見出し画像

この戦争は、どう始まったか -カチュージャンカ村(1)-13歳の少女ダリヤの物語

(2,213 文字)
6月3日 ウクライナメディア:

2 月末、ロシアの侵略者の部隊が、キーウ近郊のカチュージャンカ村に侵入し、家族が乗ったヒュンダイ・ソナタを銃撃した

13歳のダリヤ(ダーシャ)は、父親と継母と、叔母の家を訪ねた帰り道、カチュージャンカ通りを曲がろうとしたとき、ロシア軍から襲撃された

キーウ警察署長アンドリー・ネビトフが YouTubeチャンネルで、少女の悲劇的な話とその恐ろしい事件の現場ビデオを公開した

ロシアの人でなしは、あちこちからマシンガンで車を撃ってきました
ダーシャの父と継母はその場で殺されました
車は発火し、 少女は車から飛び降り、逃げようとしてトラックの陰に隠れました

しかし、占領者は彼女への発砲を止めませんでした
少女は重傷を負った
ダーシャはロシア兵士にとどめを刺されないように死んだふりをした
ロシア人は近づいて、生きているかどうかを確認するために彼女を何度か蹴った
少女は血を流しながら、文字通り弾丸の下から這い出し、奇跡的に生き残った

「そのとき、2発の弾丸を受けていました
1発は腕に、もう1発は太ももに
彼らが『左、左』と叫び
それからもう一発当たりました
最初は痛みを感じませんでした
全身がしびれました」

ダーシャはその恐ろしい日を覚えています

幸いなことに、ダーシャには実の母親と妹がいます
現在は彼らと一緒に住んでいます
アンドリー・ネビトフは最近、プレゼントを持って彼らを訪ねました

「これは、人道に対する罪、民間人に対するロシア軍の犯罪の一つの証拠です
彼らは、レイプ、殺害、破壊のためにウクライナにやって来ました
しかし、間違いなくすべての人に罰が下るだろう」
とアンドリー・ネビトフ氏は語った

6月7日 ウクライナメディア:

13歳の少女は、ロシア人から逃れるために死んだふりをしなければならなかった

ダリヤ(ダーシャ)・ポルトラツカ(13歳)と彼女の家族は、ロシア軍がキーウ州北部のカチュージャンカ村を占領した直後に砲撃を受けた

少女の目の前で父親と継母が殺され、少女も怪我を負い、しばらく息を止めて死んだふりをしたという
トラックのフロントガラスは穴だらけだ

道端の停まったトラックの陰に隠れようとしたダーシャに、ロシア兵が乱射した跡である
「腕はここ、骨盤はここに当たって、ここから抜けました、ここに当たった弾はこっちに行って、骨で止まりました 」と、少女は傷口を見せる

本格的な侵攻が始まってから 2日の間でロシア軍はカチュージャンカを通過していった
その後、2日間は静かだったが、ダーシャたちが叔母の家から帰宅すると、村はすでにロシア軍に占領されていた

少女は父親、継母、祖父と一緒に、走る車に乗っていた
四方八方からロシア軍の軍事車両の列が、彼らの車に向かって来たという
「彼らは警告なしに撃ち始め、私の息子は車をゆっくりと後退させました
横からも撃たれました
私はダーシャを庇いました」とダーシャの祖父は話します

ユーリ・ポルトラツカ

「車が燃え始めたので、(車から出て)別の車に向かって走りました
ロシア兵たちはその動きに気づいて、私を撃ち始めました
私は倒れました」と少女は話します

ロシアの兵士がダーシャを狙っていたとき、彼女の祖父は、炎に包まれた車から30歳の息子イワンと義理の娘インナを引っ張り出していました
しかし、すでにそこには2つの花輪しかありませんでした
「息子はすでに死んでいました
私は彼らを車から出そうとしました
最初に息子を出し、フェンスの下に置き、走ってインナを車から出そうとしました
しかし、車から出すことができませんでした
だめでした…」

その間も、ロシア軍はダーシャを狙い続けていた
ロシア兵は、負傷してフェンスの下に横たわっている少女を見つけた
少女は、生き延びるために死んだふりをした
「ロシア人が来ました
目を閉じて、こんな風に力を抜いて、息を止めていたら、足を引っ張られ、何か言いながら去っていきました
それから、這うようにして逃げました」と、少女は振り返る

ユリア・ザヤッツ

ユリア・ザヤッツの家は ダリアが倒れていた場所の道路を挟んで向かい側にある
彼女は、怪我をした少女を発見し、応急処置をした村の仲間の一人だ
少女はかなり出血していた
「血液を抑えるためにパッドを使いました、家にあった痛み止めの注射と、さらに腕には止血帯をしました
私たちは彼女を全力で助けようとしました
私たちも、誰もが怖がっていました」

翌日、ロシア兵は隣町の病院へダーシャを搬送することを許可した
これが彼女の命を救った
父と継母は同じ墓に、棺の代わりに毛布にくるんで埋葬された
(その後、ダーシャがどうなったかは、ヴィタリー(1)を参照ください。)

ロシア軍は、ダリヤの両親、ユーリ・ポルトラツカさんの息子と義理の娘を殺しただけでなく、家まで奪っていった
「入り口のドアを破り、ロシア兵たちがここで暮らしていました
来ても入れてもらえず、入り口の前に立ちつくすことしかできませんでした」

ユーリ・ポルトラツカさんが、ロシア軍に略奪された家に戻れたのは、村が解放されて1ヵ月後だった
彼はすぐに後片付けを始めた
孫娘のダーシャが病院から帰ってきたのは、さらにずっと遅かった
少女はロシアに家族を奪われ、新しい生き方を学んでいる

スマートフォンに残されたダーシャの父親の画像

(つづく)

最後まで読んでいただいてありがとうございます😊
どうか「スキ」「ツイート」「シェア」をお願いします!
できましたら、感想をコメントで一言いただけると、ものすごく励みになります😣!😣!

サポートしようと思って下さった方、お気持ち本当にありがとうございます😣! お時間の許す限り、多くの記事を読んでいただければ幸いです😣