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I et.al.
2021年1月21日 02:56
ピアノが一音ずつ繊細に、けれども確実に響いていって、ドラムはそれに合わせて、しかし前に出過ぎない。サックスがその音楽に声をもたらすまで。だからぼくは”それ”が嫌いだ。音楽は絶望なのに、”それ”は何かを笑い飛ばそうとする。前に進もうとする。ストレートノートの整然を突き崩すスウィング。でも悪びれずに、あくまで笑っている。”それ”に触れてから、心臓の鼓動もスウィングの中にあって、ぼくの四肢は、指は
2021年1月15日 05:57
ぼくがもっとも生きるときあなたとことばを交わすときぼくがもっとも生きるとき濡れたインクの書きかけの文字ぼくがもっとも生きるとき雨は冷たく心臓は迅くぼくがもっとも生きるときあなたのことを空に描いてそのほっそりとした白い手が太陽を抱く夢をみるとき
2021年1月11日 05:09
夜には言葉が浮かんでいる。愛情、社会、本棚、楽しい歌、教授、先端恐怖症、性交、最新、幻想。それらは全てくだらないジャンクだ。しかし脳はそのガラクタの浮遊体たちから夢のロジックを組み立てる。簒奪されたすべての物たちが、夢から漏れ出る。その白い光の瞬きは、さながら夜に散る白梅。だから、夜にほの明るい残光が散っていたら、それは誰かの夢の欠片だ。継ぎ接ぎにされた主題たちの、真昼へ向けた一つの挽歌だ。夢は
2021年1月3日 01:29
皮膚を齧り 空を描く虚ろに這う 蛇の如くに室外機から零れる 排水のようなそんな空ばかりしか描けない。俺はあの日に確かに視えたうらぶれた灰色の四阿で 女の中に 海を見た深遠とうねりの悦びそれはたしかに虹のように色のない 色彩の蝕知もう思い出せやしない、映像にも満たない想自分のはらわたを いくら抉ってもそれは見えない。空を描きながら 海を