何もネタバレされたくない方はご注意を!

※前回の映画レビューはこちらから

あらすじ・キャスト

北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す

映画.comより引用

監督は今や日本を代表する映画監督 北野武
織田信長役には加瀬亮
秀吉役は“ビート”たけし、明智光秀役は西島秀俊
そのほか浅野忠信、木村祐一、中村獅童、遠藤憲一など豪華キャストが名を連ねた

究極の予告詐欺映画

まず見終わっての率直な感想としては予告とは大分違う、かなり予想を裏切られたという印象
予告編では「北野武が30年の構想を経て、残虐で血生臭い大スペクタクルな本能寺の変を描く」と謳っていた(ように思える)が、実際はかなりコメディ&BL要素強め
ストーリーのベースは史実通りなものの、歴史エンタメとしてかなりたけし色にアレンジされていた
ここは人によってかなり賛否が分かれる所だと思うが、個人的には引っかかる部分はあったもののコメディ部分は総じて楽しめた
流石一流の芸人出の監督なだけあって、シュールな笑いがストーリーに散りばめられており、残虐なシーンも笑いで重くなりすぎないようにしているのは流石
その分緊張感という面では薄れてはしまってはいたが、ある種のコメディ映画としてはうまく機能していたと思う
※特に清水宗治の切腹シーンは象徴的笑

ビートたけし=秀吉の親和性

次はキャストの方に目を向けていきたい
今回の主人公はやはり途中本能寺で信長が退場してしまうのを鑑みても秀吉だろうが、この秀吉を演じたビートたけしが素晴らしい
予告をみた時点では、秀吉が明らかに年老いており、若干心配な面はあったのだが本編での演技を見たらそんな心配は一瞬にして消し飛んだ
台詞の間の取り方や表情の作り方も含め、やはりコメディ路線で進んでいくならば、秀吉を演じるのにビートたけし以上の人物はいなかっただろう

映画.comより引用

またここで注目すべきなのが、今回のクレジット
監督は北野武名義で記載されているのに対し、秀吉にはビートたけしと芸人名が使われているところ
これは芸人であるビートたけしが秀吉を演じていることを強調しており武将の出ではない農民上がりの秀吉との親和性を感じさせる

戦国にBLという新機軸…

今作で北野武は今まで戦国大名を崇拝化してきた大河ドラマ、歴史映画のアンチテーゼとして徹底的に今までの英雄たちを等身化しようと試みている
その主軸として今まではあまり描かれなかった男色(BL要素)を盛り込んだ

映画.comより引用

信長、光秀、荒木村重らが見事オッサンズ・ラブの構図へと呑み込まれていくのだが、個人的にはここまでBL要素を強調する必要は無かったと思う
確かに、信長らが男色を行っていたという資料は残っているが、それが本能寺の変に発展するほどの出来事とは思えず、生きるか死ぬかの血生臭い戦国時代を描く上ではむしろノイズになっている
そこまでBL要素にこだわるくらいなら、ダイジェスト的に展開された本能寺の変から山﨑の戦いにかけて時間を割く方が歴史モノとしてはより厚みが出たように思う

総評

かなり予告編とは違った仕上がりにはなっていたが、良い意味での予告詐欺にあった感覚で結構楽しめた
前述の通りBL要素は若干ノイズに感じるものの、笑いを交えながら残虐な場面もシリアスになりすぎないように調節しているところなどは北野武監督のバランス感覚を感じさせ、秀吉の演技力も見ても俳優、監督共にまだまだ最前線を走る映画人だと知らしめた

ということでTJ的評価は⭐︎4/5

R15とはなっていたものの思ったよりも比較的万人に見やすくなっており、まだ見ていない方は是非見に行って頂きたい

いかがだっただろうか
今回はこの辺で終わりにさせていただく
今後も新作、旧作問わず映画レビューしていく予定なので是非ともスキ、フォロー、コメント等して頂けると励みになる

では!

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