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この実、何の実?

とある森の中、足下を見ながらお散歩しておりますと、たくさんの木の実がそこかしこに落ちておりました。

おや?胡桃かしら?
真っ二つに割れた木の実の皮は、ちょうど大きさもそんな感じ。
しかし…近くに転がる実そのものをよく観察してみると、どうも違う。
背面は灰褐色で地味なのですが、裏返してみると、艶々の焦げ茶色。

はて?栗にも似ているけれど…イガがどこにも見当たらんぞ。

木々を見上げると、大きな葉が重なりあって「当ててみ?」と囁きかけてきます。

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六:「ヒント、ヒントをおくれ!」

木:「フッ…樹木探偵とは名ばかりだな。これくらい分からなくてどうする?」

六:「樹木探偵の件は謝る。」

木:「コラ!どさくさにまぎれてリンクを貼るな!」

六:「頼む、ヒントをくれい」

木:「ヒントをやるまでもないが…おぬしはどこぞの街路樹で見ているはずだぞ」

六:「ちょっと、広すぎるな(範囲が)」

木:「それが人に(木に)ものを頼む態度か!」

六:「もうひと声!よっ!King of trees!」

木:「フン…じゃあ、大ヒント。おぬしはダンナの仕事仲間から貰ったお土産で、この木の実を食べておるよ」

え?ウソだよ。初見の実だよ?食べたことなんて…

木:「なんなら、ダンナと美味い美味い♪言いながら、ものの5分で平らげてたよ」

ふぅむ…???  あっ!もしかして!

六:「わかった!わかったよ!あのお土産は殻が剥いてあったから気づかなかった。憶えているよ、絶妙な塩加減に、香ばしいナッツ。そう、この木の実は…」

栃の実だね?

木の実:「遅いよ!気づくの遅すぎ!」
六:「あっははは))メンゴメンゴ」

ゴメンをメンゴと言っていた時代を知るロッタは、正解に辿り着くまでのかかりすぎた所要時間の照れ隠しに(より照れろ)、メンゴを連呼したのでした。


~おわり~


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀

何かメルヘンの扉が開きそうな、森へのパスポートのような(トトロ)、可愛いフォルムと色ツヤの栃の実くん🌰💕
切株に偶然落ちたのか?それとも誰かがそっと置いたのか?

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