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ピンスワン・ベンジャロンを訪ねて。in タイ🇹🇭


みなさん、こんにちは!
まろです。

世界一周の旅日記は
楽しんでいただけていますか?

今回は、世界一周最初の手仕事。
タイの三大陶器であるベンジャロン焼きの
名工房“ピンスワン・ベンジャロン”を
訪ねたお話。

高い技術と伝統が継承された模様は
感動的な美しさでした。

それでは、スタート!


1.ベンジャロン焼きとは

まず簡単にベンジャロン焼きのご紹介。
タイの3大陶器と呼ばれ、
王室専用陶器として発展します。

5彩を意味するベンジャロンは、
もともとは金を使わず、5色で彩られ、
草花などの模様が手書きで描かれた
色彩豊かな焼き物。

約200年ほど前、
当時の国王ラーマ2世の時代に
金で縁取られたさらに豪華で
煌びやかなスタイルが確立。

その後、王室御用達だけでなく、
貴族の間でも使われるようになっていきます。

このような歴史から、
緻密で美しい色付けの
高度な技術の必要な陶器として発展しました。


2.ピンスワン・ベンシャロンを訪ねて

ピンスワン・ベンジャロンは、
ベンジャロン焼きの工房の中でも伝統的なデザインを守り国内1の高度な技術を持った工房です。

工房がバンコクの郊外にあり、
国賓のディナーの陶器としても使われた
技術と名誉ある工房と知り、
実際に訪ねてみることにしました。

ギャラリーの中に入ると、
並んだここの工房で作られた陶器の
あまりの美しさに感動。

他の工房やお店でみたベンジャロン陶器も
もちろん美しいのですが、
より緻密で正確な煌びやかさが圧巻でした。

伝統を守るために、オーダー品以外は
アンティークの古くからある模様のみで
すべて職人さんが手描きされているとのこと。

圧巻の美しさとその姿勢が素敵で、
世界各地の手仕事に興味があり、
こちらの工房についての記事も
書かせていただきたい旨をお伝えすると、

今は亡き創業者の故ピンスワン氏の
娘さまであるパッソーンさんが快諾して
さらに詳しくご案内してくださり、
特別に職人さんの作業風景も
見学させていただけることに。

貴重な機会をいただきました。

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実物を見ながらデザインの変遷についても
教えていただきます。

初めの金の縁取りのない原色のものから、
色が増え金で縁取られた豪華絢爛なもの、
そこから少ない色で金ではなく
プラチナで装飾された
可愛らしい色使いのデザインも登場。


初めの金の縁どりのないデザイン。
カラフルだが表面の凹凸が可愛らしい。


金で縁取られたスタイルが確立。
豪華絢爛で美しい。
色数が少なくプラチナで彩られたデザイン。
華やかでありながら馴染みやすい。




こちらの工房では、タイのスターバックスと
店舗限定で購入できる
ベンシャロン焼きのコラボもしていました。

スタバのロゴが入ったカップが送られてきて、
そこに職人さんが絵付をするそう。

クラシカルでありながら、
現代的でもあり、とても美しく
可愛らしいデザインがたくさんありました。

数に限りがあり、人気があるようで
日本人の他の方のブログでも
中々買えなかったとのこと。

現在は、スタバのロゴ入りのカップを
購入することはできませんが
ロゴなしの同じデザインを
オーダーすることは可能です。

また、大学で彫刻も勉強されたという息子さんは
ベアブリックともコラボされています。

(こちらは予約が開始され、注文ができるとのこと。興味がある方は公式のInstagramなどからご確認ください。)

こちらもタイの伝統的な陶器と、
ベアブリックのモダンな雰囲気がとても可愛らしく、様々な形で世界に広がっていく様子が素敵でした。

PINSUWAN BENJARONG on Instagram: "𝐁𝐄@𝐑𝐌𝐔𝐆 𝐁𝐞𝐧𝐣𝐚𝐫𝐨𝐧𝐠, traditional Thai five-basic-color style pottery. Created by @pinsuwan.venture.group The idea of combining Benjarong patterns with a BE@RBRICK shape sounds like an interesting and creative fusion of traditional Thai art with contemporary urban art toy design. Available in 7 colors. Ready to pre-order at 𝐀𝐊𝐀𝐒𝐇𝐈𝐂 𝐑𝐄𝐂𝐎𝐑𝐃𝐒 𝐢𝐧 𝐁𝐚𝐧𝐠𝐤𝐨𝐤 2nd - 29th February 2024 In partnership with : @medicomtoy.page Co-Curator & Official distributor in Thailand : @artworksww ———— BE@RMUG แก้วมัคเบญจรงค์ ที่เกิดจากการผสมผสานระหว่างศิลปะไทยแบบดั้งเดิม และการสร้างสรรค์กับศิลปะร่วมสมัย ออกแบบลวดลายเบญจรงค์และลงสีด้วยมืออย่างประณีต โดย “ปิ่นสุวรรณ เวนเจอร์ กรุ๊ป” บนแก้ว BE@RMUG ที่มีให้เลือก 7 สี สามารถสั่งจองล่วงหน้าได้ที่งาน 𝐀𝐊𝐀𝐒𝐇𝐈𝐂 𝐑𝐄𝐂𝐎𝐑𝐃𝐒 𝐢𝐧 𝐁𝐚𝐧𝐠𝐤𝐨𝐤 ตั้งแต่วันที่ 2- 29 กุมภาพันธ์ 2567 *เงื่อนไขเป็นไปตามที่บริษัทฯกำหนด พันธมิตรร่วม : MEDICOM TOY ภัณฑารักษ์ร่วมและผู้จัดจำหน่ายอย่างเป็นทางการในประเทศไทย : บริษัท อาร์ต เวิร์กส์ เวิลด์ไวด์ จำกัด 𝗞𝗶𝗻𝗴 𝗣𝗼𝘄𝗲𝗿 𝗠𝗮𝗵𝗮𝗻𝗮𝗸𝗵𝗼𝗻 Open Daily 10:00 - 00:00 hrs. 🚗 Car: Parking is available 🚄 BTS: Chong Nonsi Station Exit 3 📞 Call 02-677-8721 #AKASHICRECORDSINBANGKOK #KingPowerMahanakhon #MEDICOMTOY #BEARBRICK" 43 likes, 0 comments - pinsuwan.benjarong on February 22, 202 www.instagram.com

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国賓の食器についてもお伺いすると、
実物を見せてくださいました。

ピンスワン・ベンシャロンで製作されたものが
2003年のAPEC首脳会談で
公式会食の食器として使用されています。

大きなディナープレートには
参加した21ヶ国の各首脳のイニシャルと
誕生花が描かれ、誕生日の色で
デザインされ、贈答されました。

タイでは、各曜日ごとに
月曜日は黄色、火曜日は桃色、
水曜日の午前は緑、水曜日の午後はグレー、
木曜日はオレンジ、金曜日は青、土曜日は紫、
日曜日は赤、とイメージカラーがあります。

生まれた日の曜日がとても重要で、
その色がその人のラッキーカラーであり、
占いや性格診断にも使われたり。

こちらに飾ってあったのは、
オーストリアの当時の首相用に
デザインされたものだそう。

タイの文化も詰め込まれた
想いのこもった素敵なプレゼントだなぁと
感じました。

ディナーで使用された食器セット
オーストラリアの首脳へのオリジナルデザイン
緻密で美しい圧巻のプレート

・・・・・・

次に特別に工房で職人さんたちの
絵付けの様子も見させていただきました。

工房の様子

伝統的な模様以外に、ここの工房が
特別な理由をお聞きすると、
金の縁取りをする筆にありました。

下がペン、上が筆。

他の工房では、写真の下のようなペンで
金の縁取りをされるそう。
ペンの方が、描きやすく、時間もかからず
金の量も少なくて済むとのこと。

しかしこちらのピンスワン・ベンジャロンでは
全て写真の上のような筆で描かれるとのこと。

筆の方が難しく、時間もかかり、金もたくさん使いますが、そのおかげで、長く使用しても金の部分が擦れにくく、長く美しさが保てるそう。

ペンでも大変な金の縁取りを、
より難しい筆でより緻密に正確に描く様子に
驚きました。

驚くほど緻密なデザインを下絵なしで筆で描いていく。

この筆と金が煌びやかな美しさを感じた
秘密だったのかもしれません。

さらに金の多さの煌びやかさだけでなく、
絵付けの立体感も強く表面が
ぷっくらとしており温かみがあります。

その美しさと手仕事の温かみ、
伝統的な草花の模様が相まって
ギャラリーを訪ねて初めて見たときに
とても素敵で特別な雰囲気があったのだと
思います。

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元々は創業者のお父様が教えていましたが、
今はベテランの方が若い世代に教えており、
約20名の職人さんが働いているそう。

一番若い職人さんは20歳。

難しく大変でタフな絵付けは、
若い世代の人はやりたがらず、
ベンジャロン焼きの職人さんは
全体的に減少している中で、

こちらの工房は若い世代の人も
増えていると言います。


3.ピンスワン・ベンジャロンの歴史と背景

このように高い技術と伝統の模様を
継承するピンスワン・ベンシャロン。

国賓に使用されたり、
オーダーをしたりと人気で有名ではありますが、
ピンスワン・ベンシャロンの歴史や創業の背景の
日本語や英語の情報はあまりありません。

工房を訪ねて、とても素敵な場所であると同時に
創業者のお父さまがどんな人であったのか、
どんな思いで創業されたのか、
もっと深くピンスワン・ベンシャロンのことが
知りたくなりました。

創業当時のことをお聞きすると、
後ほどタイ語で書かれた
古いインタビュー記事を
送ってくださいました。
創業者のお父さまが当時92歳のときのものです。

それを翻訳して読んでみると、
彼の努力と物語に胸を打たれました。
創業者の彼の名前は
ピンスワン・ウィラットさん。

もともと教師だった彼は
ココナッツ農家さんとご結婚され、
ココナッツの商人に。

幼い4人のこどもがおり、
貧しい暮らしをしていたあるとき、
陶磁器の骨董商人と出会います。

ウィラットさんはこの土地に長く住んでいたので、骨董商人が村人の家を訪ねて骨董品を買うのを手伝うことに。

そんな中、一部の人は
なぜこんなにもたくさんお金を払うのか、
なぜ古いものがこんなにも
高値で取引されるのか自問します。

自分でも飾るために一つ買って触れたとき、
彼は愛と深い繋がりを感じました。
古くから行われてきた
古代の職人の美術品の取引であると実感します。

骨董品の歴史の本を読み、
美しいベンジャロン焼きの色彩への
興味も相まって、知識を増やしていきます。

自ら村を歩いて骨董品を買い、
バンコクの商人に渡すようになり、
傷が付いたものの修繕もするように。

できるだけ古い当時の色と模様に近付けるため
色の混ぜ方や模様を研究します。

どの工程も時間がかかるもので、
彼が古い模様をリアルに再現して
自ら新しい製品をつくれるようになったのは、
多くの専門知識と努力と忍耐の結晶である
長い年月の経験を経てからでした。

当時60歳を越えていましたが、
依然として知識への情熱を持ち、
さまざまな大学で学生達ともに熱心に
作陶を学び、国の文化委員会から
盾も受け取ります。

アムパワーの地域の人々が
収入を得て独立開業できるようになるまで
ベンシャロン焼きの知識と技術も教え、
職人さんを育てていきました。

そうして今のピンスワン・ベンシャロン工房と
その伝統的な模様と高い技術が
継承されているのです。

その創業の背景を知り、
探究心と情熱、お人柄に触れることで、
ピンスワン・ベンシャロン工房と
こちらの陶器が好きになり、
より美しくより特別なものに思えました。

4.最後に

伝統的でありながら、コラボなど様々な形で
謙虚な姿勢で新しい革新を取り入れつつ
世界中の様々な世代の人に知ってもらい、
職人さんの美しい手仕事と高い技術が
継承されていく様子が印象的でした。

ピンスワン・ベンジャロンでは
オーダーメイドができ、
どんな方が注文するのかお伺いすると、
意外にも日本人の方が多いそう。
駐在員の奥様がタイでの生活の記念にと
家族分注文され、宝物にされているとか。

全て職人さんの手描きのオーダーメイドのため、
納期は時間がかかりますが、
一生の宝物にいかがでしょうか?
興味のある方はこちらの公式の
SNSからご連絡してみてください。

人気のお重セット
どんな模様と色の組み合わせにしようか、
幸せな悩みが浮かびそう


最後に、突然の訪問にも関わらず、
快くご丁寧にご案内をしてくださった
パッソーンさんと工房の皆様へ、
コップンカー!♡
Pee Na ขอบคุณมากค่ะ!!

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ピンスワン・ベンシャロンの
公式インスタグラムはこちらです。


ベアブリックとコラボ中の
息子さんの公式インスタグラムはこちら。


ピンスワン・ベンジャロンの
公式のリンクツリーはこちら。
(インスタグラム以外に、FacebookやLINEなどがあります。)

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