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子供のためのルーブル美術館(14)見えるかな、水晶にうつった物はなに?

|ダビンチの算数の先生のはなし

ここにある いろいろなものを 
よくてごらん
三角さんかく四角しかくか?

どんなかたちでできているのか


定規じょうぎ用意よういして


そしてえんをかくための
コンパスもだ

きらきらひかっているこれがえるかな?

とうめいないし
水晶すいしょうでできている


いったい いくつ
とがっているところがあるのか
たいらなところは
どんなかたちをしているか
わかるかね?


この水晶すいしょうにうつっている
まどのそと
あおそら
きみには えるかな


レオナルド・ダ・ビンチに
算数さんすうおしえたときも
こうだった

この水晶すいしょうとうつるそらとの
不思議ふしぎ


レオナルドはすぐにこのかたちを
かきうつして



  

わたしほんにものせたのだ


さあ きみたちも
いろいろなかたちをさがして

よくよくてごらん




らない世界せかい
えるかもしれない






Attribué à Jacopo DE' BARBARI NAPLES
Huile sur panneau, 1495
ヤコポ・デ・バルバリ
? ヴェネツィア、1475-1516年
ルカ・パチョーリと弟子の肖像 1495
カポディモンテ美術館 
ルーブル美術館企画展 Naples à Paris 上記美術館より借用展示

ルカ・パチョーリの『神聖比率』の挿絵
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ドローイングを版画にしたもの

数学者でありフランシスコ会修道士であったルカ・パチョーリが、おそらくウルビーノ公爵の息子であろう優雅な青年に幾何学(物の形がどうなってるか考える勉強)の授業をしている。左側に吊り下げられているのは幾何学的な水晶のオブジェ、多面体で、その面には巧妙な光学効果で窓の反射が垣間見える。

musée du louvre

数学者ルカ・パチョーリは、1494年『スムマ』と呼ばれる数学書を著した。この書で初めて複式簿記を学術的に説明されたことにより、パチョーリは「簿記会計の父」と呼ばれている。ただし、パチョーリ自身が「複式簿記の祖」でないことはいうまでもなく、これは『スムマ』の中でも述べている。
1496年43歳前後のレオナルド・ダ・ヴィンチ数学純粋数学)と会計学の教育を施し、40代とは思えない知に貪欲な姿勢に感銘を受けとともに幾何学的立体図形に関する研究を行った。マントヴァ滞在中の1497-1498年に『神聖比例論』を著し同書にある正多面体の挿絵は、レオナルドの原図によるものとされる



お読みいただきありがとうございました。
ダヴィンチの教師として、このルカ・パチョーリだけは唯一ひとりだけ、明らかに名前がその歴史に残っている人物です。
きらきらと光る水晶にうつる青空、お子さんも見つけられたでしょうか。

今回のルーブル美術館の企画展 Naples à Paris の試みは、ルーブル常設展のイタリア絵画の中に、カポディモンテ美術館から借用したイタリアの画家の作品を散らして展示していくという画期的なものです。
隣の部屋にはダヴィンチのモナリザもいます。








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