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時は過ぎ往く…

    気付くと7月も終わりなのである。月日は無常に過ぎ去って往くのだ。
    深夜から午前中にかけての仕事に身体のリズムも馴れてしまって、最近では午後3時ともなると眠くて仕方ない。休日であっても自由に使える時間はや未明から午前中いっぱい。しかし夜明け前は日頃の疲労回復のためにひたすら眠るしかない。それでも普段のリズムで似たような時間に目が覚めてしまうが、それもまた仕方ない。
    そんな時間帯に活動していると、「日の出」の時間が日々変化していることにも気付く。夏至から数えて1ヶ月少々、日の出はだいぶ遅くなった。普通に朝起きて夜に寝る生活を続けていた頃は、なんとも思わなかったのだけど、そんな些細な変化が感じられるような日常を喜ぶべきかどうか…そのあたりの心境は複雑だったりする。
    日中の時間帯を有効活用できると思って選んだ仕事なのだが、現実はそう甘くはない。
    仕事から帰るのは昼頃。妻の用意してくれた昼食を食べ、入浴して汗を流すと眠気が襲ってくる。ここで無理をすると配送運転中に眠くなってしまう。居眠り運転してしまったら、そこで人生は詰み…幸いにして多少の仕事ミスはあったけれども、当然ながら無事故無違反。社内でも優良運転者の上位に入っているみたい。
    世間的にはブラックな働き方が取り沙汰される物流業界ではあるけれど、今いる会社は週休二日を確保してくれているし、わりとホワイトになろうと頑張っていると感じられる。それにしても拘束時間が長いのにも関わらず手取りが少ないのには脱力感を覚える。世間が年末年始だとかゴールデンウィークだとか、人の動きが激しいときほど仕事も増え、休日が減る(笑)
   休日も高齢の母親の買い物や用足しに付き合い、明るいうちにしか出来ないことをあれこれとやっていると、半分も終わらないうちに一日が過ぎる。二日間の週休とは言え、二日目の午後には寝ないと夜半過ぎの勤務に差し支えてしまう。もともとあまり人付き合いは得意な方ではないのだけど、それにしても一般的な生活リズムの人たちとは接点がかなり減った。人と会わないだけならそんなに大したことは無いのだが、妻と一緒に少し遠出するとか、時間をかけて食事を楽しむとか、そういったことが出来なくなったのが残念だ。参加したいイベントや、観に行きたい映画があっても、生活リズムが合わないので泣く泣く諦める外無い。ふと「人間らしい生活って何だったっけ?」という思いが頭を過る。仕事があるだけでもマシなのだろうとは思う。拘束時間は長いけれども、運転するのは嫌いじゃないし、むしろミス無く運転することは楽しいと感じる。事故にだけ気をつけていれば、精神的にはかなり楽。
    先日、高速をトラックで移動中に渋滞に巻き込まれた。トンネルの中でクルマの流れが止まってしまい、どうにも身動きが取れない。幸いにして携帯電話が繋がったので、自社と元請けの双方に連絡をする。元請けから配送先には事情を説明してくれて助かった。どんな事情があっても遅延を許さない荷主もいるらしいけれど、渋滞の責任は個人の問題ではないだろう。
   渋滞の原因は正面衝突による事故。現場は山間部の高速道路。片側一車線の対面通行区間で、事故車両と散乱した破片によって上下線とも通行止。結局、三時間トンネルの中で待たされた。場合によっては順次Uターンして、一つ前のインターから出るように言われたが、事故車両の破片が一部片付けられたことで、現場を横目に見ながら進むことが出来た。
    それにしても事故は恐ろしい。片方の軽トラックを運転していたドライバーは、その後、死亡が確認されたというニュースを見た。対向車線にはみ出したことが原因であるらしい。居眠りなのか、運転ミスなのか…直線が続くトンネルの中、おそらく居眠り運転なのだろうな。明日は我が身、気を付けなければと心に命ずる。

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