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【パロディ】東海道中膝栗毛_まえがき

昨年12月末。母が僕に”10歳までに読みたい日本名作10巻 東海道中膝栗毛 弥次・北のはちゃめちゃ旅歩き!(Gakken)” を買い与えてくれた。
立派な成人男性である僕への贈り物がなぜこの本なのかを母に尋ねたところ、「原作はすごい昔の言葉で書かれてるから、なお君は多分読めないよ。昔なお君の部屋を掃除してるときに古文のテストを見つけたけど、7点だったもん」とのこと。

...そんなわけあるか。
一介の数学教師が文法の申し子である僕に何言ってんだ? 国立大学二回出てるくらいで調子に乗んな。そもそも、東海道中膝栗毛は江戸時代に書かれた作品だから、古文のテストとか関係ねぇ。

...とはいえ、子供向け東海道中膝栗毛はおもしろかったし、今後のブログ作成の参考にもなったので、母さんには感謝している。
“参考” というのは、その構成をパクって旅行記を書く、ということだったのだけれど、年末年始、ずっと先のできごとが頭から離れず、このまま人知れず苛ついているくらいなら...と、横浜へめに出かけた今日、一冊の本を購入した。

・東海道中膝栗毛(上) [全2冊] (岩波文庫)

こちら、注釈つきの原典だ。
まだページをパラパラとめくって所々眺めただけだけれど... 高校時代、古文のテストが7点だっただけのことはあり、注釈があっても難しい。
しかしながら、僕にはこれを読破できる確固たる自信がある。というのは、先日、とある一冊の本を手に入れたからだ。

・HIZAKURIGE A PIEDI LUNGO IL TOKAIDO (COLLANA DI STUDI GIAPPONESI il ponte)

...そう。東海道中膝栗毛のイタリア語訳版だ。
本当は現代日本語訳版を原典読解の助けにしようとしたのだが、それでも難しすぎて...というのは冗談で、イタリア語が堪能な僕には、これが最善の方法と言えるだろう。

せっかくここまでして読むんだし、私訳としてnoteに載せようかとも思ったが、原典・イタリア語訳版ともに誤訳が怖い... じゃなかった、パロディにしたほうが楽しめるかな、と思ったので “【パロディ】東海道中膝栗毛” として執筆することに決めた。

というわけで、さっそく、はじまりはじまり... といきたいところなのだけれど、今日は気分が乗らないので、本編を書き始めるのはまた今度。(まだ原典を1ページも読んでないしな!)

僕はパロディを書くとき、モブはともかく、主役・準主役には実在の人物をあてがうのだが...今、弥次郎兵衛 役のあいつとケンカしてるんだよね。まぁ、ケンカっていうか、僕が勝手に腹を立ててるだけなんだけど...

今日、みんなでバスケットボールの試合を見に行くんだって。一方、僕は日本でひとりぼっち。
ムカつくから、それを知って以降、あいつからの連絡を無視している。
顔文字付きの「どうしたんだ、具合でも悪いのか?」から始まって、顔文字なしの「どうして心配ばかりかけるんだ!」のあとは、鬼ボイスメッセージ... その全てが、もう何時間も未読のままだ。

“どうして心配ばかりかけるのか” だって? 心配をかけること自体が目的なんだよ、ば―――か。
これで、僕の安否が気になってバスケどころじゃねぇだろ。ざまぁみろ。お前なんか大っ嫌いだ。

...確かにそう思っているはずなのに、このまま心配されなくなったらどうしよう、とも思う。

無視してごめん。試合、楽しんでこいよ。

...そう言えたら、すぐにでも筆が執れるのだけれど。