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子供のためのオルセー美術館(66)ゴッホ・いつもは描かない絵だけど/水と動く葉っぱ

休日きゅうじつたのしむひとたちを


ここはオワーズがわ
ゴッホは、かわのほとりであそんでいるひとたちをきました。

あそこに、りをしているひとがいるよ。
なんのさかなれるんだろう?


あかみどりあおと、きれいなボートだなあ。
茶色ちゃいろいのもあるけど、どのボートがいい?


かわあおみどり、むらさき。あと、ゴッホのきな群青色ぐんじょういろ
みずにうつったボートは、たっぷんたっぷん、ゆれています。

かわみずは、ぶあつい絵の具えのぐおもいくらい。
ゴッホは、何度なんどふでうごかしました。よこよこに、ながみじかく、ながみじかく……


っぱは、いつものゴッホ、
ギザギザ、ギザギザ、たくさんのいろ

ザザザ、ザザザザザ、

っぱははやつよいたから、かぜとぶつかるおとがしました。

あ、やっぱりボートはみどりだね。
出発しゅっぱつ! これからどこまでくのかな。


Bords de l'Oise à Auvers-sur-Oise  1890
Detroit Institute of Arts
オワーズ河畔 オーヴェール=シュル=オワーズ 1890
デトロイト美術館蔵 オルセー美術館ゴッホ企画展2023

ゴッホは、印象派の画家たちが好むオワーズ河畔の絵画的な要素にはほとんど興味を示さなかった。
印象派の典型的な主題であるレジャー、釣り、ボート遊びを描くのはゴッホにとって非常に珍しく、売れる絵を描きたいという願望があったのかもしれない。不思議なことに、彼は書簡の中でこの3人の構図について一切触れていない。
ゴッホの最大の魅力は大胆な葉の描き方で、それは強く非常に生々しく、色彩豊かなハッチングで描かれ、穏やかな水面とのコントラストをなしている。

musée d’orsay 

お読みいただきありがとうございました。
休日を楽しむ人やボート遊びを題材に描くことはなかったゴッホの珍しい作品、2017年に日本に渡ったのでご覧になった方も多いと思います。
川面はとても穏やかに、対して川縁の木々の葉はグラフィックアートのように激しく描かれゴッホならではの動き。ボートの鮮やかな赤や青が目を惹きます。
描かれたのは6月末で当地の1番気持ちの良い美しい季節、ゴッホが川辺でデッサンする姿が見えるようです。

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