見出し画像

昼寝してほしいんでしょ

 「でも、結局、眠るし、15:00になってもなかなか起きないんですよ」

 午睡の必要性を述べる3歳児クラス担任のたいち先生。15年目の保育士。
 
・その子の夜の入眠の時刻は?
・眠くなくても布団に入ってトントンされたら寝るしかないでしょ?眠っちゃうでしょ?
・午睡するから夜の睡眠が不十分になり寝不足で登園しているのでは?
・一律の午睡はしない、と指針に書いてあるでしょ?

 「もちろん、眠い子しか寝かせていません。連絡帳には21:30に寝たと書いてあります。別に遅くないです」

・だから、眠いからといって寝かせたら、夜の睡眠の質が下がって翌日また眠いでしょう?
・連絡帳に書かれてあることは客観的事実ではないでしょう?

 「じゃあ、僕たちの休憩はどうまわすのですか? 事務はいつやるのですか?」

・呼吸チェックをするし、午睡中は保育士の休憩時間ではないけどね。昔と違って。そういう昭和なの、誰に教わったのかな。
・連絡帳と保育日誌に何分必要なのだろうか。
・ちなみに、連絡帳と保育日誌は事務ではなくて、保育そのものだけどね。


 「午睡なし」をそんなに恐れなくてもよい。寝かせているのは子どもが眠いからだとおかしなアピールをしなくても、よい。
 子どもに話せば伝わる。子どもは賢いから。
「食べた後だし、午前中に夢中で遊んで脳が疲れているから、少し脳を休めよう」
「脳が疲れすぎると、怪我したり、間違っちゃったりすることが増えるから」
「脳を休めるために赤ちゃんたちはお昼寝しているんだよ」

「しってる! 脳って、ここに入ってるんだよ」
「あたまつかうと、お腹もすくんだよね」
「わかつた。赤ちゃんたちは寝てるから小さい声で遊ぶ」
 子どもは賢くて優しくて正しい。

 24時間で子どもの2領域を計画するのは当たり前。保育士のために子どもを動かすとか、大人中心の生活に子どもを合わせさせるとか、寝てくれるとラクとか、目の前の自分の欲求を優先させる保育は、そろそろ卒業しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?