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「読ませない」文章

こんばんは。SHOGOです。

今回の記事は、3000字程度の文章となっています。
*全てを読む時間がない方は、各段落の先頭の太字部分だけを読んでみてください。この記事の内容が8割は理解できるはずです。

◆読み手に負担をかけないビジネス文章

今回は、『読み手に負担をかけない文章』の書き方を発信します。ここでいう、「読み手に負担をかけない」とは、次の3点を意味します。

・読み手になるべく文章を読ませずに、それでいて必要な情報を伝達できる
・内容を一読で理解してもらえる
・重要な情報を記憶に残せる

ビジネスのための文章とは、情報を伝達し合うために、読み手が仕方なく必要な部分だけを読む文章です。報告書、提案書、説明文、マニュアルなど、社会人は様々な文章を読まなければなりませんが、読み手の誰一人として、文章を読みたいと思っていません。読み手は、できるだけ文章を読むことに労力を使わずに、必要な情報を入手したいと思っています。

読み手が、情報収集のために仕方なく読む以上、書き手は、読み手に負担をかけない文章を書くのが大事です。そのためには、読み手になるべく文書を読ませず、それでいて必要な情報を伝達する。また、内容を一読で理解してもらうことや、重要な情報を記憶に残せることも大事です。

読み手に負担をかけない文章を構成するには、読み手のメンタルモデルに配慮する必要があります。「メンタルモデル」とは、人が頭の中に作る自分なりの理解の世界のことです。人はある情報が入ってくると、その情報を自分なりに消化しようとします。そのために「これはこういうことだろう」と、頭の中で自分なりの世界を作り、先を推測します。そのため、読み手にこのメンタルモデルをできるだけ具体的に作らせ、そのモデルを壊さぬようぬ展開できる文章が理解しやすい文章です。

読み手のメンタルモデルが崩れると、情報処理が遅くなり、分かりにくい文章となってしまいます。次の情報展開が読み手の予想に反すると、読み手は自分の作ったメンタルモデルが誤りであることに気付き、修正します。新しいメンタルモデルによって、新たな情報を活性化した上で、次の入力情報を処理しようとします。その為、情報がスムーズに処理されないので理解しにくくなってしまいます。

そこで、メンタルモデルに配慮した、読み手に負担をかけない文章を作成するには、5つのポイントがあります。

1.文章の冒頭には重要な情報をまとめて書く
2.詳細はパラグラフを使って書く
3.パラグラフの冒頭には要約分を書く
4.並列する情報は同じ構成、同じ表現で書く
5.ひとつの文には、ひとつのポイントだけを書く

この5つのポイントを用いて文章を作成することによって、「読ませない」文章を創り上げることができます。1つずつ簡潔に説明します。


1.文章の冒頭には重要な情報をまとめて書く

文章の冒頭では、その文章の伝えたい重要な情報(結果や結論)をまとめた要約を書きます。この全体の要約を「総論」といいます。まず、総論を述べ、その後に総論で述べたことを、その順番で詳細説明していきます。この詳細説明を「各論」といいます。つまり、文章は総論から各論という順に書きます。各論を書いた後、最後に結論で大事な情報をまとめます。

文章の冒頭に重要な情報をまとめて書くことで、必要な相手に、必要な情報を短時間で正しく伝えることができます。冒頭に総論が書いてあれば、その先を読み進める価値があるかどうかを判断できるので、必要な部分だけを読み進められます。また、メンタルモデルを作ってから読めるので、一読で理解もできます。冒頭は、全ての読み手が読み、しかも、読み手が最も緊張し、集中している部分です。その大事な箇所に、重要な情報が書いてあれば、記憶としても残ります。

2.詳細はパラグラフを使って書く

総論の後に書く各論では、パラグラフで文章構成の骨組みを作ってから書きます。「パラグラフ」とは、あるひとつのトピックスについて述べるのを目的としてた文の集まりです。原則としてひとつの要約文と複数の補足情報の文で構成します。この複数の文が、ひとつのレイアウトの固まりになっているのがパラグラフです。このパラグラフという固まりを使って、各論の構成を組み立てます。

各論がパラグラフで構成されていれば、情報の整理が容易になり、必要な情報だけを速読できます。あるパラグラフを読み始めて、詳しく知る必要のないトピックスであると判断すれば、その後半を飛ばし読みできます。また、説明量が一目でわかるので、文章を論理的に構成しやすくなります。

3.パラグラフの冒頭には要約文を書く

パラグラフの先頭には、そのパラグラフで伝えたいことを簡素にまとめた文(要約文)を書きます。これは、ポイントの1で説明したことと基本的には同じです。

4.並列する情報は同じ構成、同じ表現で書く

並列する情報は、構成も表現も揃えて書きます(このことをパラレリズムと呼びます)。つまり、並列しているパラグラフなら、ひとつ目のパラグラフを書いた後、残りのパラグラフはひとつ目のパラグラフをコピー&ペーストして、情報だけを差し替えるように書きます。この考え方は、章や節など、パラグラフより大きな単位でも適用できます。

この、パラレリズムを守ると、文章は単調になりますが、論理性と伝達性が高くなる効果があります。パラレリズムを守ると、繰り返されている部分は飛ばせるので、読むべき部分だけを的確に読めます。また、読み手は複数の情報が揃って表記されていると認識すれば、「次も同じ構成、同じ表現で書かれているはずだ」というメンタルモデルを作成して読むことができます。

5.ひとつの文には、ひとつのポイントだけを書く

ひとつの文では、ひとつのポイントだけを述べます。原則として、ひとつの文の中に2つ以上のポイントを、並列を表す「〜て、」や「〜り、」「〜し、」「〜が、」などの接続詞を使って並べてはいけません。全体の長さに応じて、接続関係を明示してながらつなげたり、文を切った上で接続語句を加えたりします。

ひとつの文にひとつのポイントだけを書けば、インパクトが強く分かりやすい文章になります。ポイントが強調されるので、重要な情報を強く記憶に残せます。また、一文が短くなるので、内容を一読で理解できる効果もあります。

◆最後に

作成した文章が正しく書けているかどうかの判断として、各論のパラグラフの先頭文だけで、意味が通るかチェックするという方法があります。その点を意識しながら今回は記事を書いてみました。どうだったでしょう。太字で書いた、パラグラフの先頭の要約文を読んだだけで、内容がある程度理解できましたでしょうか。

情報化社会において、「書く技術」は、ビジネスの成否を分ける強力なビジネス・ツールといえます。多くの情報におぼれながら日々の仕事をこなしているビジネスマンにとって、有効な情報を効率よく共有化していきたいものです。そのためにも、情報伝達の手段である文章の質が、ビジネスの生産性に直結すると言っても過言ではありません。

「書く技術」は知識としてインプットするだけではなく、実践しなければ身に付きません。今後は読んで下さる方に、なるべく「読ませない」文章を発信することを目標に、noteでの記事の作成を続けていきたいと思います。

今回は、『改定新版 書く技術・伝える技術(スーパー・ランニング)』(著:倉島 保美)を読み込んでのアウトプットでした。
文章を書く時のノウハウがギュッと詰まった素晴らしい一冊でした✨

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最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
僕のアウトプットが他の人にとっても有益な情報になりますように。

人生を本気で成功させるために、
公務員を僕はやめる。




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