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30歳無職・子あり・経験は事務職オンリーの私が、正社員として再就職した話

結婚や出産、夫の転勤などを期にキャリアを中断した女性は多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

キャリアを中断した女性が、また社会へ戻るための後押しになればという想いから、この記事を書くことにしました。この記事では、私自身のストーリーと、再就職のために実施したこと3選をご紹介します。

今は専業主婦をがんばっているけどいつか再就職を検討している30代、40代の女性や、これから正社員としての就職を希望されている方にとって、少しでもお役に立てましたら幸いです。

私のストーリー①キャリアを中断した経緯

私がキャリアを中断したのは29歳。どうして離職したかというと、長男を妊娠したからです。契約社員としての期間満了を迎え、転職活動をし、ようやく1社から内定をもらった矢先の妊娠でした。

当時名古屋に住んでいました。内定をもらっていたポジションが「関西で半年間勤務し、仕事を引き継いで、半年後に名古屋に戻ること」というやや特殊な内容。半年後に名古屋に戻るころには出産。。。ちょっと厳しいか?と思い、内定先の人事部長に相談しました。

ホテルのラウンジで、人事部長とミネラルウォーターを片手にこんな話をしました。(つわりで気持ち悪くてミネラルウォーター)

この企業で働きたいと心から思っていること。でも、妊娠も人生における重要な要素であること。できれば、身体の負担がないように就職させてほしいこと。どうしても難しければ出産後にもう一度チャンスが欲しいこと。

はじめての育児だし、育児休業を1年程度取りたい、という希望も正直にお伝えし、内定は一旦取り消し、「機会があればまた採用を検討させてください」ということで、私のキャリアは中断しました。

このときは本当に悔しい思いをしました。

社会からアウトしてしまった。もう会社員、特に正社員として働くことはないかもしれない、という覚悟をしました。

経験は事務職しかない。子あり。こんな人材を取ってくれる企業は少ない。

嬉しい妊娠にも関わらず、真っ暗な長いトンネルに入ってしまったような気持ちでした。

私のストーリー②思考は現実化する 正社員として再就職

実は、この人事部長、この内定取り消しからちょうど2年後に、本当に連絡をくださったのです。「ポジションがひとつできました」「もう一度働くことを考えてみませんか?」と。

本当にうれしかったです。人事部長が約束を守ってくださったこと、こんな私なのに機会を作ってくださったことに、今でも心から感謝しています。

すぐに面接の日程を調整し、2ヵ月後、正社員として再就職を果たすことができました。

このころ、私はすでに長男を出産し、息子は1歳半を過ぎていました。

妊娠~出産、育児をしながら、再就職に向けて何をしていたか?

ここからは、離職してから再就職するまで、妊娠、出産、育児をしながら、私が再就職のために取った行動のうち、重要なアクションだったと思うものを3つご紹介します。

「これをやれば必ず正社員として就職できます」ということではありません。また、正社員として再就職することが全てでもないと思います。また、私の行動が必ずしも正しいのかというと、そうでもないのかもしれません。

ただ、同じように社会からアウトしてしまい不安な気持ちで過ごしている女性たちが、少しでも希望を持てるように、行動できるように、ひとつの事例としてご紹介できればと思います。

再就職までの行動① 周りに再就職したいことを公言する

皆さんは、再就職したいことを周りの家族や友人に話していますか?私は、周りに話していました。(妊娠を期に社会からアウトしたことがあまりにもショックで、ついつい話していた、というのが正直なところですが)

結論、再就職したいことを周りに話しておくことは、とてもおすすめです。

再就職することを公言しておくのがなぜ良いか、2つの理由があります。

1つ目は、周りが応援してくれるようになったからです。夫も友人も応援してくれました。また、当初「女性がこどもを育てながら働くなんて絶対だめ。こどもがかわいそう」と言っていた母も、その2年後には働くことに賛成してくれました(時間かかりましたが。。。)

周りから反対されながらの就職ってほんとうに辛いと思います。夫の理解がないまま就職し、家事や子育ての協力が得られず苦しんでいる女性の話をたくさん聞いてきたからなおさら。また、友人・知人にも話しておくことで、「こんな仕事はどう?」「こんな事例もあるよ」など、求人情報や事例紹介なども協力してもらうことができました。

2つ目の理由は、自分に対するコミットメントです。やる、と宣言したからには、やるしかなくなります。

そうすると、自然に準備を始めることができるんですよね。

社会復帰するためには、保育園のこと調べておこう、どんな仕事なら就くチャンスがあるだろう、チャンスを広げるために簿記2級とTOEICなど資格取っておこう、会社員になれなかったとして、個人事業主はどうなんだろう…などなど。

再就職するまでの私の行動② 保育園戦略

皆さんのお住まいの地域は認可保育園に入るのは簡単でしょうか?

私が当時いた地域では待機児童が常にいて、認可保育園は簡単に入れませんでした。特に0、1、2歳児。「無職、求職中、内定あり」の状態って点数が低くて、育休復帰するお母さんたちの点数と比べると全く勝ち目がありません。

そんな中、ありがたいことに、私は再就職のタイミングで、信頼できる認可保育園に1歳半の息子を通わせることができました。

私が行動した手順です。※カッコ内は「いつ」

1.役所へ出向き、自治体の点数の付け方のルールを知る(出産半年後)

2.戦略を立てる(出産半年後)→行動

3.再就職活動を開始したら、空きがある園はどこですか?と役所に聞き、可能性がある園は全て見学にいく(就職活動と並行して)

4.選考に応募(保育開始希望月の〆切まで)

※並行して、別の選択肢として認可外保育園の見学にも行きました。

ポイントは何といっても1.と2.です。ルールを知って戦略を立てること。どうしてかというと、繰り返しになりますが、保育園入園を希望する大半の家庭は「育児休業からの復帰」で高い点数がもらえますが、無職から再就職する人は点数が低く、入園選考で勝ち目がないからです。(ただ、自治体によって違うのでお住まいの地域のルールを必ず確認してくださいね)

どうしたら点数が上がるのか?以下が私の戦略でした。

・基礎点を上げる:「求職中」から「就業中」へ

私のいた自治体では、保育理由(その時点でのステイタス)で、基礎点が決まるルールでした。

たとえば「求職中」「就業中週〇時間以上」「就業中週〇時間以下」「育児休業からの復帰」など。状況により基礎点が大きく違います。

「求職中」だと保育園にこどもを入れることがかなり難しいとしった私は、本命ではないにしろ、「仕事をしている」状態に持っていく必要があることを知りました。

最終的に、知人の紹介で、こどもを連れて行っていい仕事を紹介してもらい、息子が1歳のときから正社員として再就職が決まるまで働いていました。事情を話してあったので、正社員として再就職するまで、というお約束で。

人手が足りない現場でしたので、知人もとても喜んでくれました。

・加点を付ける、減点を避ける

多くの自治体では、基礎点に加え、加点・減点のルールがあります。たとえば、兄弟が既に保育園に通っていたら「加点5点」、同じ地域におじいちゃんおばあちゃんがいる場合は「減点1点」みたいなルールです。

ポイントは、加点できるところは申告する、減点されるところは納得いかなければ外してもらうです。そして、口頭で役所の担当者へ相談しておくこともおすすめします。

たとえば、私の母は当時同じ地域に住んでいました。ただ、闘病中のため、こどもの面倒をみることはできません。おばあちゃんが同じ地域にいるからという理由で減点されると辛いのです。実際、協力してもらうことができないのですから・・・。

そこで、役所の担当の方に相談し、減点対象から外してもらえる可能性があることを知りました。そのために用意する書類は何かをきき、一式揃えて提出しました。


なお、このように保育園の戦略のことを書くと「ずるい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、これは私の考えですが、厳しい社会を生き抜くためにはこれくらいのしたたかさとしなやかさを身に着けた方がチャンスは広がります。

それに、こうして周りと相談しながら、ルールを知ることや自分の人生をマネージメントしていく力って、実は就職した後にとても大事になってきます。(この話はまた別の機会に)

再就職するまでの私の行動③ 「良い波」に乗るための準備

以前働いていた会社の上司がサーファーでした。「サーフィンは人生みたいなもの。いい波が来たらチャンスを逃さない、いい波が来る時のために準備しておくのがいい」と真っ黒に日焼けして白い歯を見せながらよく語ってくれていました。笑

主婦の再就職もサーフィンに似ています。20代やキャリアの中断がない同世代と違い、30代以降の主婦、特に小さなお子さんがいる女性やキャリアの中断がある女性は、残念ながらいつもいい波が来るわけではありません。私みたいに事務職経験しかない方はなおさらいい波が限られるかもしれません。

良い波が来たら乗ってみる。そのために準備する。失敗したら、また乗る。

良い波が来るかどうかは運もあるので、大事なのはとにかく「準備」にフォーカスすることです。

私が就職した会社は外資系だったので、妊娠中にTOEICを猛勉強していたことが加点になりました。また、就職時には関係なかったけど、妊娠中に簿記2級を取得し、実際の業務には随分と役に立っています。

資格は無いよりあった方がいい。もちろん資格以外にも準備できることはたくさんあります。

自分が就く可能性のある仕事に対して、自分に足りない部分は何?準備できることはある?と考え、いい波がきたときに乗れるように準備しておきましょう。


最後に

30歳無職、子あり、経験は事務職オンリーの私が、正社員として再就職したことを振り返りながら記事にしましたがいかがでしたでしょうか?

家庭の事情でキャリアを中断してしまった女性が再就職をしたいと思ったときに、少しでも前向きに行動するためのヒントになる情報をお届けできていたら幸いです。







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