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「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?

定量データと専門知識で解き明かす、「マイナス感情」の蓄積プロセス。

本書では、単なる経験則ではなく、定量データ分析と経営学・医学・心理学の専門知識に基づいて、「組織の病」の原因である「マイナス感情」の蓄積プロセスを解き明かします。

なぜ従業員は心身に不調をきたし、組織から離れていくのか?

そのメカニズムを理解することで、真の解決への道が開けます。

3分で読める本要約(管理人)



要約

重要なポイントは、「プラスの感情」ではなく、「マイナスの感情」。
「最も優秀な人」ではなく、「ポテンシャルが高い人」である。

プラスの感情とは、ノー残業デーやフレックス制などの働きやすさの向上。
導入当初はプラスの感情が働くが、効果は一時的。
むしろ、すぐに、当たり前に変わる。
そして、それを廃止すると、マイナス感情が大きくなる。
なので、むやみにプラス感情を上げない。

マイナス感情は、多くの人が経験しているネガティブな感情を指します。
「あきらめ」「落ち込み」「疲労」「不安」「虚しさ」「妬み」「怒り」「逃げ」といったように、あまり表に出ない感情もあれば、ちょっとしたことで爆発する感情もあり、さまざまです。
マイナス感情の蓄積は自然には解消せず、何もせず放置すればむしろ増幅します。
そして、マイナス感情は伝染する。

マイナス感情の幅広い施策は、有効に機能しない。
マイナス感情は個人的な背景などで左右されるから。

マイナス感情の発生は、3つある。
・心身コンディション:疲労、将来への不安、病気など  
・働きやすさ:業務の量、ワークライフバランス、人間関係、人事制度など 
・働きがい:強み、成長、居場所感、つながり、評価など

上記3要素と離職タイプの関係をまとめると
・積極的離職:「働きがい」が傷んでくると発生リスクが増加。さらなるやりがいを求めて次の会社へ「ステップアップ」していくという離職
・消極的離職:「働きやすさ」が低下すると発生リスクが増加。「もうこの職場で働きたくない」としての離職
・離脱:「心身コンディション」の悪化が起きると、発生リスクが増加。「メンタルダウン」などにより、休職や退職せざるを得ない

しかし、労働価値がそれぞれ異なる社員全員を幸福にすることは、ほぼ不可能。
つまり、離職ゼロを目指すのではなく「離職最適化」を目指す。
だからこそ、「Who」「What」「How」を明確にすることが大切。

まずは社員を分ける
・優秀人材:企業、組織の牽引役となっている人材
・ハイポテンシャル人材:3年~5年後に優秀人材になろうであろう人材
・立ち上がり人材:入社から1年以内の人材
・普通人材:やるべきことをきちんとこなす人材
・ぶらさがり人材:消極的定着している人材

最優先すべき人材「Who」の優先順位は
①ハイポテンシャル人材
②立ち上がり人材
③優秀人材
④普通人材
⑤ぶらさがり人材
なぜ「優秀人材」を最優先すべきではないか→優秀人材は労働価値がさまざまで積極的離職が多いので離職を防ぐ対策は難しい(ある程度の離職は仕方ない)。
「ハイポテンシャル人材」が第一優先順位なのか→この層の人たちの労働価値「能力活用・達成・自律性」と比較的似ており、一気に対策がしやすい
「優秀人材」→この層の人たちの労働価値「環境・ライフスタイル・冒険性」などが高くなりやすい

教育者の負担
採用→教育の無限ループ 。
現場教育によるマイナス感情の蓄積。

これらを防ぐには、
①「マイナス感情の発生以前」で最初に考えるのは「入り口」、つまり採用です。
最初から労働価値の差、ギャップの少ない人を採用すればいいのです。  
求める人物像を明確にして、それに近い人を採用すること。
優先すべき価値観を明確にして「当社で働くと、この価値観が満たされます」と提示することです。

②新メンバー受け入れの際には特定個人への負担が長期的にならないよう配慮し、教育のメイン担当を付けつつも、可能な限り他のメンバーで分担しながら教育するように調整し、個人ではなく部署全体で教育を行っていくという発想も必要になります。


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