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豪州備忘録10日目

記念すべき2桁日目達成だがこの日を一言で表すなら”普通”である。普通に授業を受けて普通に街を巡り、普通に帰った。特段いうべきこともないのだ。なので今回は趣向を変えて私の敬愛する配信者「ノンケのねねし」氏のプロモーションをしていきたい。

氏を一言で表すなら「人間の営みそのもの」である。以下で詳しく解説していく。

ノンケのねねし氏(以下ねねし氏)はニコニコ、YouTubeで括約する配信者である。氏の素性はほとんど謎に包まれており、わかっているのはその歪みねえノンケ力(のんけりょく)の高さだけである。ノンケ力とは彼によって生み出された概念で、ノンケ力の高さに従って氏は成長していく。現在の称号は真伝説究極ノンケ(ネオアルティメットレジェンドオブノンケ)であるから凄まじいノンケ力の高さであることが伺える。氏はゲーム実況者としてマリオやポケモン、ストリートファイターシリーズなど数々のゲームをプレイしている。トーク力の高さと、他とは一線を画するストーリー性の特異性から熱烈なファンが多い。

彼の特異性を表すために次の文章を例に出したい。
「ちんちん揉んでパンツ脱ぎ散らかし」
これは氏の動画内で度々現れるフレーズであり、替え歌やキャラクターの作りこみに用いられる。言わずもがなガチムチパンツレスリングの痕跡がここにはある。つまり歴史の踏襲がみられるのだ。だが氏はこれにとどまらない。さらに汎用性を高めるため縮めて「ちち揉んでパパ脱ぎつく」と形を変えて使うこともある。どう考えたらこんな縮まり方をするのか!氏独特のセンスは動画内の至る所で散見される。うんち→うんう、と変換したうえで「つるぺたうんう」という気の狂った発言も必見である。

驚くべき点はそれだけではない。氏の動画を形づくるうえで最も大切なのはストーリーである。氏の世界観は単純明快で「この世界の大多数の人間がホモであり、ノンケは少数派」とするものだ。氏はニコニコで培ったホモのノウハウを遺憾なく発揮して独自の世界を構築する。そしてマリオはマラオに、ポケモンはみなホモへと微妙に、しかし確かに姿を変えキャラクターは新しく息を吹き返す。

人間は過去から学び、先人の積み上げたものの上に立って、さらなる高みを目指す生き物である。ねねし氏の動画もそうである。ニコニコ動画、特にガチムチパンツレスリングとそれに準ずる数多のコンテンツを貪欲に吸収した氏は、確かにその後継となりながらも決してそこに胡坐をかくことはない。ホモの世界観の構築は一つの発明であり、イノベーションによって人類は加速度的に発展してきたことは歴史が証明する通りである。細部までこだわり抜いたキャラクターの作りこみと、言葉一つ一つへの思慮の深さは人間のたゆまぬ努力とその結果としての芸術性を想起させる。そして最も大事なことは、氏が「現在」を軸に置いていることである。時として人間は過去にとらわれたり未来を注視しすぎたりする。しかしねねし氏を見てみよう。氏は明らかに20歳を超えていながらも大事な人生の少なからぬ時間をあの愛すべき上品な動画に費やしている。真面目な意見として、正気の沙汰ではない。仮に氏が日中は働いているとしても、かなりのエネルギーを割いているはずである。そんなことは未来を見据えていては絶対に不可能だし、かといって過去の遺産を乗り越えていこうという試みも感じられる。ねねし氏こそ正に今を生きているのである。

人間は死にゆく定めからは逃れられない。我々は先人から受け継いだものを未来につなげる義務がある。それと同時に我々は自分のために生きなければならず、自分自身を幸せにしなければならない。ある種のジレンマを必然的に帯びた私たちの人生にとってノンケのねねし氏の生き様は示唆に富んだものになるに違いない。

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