見出し画像

イタリア滞在記[2]_23【フェッラゴスト!】(2022.8.15)

イタリアでは、8月15日は “Ferragostoフェッラゴスト” と呼ばれる祝日だ。
Ferragostoフェッラゴスト” は、初代ローマ皇帝アウグストゥスに敬意を払う祭日として紀元前18世紀に制定された “feriaeフェリア―エ Augustiアウグスティ (アウグストゥスの休暇)” に由来する祝日で、この日は伝統的にピクニックやバーベキューなどが行われることが多い。
 
ただ、僕に言わせれば、この炎天下でピクニックやバーベキューなんて、冗談じゃない。
元は皇帝アウグストゥスに敬意を払う日だったんだから、現代においても、やっぱりこの日は「皇帝」に敬意を払わないとね?

人口二人のM.帝国の皇帝は、もちろん僕だ。そんなわけで今日は、家来アンドレアが僕に敬意を払う。
そのため、イタリアの朝食は菓子パンとコーヒーなどで簡単に済ませることが多いのだが、今日は僕好みの朝食を準備するため、彼は朝からキッチンに立った。

変な玉ねぎを切っている…

玉ねぎの次はトマトを切り始めたのだが、たまにまな板の上からつまみ食いをしていたら半分食べてしまい、キッチンから追い出された。

仕方ないので、ダイニングでポテトチップスを食べながら待つ。

いい匂いがしてきたのでキッチンに戻ってみると...

ぉお…
ぉおお…
赤い色してるとなんでも美味そうに見える…
あ… これは文句言お。

「お前さぁ、二人で食うのにトースト6枚で足りると思ってるのかよ?頭おかしいんじゃねぇのか」
「...君さ、昨日俺の留守中に、料理をけなすための語彙を勉強したって言ってたよね。悪口の程度がいつもと全然変わらないんだけど」

↓結局、こういうのが出来上がった。

食事を始めて間もなく、アンドレアが、
「この料理の中で一つだけ失敗したことがあるんだけど、何だかわかる?」と、僕に聞く。
僕は目の前の皿↓に視線を落とした。

↑目玉焼きは目玉を潰してちゃんと火を通してあるし(僕は生っぽい卵が嫌いだ)、ベーコンもカリカリしてて美味しいし...と、いうことは、
「トマトの量が少ない!」
「...それは君のせいだろ」

今度はこっちの皿↓を観察する。

↑玉ねぎはちゃんと火が通っているし、チリビーンズはめちゃくちゃ美味いから、絶対に失敗なんてしてないよな。と、いうことは...
「トーストの枚数が少ない!」
「君は本当に "質より量" だな...正解は、チリビーンズ。もっとゆるくないといけなかったんだけど...加熱時間が長すぎたんだ。料理をけなす言葉を覚えるのもいいけど、けなすポイントにも気付けるようにならないとね」