可燃文字
ここで終わりにしよう と、あなたは柵に手をかけ小さくなった民家へ誘う風にゆっくり溶け込んでゆく
私は5分後の君をフィルムに少しでも収めたいと願った
それが5分前に短冊にしたためてまだ誰にも知られていない
密かな爆薬だった
パッケージの冷えた文章を作った張本人だけが誰にも罰されなかった
悔しいと思わないか
誰かに伝えた文章は速やかに燃やされればいい
私を徴す以外に何にもなれなかった文章に
供えたい
私の思考は本物だった
あなたが柵に手をかける必要なんてない
人形の訴訟は誰の耳にも届きやしないさ
蛍光灯が太陽の光と勘違いしてしまった君の愚かさ
かわいそうに
と言えたらいいな
5分後
下に転がっていた、「無様」
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