見出し画像

発達障害の私に統合失調症のような症状が現われた話


ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)をはじめとする発達障害の症状といえば、コミュニケーションの障害や感覚過敏、不眠、集中力の凹凸、落ち着きのなさなどが有名だと思います。

実際、今私が経験している症状も上に挙げたものがほとんどです。

しかし、発達障害の症状にはこうした世間一般で割と認知されているもの以外にも様々な種類のものがあります。

そういった症状の例として、どうやら幻覚や妄想などの統合失調症の症状のようなものがあるようです。

発達障害でも統合失調症に酷似した症状が現われる場合がある

私がよく参考にするサイトとして、【Dr林のこころと脳の相談室】という、主に精神疾患にまつわる質問に対して精神科医が回答するというスタイルのサイトがあるのですが、そこに以下のようなページがあります。


これらのページでサイト運営者の林公一氏は

"これは、質問者がご心配されているように、統合失調症の発症という可能性もないことはありませんが、この【2162】の症状と経過の全体像からみて、発達障害(の傾向)を基盤にした、妄想的な反応とみるほうが妥当だと思います。"
"アスペルガー障害では、統合失調症にかなり似た精神症状を一過性に呈することがあります。"

という記述をしています。

実際に経験した時の話

実はいうと、私も以前に統合失調症の症状としか思えない体験をしたことがあり、もしかすると上に挙げた症状と同じものではないかと思ったワケです。

その体験をしたのは2016年の6月ごろ、私が高校を卒業した後に浪人生活を送っていた頃のことです。

当時、私は睡眠障害がひどくて、睡眠のリズムが24時間起き続けて12時間寝続けるみたいな、滅茶苦茶なリズムになってしまっていました。(一日が36時間になってるみたいなもんです。)

そうしてロクな睡眠もとれない中で、勉強にも集中できず、特にやることもないので外をフラフラと歩いていることが多くなりました。

そういう生活を送っていたある日、私の精神機能に変が生じはじめました。

その日、私は深夜に東京都板橋区の高島平という所をフラフラと歩いていたのですが、その途中でパトカーと何度かすれ違いました。

通常であれば、たまたまだろう、偶然だろう、と思うところですが、その時の私は「なんであのパトカーは何度も自分とすれ違ったんだろう?もしかして自分を尾行してる?」と思ってしまったのです。

それ以来、私はパトカーとすれ違う度に「もしかしたらあのパトカーは自分を狙っているのかもしれない。用心しておこう。」と思うようになってしまいました。

もともと私は小さい頃から自分の背後を人にとられるのが嫌であったのですが、この頃から外を歩いている時に背後に他人に歩かれると「もし後ろの人が急に襲ってきたらどうしよう」と恐怖心のようなものを抱くようになりました。

他にも、夜に車道の端に車が止まっているのを見たら「あの車の何かスナイパーがいて自分を狙撃してくるかもしれない。気を付けよう。」とか思ったりとか。

酷い時は、外で飛行機が飛んでいるの見たとき「もしあの飛行機から原爆が投下でもされたらどうしよう。」などと思ってしまって、原爆の熱線が当たらないようになるべく建物の影に隠れて歩くという奇行もしてしまったことがあるくらいです。

ちなみに、この時私が抱いた考えというか思考は「~に違いない!」といった強いものではなく「~かもしれない。」といった程度のものでした。例えば「パトカーが自分を尾行しているかもしれない。」と思いつつも、同時に「いやいや、そんなバカなことがあるものか。」とも思っていました。こういう確信に至らない思い込みを「念慮」というそうです。これが完全なる確信に至ると「妄想」になるそうです。

確信に至らないにしてもこの時の私の思い込みはかなり強いもので、上の原爆云々の話にあるように実際に行動に移さざるおえない程でした。

この症状に襲われた私はかなり狼狽し、自分は統合失調症を発症したんじゃないか、アタマがおかしくなったんじゃないかと割りとガチで思いました。

その後

この症状に私は2週間くらい悩まされて、一時期は精神科に行こうかと本気で思いましたが、そうこうしているうちにこれらの症状は自然に消えてしまいました。

今でも私は常に軽い念慮のような、ある種の不安感を抱いていますが、この時に経験したような強い精神症状は、以後体験せずにすんでいます。

この出来事の直後は、私が自分が一時的に統合失調症を発症し、その後すぐに自然治癒したのではないかと自分で勝手に思っていましたが、その後精神障害について色々と調べていくうちに、あの時自分を襲った症状は統合失調症ではなく発達障害から(ADHDとASDのどちらかは定かではないですが)くるものだったのだろうと、今では思うようになりました。(統合失調症が薬や電気痙攣なしで自然治癒することはほとんどありえないそうです。)

最後に

以上のような体験をした後、私は発達障害や統合失調症などの脳、精神の病気は、身体疾患と比べて違って非常に難しい問題を持っているのだと改めて思いました。特に内因性の精神疾患では、その症状の原因がほとんど分かっていないことが多いのが現状らしいです。そのため、同じ病気でも全く症状が違う、同じような症状でもそれを引き越した病因が全く違うなどいったややこしい問題が起こってしまうんだとかなんとか。

いやーそれにしても、もしあの時自分が統合失調症を発症していたらと思うと、今でも恐ろしくてしょうがないです。

随分と長い文章になってしまい、特にオチもありませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?