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2021年12月の記事一覧

[詩] 罪状

[詩] 罪状

クリスマスになったら死のうか、
恋人がうなずいて
終りの練習がはじまる
得るものなんてなくて失ってゆくものの重さが日々のくりかえしに荷重してもう「耐える」なんて毎日使う言葉だし特段嬉しくも楽しくもなく寂しいと殺してやると悲しいが音もせず積もってゆく満たされないとかじゃない誰が悪いとかじゃない懶惰と飽食が押し寄せて押し寄せてその矛先が部屋をいっぱいにしてどこからも声感情のノイズのようなけれども意味の

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海の立像

微細な、あおい闇が蔽い、逃げたいひとりの霊が、海底から立ちのぼり、神妙にして海面は撥ね、星が数えられ、錫箔のように、夕陽が敷衍され、物理学が禅譲し、光り、ただあおい闇だけが残る構造だけ。

乱反射したするどい錐が、眼球を刺し、天井を貫き、山際へ向かい、そこでは比喩が〈リアル〉であり、どこにもない蒼さだけを求めた、かなしき求道家の棲む、耐えがたく屹立する崖のような孤独がある。

いま

バイブレーシ

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