一枚の写真

はじめに

　この記事に書かれています、お名前、お写真及び文章の一部引用は、飼い主様の承諾を得て記載しております。

一枚の写真

　るめは１６歳、人間でいえば
１１０歳

　インスタグラムで知り会った、ダルメシアンのるめちゃんだ。

　るめには、１日でも長生きして欲しい。

　るめの写真は、毎日毎日欠かさず投稿されていた。そこには、飼い主さんの、るめへの深い愛情がうかがえ知れる。

　私が初めて、るめの写真を見たのは、１年ほど前であろうか。

　最初、るめの写真を目にした時、正直「変な顔！座り方も変？ブサ犬か」と私は思った。

　また、インスタグラムの中には、色々な人達がいて。

　たった一枚の写真を見ただけで、心無い人達は、飼主さんに様々な事を言う。

　飼主さんは答える「今までの写真を見てもらえれば、わかっていただけると思います」

　「るめはもう、１６歳、人間で言えば１１０歳。足も悪く、座り方が変なのは、仕方がないことなのです」

　それを読んだ私は、一瞬でもこの仔を軽蔑した自分を恥じ、後悔した。
　「そうだったのか！何も知らなかった．．．」

　何とも言葉では言い表せない感情が込み上げ、まぶたが熱くなる。

　よく見ると、なかなか可愛い顔してるじゃないか。

　その日から私は、るめの大ファンになった。

　いつもヨロケながらも、必死に飼主さんと歩くるめ。

　私は、そんなるめの姿に、毎日勇気と元気をもらっていた。

　インスタグラムを見ながら「るめ、頑張れ、頑張れ」と自然に声が出てしまう。

　るめは、この１６年間、毎日欠かさず、飼い主さんと通った、龍神様への散歩道。

　しかし、日に日に衰えていくるめの身体は、もう、歩くのも厳しい状態だ。
　体調もおもわしくはない。

　飼い主さんは、るめの負担を軽減しようと、カートに乘せたり工夫をする。

　木槿の花に見送られ、カートに乗ったるめは、飼い主さんを振り返る。
　楽しそうな、るめの笑顔は「さぁー、大冒険の始まりだ！」とでも言っているようだ。

　笑顔が最高のるめ。

　まだまだ、これからも１日でも、長生きして欲しいと思う私であった。

　一枚の写真

　たった一枚の写真では、判断できない。
　されど、その一枚の写真が、全てを物語る事を、るめは私に教えてくれた。

　ありがとう、るめ。

　２０２３年８月２８日　著

　るめちゃんのインスタグラムは、
@rume.cutie　です。よかったら見に来て下さい。

追　記
2023年11月11日  9時31分　るめ永眠
　るめを応援してくださった皆様、ありがとうございました。

著　者　　宮澤重夫

　平成30年に陸上自衛隊化学学校化学教導隊副隊長を最後に退官
　現役時代に体験した、地下鉄サリン事件や福島第１原発事故対処等の経験談を執筆中

主な資格等

防　災　士
第２種放射線取扱主任者
ＪＫＣ愛犬検定最上級