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【大人の金融リテラシー】理解度に応じた説明とは?

証券会社は、投資勧誘にあたって「顧客の目的や属性を確認し、それに適合した取引を勧誘・販売しなければならない」という大原則があります。
これを「適合性の原則」といいます。
また、適合するかどうかは、「知識」、「経験」、「財産の 状況」、「契約を締結する目的」という4点で判断をすることになっています。
そして「知識」、「経験」、「財産の 状況」「契約を締結する目的」は、顧客によって違うので、その説明も顧客ごとに違うはずということになります。
例えば、株のリスク説明として「元本欠損のおそれがあること」あるいは、「当初元本を上回る損失が生じるおそれがあること」というのがあります。
金融サービス提供法という法律があって、株式を購入する顧客には必ず説明しなければならない事項です。
知識や経験の乏しい顧客の理解を得るためには、形式的に読み上げるだけでなく、「元本」や「欠損」などのキーワードや「何故そのようなことが生じるおそれがあるのか」など周辺知識を膨らませて説明をすることもあるでしょう。
反対に、株のことを知り尽くした顧客に同じような説明をすると「そんなことは言われなくても分かっているよ」と言われてしまい、そこまでの説明は必要ではないことが分かります。
すなわち、顧客の理解度に応じた説明をしなければならないということになります。
ところが、知識や経験の乏しい顧客の説明が株のことを知り尽くした顧客と同様の説明に止まったら、そしてそのまま取引を積み重ねていったらどういうことが起こるでしょうか。
最初の投稿で「投資経験の長い投資家が必ずしも投資知識を持ち合わせていない」と申し上げたのはこのようなケースを指しています。
投資経験が豊富なひとたちを「金融リテラシー」の対象から外してしまいがちですが、そうではないひとたちもいるということです。

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