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2021年9月の記事一覧

評bot 17

今回も始めます。趣旨は下のツイートをご参照ください。なお、ご利用者様は敬称略にて失礼いたします。

熱帯の摩天の森を抜け帰る蛍光灯が点かない部屋に /ヒプノ寿司マイク

景が、どこなんだろう、というのがあります。「摩天の森」といえば、空まで届きそうなうっそうとした森を想起します。「熱帯」ですし、密林のジャングルみたいな感じ。そこから「蛍光灯が点かない部屋」に帰るということで、まあそうですか、となっ

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評bot 18

 今回も始めます。趣旨は下のツイートをご参照ください。なお、ご利用者様は敬称略にて失礼いたします。

概念の話をしてと言つたのにきみは小箱に戻つてしまふ /朧

「きみ」が「小箱」に戻るというのが、「きみ」が故人であるかのような印象を受けます。あるいはもう会えない距離感の人の、思い出の小箱だったり。そういう意味で「きみ」自体が「概念」に読めますので、概念に対して概念の話をしてくれと言われたら、「き

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評bot 16

今回も始めます。趣旨は下のツイートをご参照ください。なお、ご利用者様は敬称略にて失礼いたします。

ぴかぴかのどろだんごみたい約束を約束のまま撫で続ければ /はとサブレ

「ぴかぴかのどろだんご」ってなんだよ、と思った後、「あるじゃん」と思えたこと、が、この歌のいいところなんだろうなと思いました。泥とぴかぴか、って、両立しますよね。たしかにすごく表面をつるつるにしたら光ります。この「ぴかぴか」を読

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評bot 15

今回も始めます。趣旨は下のツイートをご参照ください。なお、ご利用者様は敬称略にて失礼いたします。

神田川抜け出て外のもわもわをキュキュッと締める丸ノ内線 /六浦筆の助

私は関東に住んだことが一度もなく、景として実感しているわけではないのですが、丸ノ内線がどうやら神田川のあたりを地上走行しているみたいですので、そのときの感じを歌にされているのかな、と思いました。なんかわかる気がするんですけど、惜

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評bot 14

少し間が開きましたがはじめます。趣旨は下のツイートをご参照ください。なお、ご利用者様は敬称略にて失礼いたします。

手の皺をなぞっただけで分かるという未来を無性に蹴飛ばしたくなる /つきひざ

すごく、何もしていない短歌だな、と思います。悪い意味ではありません。手相占いの歌として読みましたが、「分かるという」と、伝聞調の書きぶりがそういうことを信用していない感じがあります。で、その「未来」を蹴飛ば

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