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豪州備忘録32日目

今日は学校をさぼって図書館で本を読んでいた。ソニアおばさんには大学の近くまで朝送ってもらったのだが、大学には行かずにシティのブリスベン図書館に行った。昨日お酒を飲んで疲れていたのもあったし、何より今日はゆっくり本を読みたい気持ちだったのだ。

留学にあたって私は村上春樹に旅行記「遠い太鼓」を携帯していた。前に書いたことがあるような気もするが私の旅好きの大きな理由が村上春樹の旅行記にある。彼の旅行記はすんごく面白いのでぜひ皆さんにも読んでほしいが、なんだかんだで「遠い太鼓」だけは読んだことがなかった。なのでオーストラリアで時間ができたらじっくり読もうと思っていた。ところが案外時間がない(一番の原因はたぶんこの備忘録だけど)。ちょくちょく読む時間は作っていたがまとまった時間はとれないでいた。そんなわけでいい機会なので行ったことのない図書館で読むことにしたのだ。

ブリスベン図書館はかなり凝ったデザインをしていて、九大の図書館とどこか似たものを感じた。大きな吹き抜けがあり、設備は新しく整っている。お金のかかってそうな施設が大好きなので内部を散策するだけで楽しい。読書に最適な場所を探すが、なかなか見つからない。なにしろ5階建てで入り組んだ造りになっているからだ。15分くらい歩き回ってようやっとブリスベン川を一望できる最高の場所を確保できた。そこで心ゆくまで読書にいそしむことができた。こんなに時間を忘れて本を読めたのは久しぶりである。村上春樹の旅行記の中で、彼は奥さんと二人きりでヨーロッパを転々としていた。彼は当時イタリアやギリシャに部屋を借りては本を執筆し、気が向いたら別の地域に引っ越してまた執筆するという最高の生活を送っていた。実をいうと私もいつかそのような生活を送りたいと切望している。誰にも縛られずに本を読んでは書くだけの生活が送りたい。バイトなんかしたくない。

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