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あ る 地 名 の 風 景

烏山の弁天様   karasuyama

先日、私が住む丘の周りで鶯の声を聞きました。

島根県松江市に
“法吉町”(ほっきちょう)という地名があります。

以前に東京の鶯谷を取り上げましたが
“ほっき”とは鶯のことだといい、
もともとは「ほほき」と言ったそうです。

奈良時代の「出雲国風土記」には
「カミムスビの子の蛤貝姫(うむかいひめ)が
法吉鳥に化けて飛び去り、降り立った場所」
こんな記述があるといいます。

「ほほき」は鶯のなき声「ほけきょ」からでしょうが、
神話は神話として実際はどうなのでしょう。

東京の鶯谷のように鶯が多かったから・・
大昔の人たちがそう呼んでいたのでしょうか。

もう一つ気になる説は
“ほっき”“ほほき”は崖のことだとするものです。

確かに松江市内といっても
法吉町は北部の山間部ですから
そんな地形もあるに違いありません。

崖を表す地名は多くありますが
中でも“はけ”という言葉が変化した地名だというのです。

“はけ”が
“ほき”“ほうき”“ばっけ”“ぼけ”
などに変化することはよく知られています。

そう考えると神様より説得力がありそうです(笑)

烏山-4

さて、鳥つながりというわけでもありませんが、
今回は世田谷の“烏山”です。
電車では京王線の千歳烏山駅があります。

でもなぜ烏山かというと
前回の続きみたいなものです。

「目黒川になる烏山川緑道」と言いましたが、
この烏山川の源流が、どうやら烏山にあるお寺の池らしいのです。

北烏山に高源院という臨済宗のお寺があります。
この境内にある弁天池が
かつての烏山川の源流、ひいては目黒川の源流ということです。

川の上流は幾筋にも分かれていますから、
正確には目黒川の源流の一つ
でしょうか。

お寺自体は昭和の初めに品川から移転したらしいのですが、
もともとこの地には古くから湧水が豊富で、
その一つというわけです。

経堂で知った緑道を伝って
烏山まで来てしまいました。

いったい地名の話しはどうなったのでしょう(笑)

実は“烏山”という地名は全国にあるものの
そのほとんどが“カラスが多くいた山”という説明に終始しています。

世田谷もそうですし、栃木の烏山もそうです。

それだけ烏が身近な鳥だったということで、
ある程度納得もできます。

私は烏の有無にかかわらず
色が黒く見える山や森、雑木林を
“烏山”と呼んだ例もあるのでは・・と思っています。

カラスヘビとかカラスカレイとか・・ありますよね。
色が黒いから名付けられたもの。

申し訳にもう一つ(笑)
小石まじりの土地、どちらかというと不毛で使い道がない・・

そんな土地を“カラス”とか“ガラス”とか
そんな呼び方をする地方(淡路島など)があるようです。

(東京都世田谷区)

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