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「この皮肉に酔いしれろ!」

映画「スイング・ステート」をネットフリックスで鑑賞。ハリウッドを代表する名優、スティーブ・カレル主演で贈る、皮肉たっぷりの政治コメディ!

2016年、空前のトランプ旋風で湧き上がるアメリカ。ヒラリー・クリントン陣営の選挙参謀を務めるゲイリー・ジマーは民主党復活の道筋を探るべく、YouTube動画が一躍注目された農村部の退役軍人、ジャックを町長候補として担ぎ出す。民主党大敗の責任を取るため、選挙のプロとして勝利のためあらゆる手を尽くすゲイリーだったが、共和党陣営が送り込んだ選挙参謀、フェイス・ブルースターにことごとく妨害されてしまう……。

選挙に勝利するためなら手段を選ばない。名優スティーブ・カレルのコミカルな演技とテンポの良い展開もあり、序盤から中盤までは「政治版リーガル・ハイ」のような空気感で物語は進んでいく。しかし、前代未聞の選挙には壮大なるどんでん返しが待ち受けていた……。

軽妙なタッチのコメディながら、キャスト陣の層は厚い。主演のスティーブ・カレルもさることながら、共和党陣営の参謀を演じるローズ・バーンのヒールぶりが光っている。

勝手ながら、日本版のキャストを考えてみた。主演はやはり、大泉洋だろうか。口八丁手八丁で選挙戦のアイディアをひねり出す策士ぶりがよく似合う。退役軍人は重厚な役どころだから、山崎努や吉田鋼太郎あたりをあてたい。すでに故人となってしまったが、緒形拳も適役だろう。

ローズ・バーン演じる共和党の選挙参謀はクセが強いが、だからこそ正統派美人がピタリとはまる。いくら何でも、天海祐希だと無難すぎるだろうか。若い女優なら長澤まさみのイメージが強かった。

どんでん返しが明かされる終盤。農村の住民からゲイリーに向けられたセリフには、現代への民主主義への痛烈な皮肉が込められている。

ネタバレ厳禁なので、ぜひとも実際に見ていただきたい。

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