高倉健の英語がうまい理由は?映画「ブラックレイン」
<これは別ブログ「ロンパラ!」に書いた記事を再編・加筆したものです>
先日Channel4というイギリスのTV局で放映されたので、1989年公開のアメリカ映画「ブラックレイン」を遂に観ることが出来ました!
この映画、実をいうと全編ちゃんと観るの初めて。考えてみたら公開当時は東京に住んでたものの、3歳と4歳だった子供たちの育児・真っ盛り。映画館なんて縁遠かった時期でした。
またパートナーに至っては、この映画の題名すら初耳だったそうです。
英米向けDVDカバーでは主役のマイケル・ダグラスと並んで、アンディ・ガルシアが看板俳優にフィーチャーされてるのは知名度的に仕方ないかも。
でもアンディ・ガルシアは後半で殺られちゃうし、本当の意味で最初っから最後まで出ずっぱりなのはマイケル・ダグラス、高倉健、松田優作。
日本ではやっぱり、高倉健と松田優作の作品として有名ですよね!とくに優作さんはこれが映画としての遺作になっちゃったし。
この撮影中には既にガンに侵されていたとは思えないほど、凄みのあるヤクザ役を怪演した松田優作。非情でズル賢い悪役を、クールな表情で演じきってて感動しました!(あっ後ろにガッツさんが笑)
内田裕也もガッツ石松も、チョイ役ながら個性が光っていたし!他にも若山富三郎に神山繁、小野みゆき、安岡力也・・・と80年代を知る私にとっては懐かしい顔ぶれ揃い。
リドリー・スコット監督は、これより以前の作品「ブレードランナー」でネオ東京?みたいなセットで一躍有名になったけど、日本についてかなり調査してるのが伺えました。
いわゆる外人目線のヘンな日本描写は殆どないほどで、「嘘っ!こんなこと日本人は絶対しないけど?」とツッコミをせずに観られました。
しかし何よりも感動したのは、高倉健の英語がすごく喋り慣れている発音&イントネーションだったこと!
他のベテラン俳優(若山富三郎や神山繁など)にも英語での台詞があるけれど、もしかして英語のままじゃなくカタカナに書き直した台詞を、がんばって暗記したのかしらん的な棒読み感。
(松田優作は無口な悪役なうえ英語での台詞は少なかったし、あまり彼の英語については印象に残りませんでした)
でも健さんはナチュラルに英語を話してるのが、アクセントや間の取り方で分かるんですよ。すごく感心してググったら、こんな記事を見つけました。
この日刊ゲンダイDigital記事から、一部引用させて頂きますね。↓
「彼は福岡県の進学校、東筑高校の時代から英語が好きで、アメリカ映画を見ては英語の発声、発音を勉強した。同校では英会話研究会(ESS)の部長をやっていたこともある。明治大学に進学してからも『貿易商になるため』英語の勉強だけは続けていたという。」
「(キョードー東京の創設者・永島達司いわく→)健さんの英語は発声がいいんだ。腹式呼吸でちゃんと発声している。外国のプロデューサーが彼をキャスティングするのはアメリカ人にとって聞きやすい音を出すことができるからだ。耳のいいミュージシャンと同じだよ、健さんの英語はね」
ああー、そういう事なんだ!と大いに納得。発音はもちろんながら、声の出し方も重要ですよね。
私もよく自覚してるのですが、日本人は会話時に喉だけで声を出しがち。腹から出した響きのよい声じゃないから、「えっ今なんて言った?」と聞き返される事よくあります。
しかも健さん、この作品中ではアンディ・ガルシアと一緒に歌まで唄ってるんですよ !ユーチューブもあるから貼っときますね♪
大阪のクラブでほどよく酔いながら、レイ・チャールズの「What'd I say」を唄っているシーン。いつものコワモテ健さんじゃなく、楽しそうに見えるのも微笑ましい。
というわけで映画「ブラックレイン」、私だけでなくパートナーも最初から最後まで堪能できました!
英語ついでに、最後にこれもオマケです。
うちの近所にある住宅地の角で、道路名の標識の下にこんなものを取り付けた人がいるんですが、、、
「Slow Cats Matter スロー・キャッツ・マター」。
これは昨年アメリカで起きた警官による黒人への暴力事件を発端に他国でも広まった「Black Lives Matter」に倣っているようです。
ここを右手に入る路地は減速しないといけないのに、スピードを落とさないドライバーがいるのでしょう。もしかしたらそんな車に猫が撥ねられた、などの理由がありそうです。
これを見たドライバーが、ちゃんと減速しますように。なかなか良い私設標識なので、行政の人が撤去しないよう願ってます!
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