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あれ…違う…??

鑑賞していて感じた違和感
-美術館と博物館の展示の違い―


やあやあ、我こそはチーニなり!

前回の「私と大河ドラマ」、「私と歴史探訪」を読んでくださった方、兵庫県立歴史博物館の取材レポートを読んでくださった方、心から感謝申し上げる。

まだ読んだことがないという方は、是非お読み頂きたい。

…と武士風に挨拶を笑。
今回は今年度このプロジェクトに参加させていただいて感じたこと、何故このプロジェクトに参加したのか、という2点をお送りしよう。

ではでは、本題へいざ行かん!!

博物館と美術館に以前より行くようになった節目である2022年。
大学に入ってからの2年間、博物館と美術館での歴史の展示の違いに気づいた。
例として、いくつかの展示品の写真を挙げてみようと思う。
現在も展示を行っているものもあるため、写真は最小限で伝えられるようにしてみた。
余裕があれば、ご自身の記憶の中を探って、過去の展示を思い出してみて頂きたい。

美術館と博物館の比較

初めに美術館の展示をご覧いただきたい。

まず、2022年9月10日(土)~11月20日(日)の間、兵庫県立美術館で行われていた、『ボストン美術館所蔵THE HEROS 刀剣×浮世絵-武者たちの物語』での展示の写真を…。

額縁内が展示品だが、壁全面で展示し魅せている

次に、他県ではあるが、2023年11月25日~12月27日の間、岡山県瀬戸内市長船町にある備前長船刀剣博物館で行われていた『新収蔵品展』での展示を…。

備前市長船町にさとがえりした「山鳥毛」

では、美術館の展示へ戻って、次の写真は2017年8月から現在も巡回展示されている『鈴木敏夫とジブリ展』での展示の写真を…。

トトロでお馴染みの小道

では、最後に博物館の展示へ戻って、次の写真は、2023年9月23日(土)~11月26日(日)の間、兵庫県立歴史博物館で行われていた『ひょうご五国のやきもの』での展示の写真を…。

朝霧焼

ちなみにこちらの特別展示は、私たちヒョウゴ・ミュージアム・サポーターズが取材しに行き、レポートとして投稿している。ぜひご覧いただきたい。

ページはこちらから。(2つリンク貼る)
1つ目


2つ目


お気づきだろうか…。

このように、美術館では展示品一つ一つにケースを用意して展示されているが、博物館では大きなケース、あるいは空間の中にいくつかの展示品を並べて展示されている。

また、展示室の空間の使い方も違うように感じた。

美術館は、壁にインテリアのように展示する方法や、三角や五角形のような多様な展示ブースを使って、壁に平行にあるいは垂直にはならないような方法を用いて展示品を設置している。

それに対し、博物館は、その大きなケースあるいは空間を天井から床にかけて壁に沿うように設置していたり、展示室の真ん中で壁に平行あるいは垂直になるように展示ブースを設置していたり、展示室の真ん中に上から見るようになっているケースが設置されていたりする。

 簡単に言うなら、美術館は展示室の空間までも魅せるために利用し、魅せたい世界を作り出しているという点に対し、博物館は既存のケースの中での展示でいかに魅せるかという点で大きく異なっているのではないかと感じた。

もちろん考古博物館など、モノをメインに展示している博物館は、イラストを描いたり壁を装飾したり、レプリカを置いて、ハンズオンコーナーを設置したりしているところもあるが、それでも収蔵品を展示するケースの周りを装飾しているので、ベースは変わらない。




そもそも、今回どうしてこのような内容を書いて投稿したのか…。

私は学芸員という博物館で働くスタッフになるために、現在資格を取るための講義を受講している。
学外研修や旅行で博物館や美術館を訪れることが多くなった2022年から、ただ展示品を鑑賞するだけでなく、展示するにあたって、どのように魅せているのか、展示方法が何なのか、違和感を覚えた時は、その解決方法として何があるのか、何ができるのか、など、展示品に対しての理解を深めるとともに、勝手ながら学芸員としてその場にいるならどのように展示品と向かい合って伝承するだろうか、ということを考えている。
こうした将来の糧になるのではないかと思い、このヒョウゴ・ミュージアム・サポーターズのメンバーに加わり、活動させていただいた。

また、最近学芸員の姿が変わりつつある。

従来の学芸員の姿は、表側では展示品の安全を見守る、裏側では展示品となっていない収蔵品の研究、この二つが学芸員のメインとなる仕事内容である。しかし、先程書いたように学芸員の姿は変わりつつある。希望があれば、来館者に向けて、展示品の紹介などの館内ガイドや講座をして、時には博物館の外へ赴いて街歩き講座を行うなど、よりその地域が発信したい歴史を伝承しようと変わりつつある。

海外では子供に向けて、絵画の前に座ってもらい、学芸員が説明を行っているところを周りの大人も一緒に聞いたり、質問をしたりしている。

ただ、人数不足や博物館や美術館に対してのイメージがまだまだ堅苦しいという原因で、今はまだ主流となっておらず、ボランティアの方々が行っているところが多い。しかし、全国で学芸員による講座が開かれているところは数多くあり、また、博物館ではないが、姫路城ではシルバーボランティアの方々が姫路城の案内を行っているなど、口を閉じて静かに鑑賞しないといけないという雰囲気は崩れ去ろうとしている。

もし私が学芸員になれたら、研究も講座も案内もできるようになりたいと思っているのと同時に、言語関係なく伝えられたらより伝承できるだろうと思い、観光英語検定を受け、年末に3級の合格通知を頂いたところだ。ただこれだけで満足するわけには行かないと思う。ピアノの練習を1日疎かにすると3日分の努力が水の泡となって消えるのと同じように、英語の力も1年、半年離れるのも同じことが起きるはずと考え、英語は通年受講するように決めている。

このように、私がなりたい理想の学芸員になるため、博物館や美術館では勝手ながら想像して自分に何ができるのだろうか、と考えているときに気づいたためこうして書いた。

最後に…。

最後まで読んでくださり、感謝申し上げる。
そして、今年度の活動はこの記事にて最後である。
明日からの来年度も、いろいろな記事を出す予定故、良ければ見に来てくださるとありがたい。
また、3/31(日)に発行されたタブロイド誌は、歴史だけではなく、自然や美術の博物館・美術館も掲載されている故、見かけたら是非手に取って読んでいただきたい。
ここまで長くない故、是非とも…!笑

...とまた武士風に挨拶をしてお別れとさせていただく笑。