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2024年5月の記事一覧

【随想】映画『悪は存在しない』濱口竜介

【随想】映画『悪は存在しない』濱口竜介

『悪は存在しない』を観た。
視聴してから1週間経つから、もう忘れてきているけど。
いや、でも、1週間も経っているのに、目に焼き付いているシーンが数多くあり、やはり、傑作だったことは間違いない。
自分の中では、ドライブ・マイ・カーとこの2作だけでも、現代の日本で一番の映画監督だと感じる。

この映画は、色々と考察できるようになってるから、どれが正解とかなくて、きっとどれも正解なんだろう。

『悪は

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好奇心は脳内麻薬

好奇心は脳内麻薬

世界はもう新しくならない。そう考えた時未来はつまらないものになる。常に新しいものを追い求める感覚は、好奇心によるものだ。好奇心は世界をまだ理解できていない若い時にこそ鋭敏だ。大人になればなるほど、その体験は過去に経験したことのある確率が上がる。常に若い感覚を持っている人というのは、日常が刺激に満ち、新しいことだらけで、好奇心旺盛の状態だ。それは感覚が鋭敏であるか、もしくは知らないということをよく知

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映画は心地よい洗脳だ

映画は心地よい洗脳だ

映画館で何百人が静かに大スクリーンに向かってじっと目を向け続ける、こんな異常な状況、よくよく考えたらおかしい。いやだから、映画館に行くのだ。心地よい洗脳を受けたくて。感動したり、泣いたり、映画は自分の感情をコントロールしてくる。洗脳されて、興奮して、おもしろかったなどと感想を書き連ねようものなら、そりゃあ監督はうれしいだろう。自分の作品でうまく洗脳できたのだから。

世界をより良く認識するために

世界をより良く認識するために

日々の忙しさに流されて生きていると、ふと自分が何を理解して何を理解できていないのか不安になる瞬間がある。そうならないために、きちんと理解できたことを言語化しておこう。いや、言語化できることが理解したことになるのか。世界を言語で理解することが、正しく世界を認識しているかどうかは怪しいが、やはり人間のコミュニケーションにおいて、言語の占める割合はいまだに大きい。ビジュアルを共有するコミュニケーションも

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