ある地名の風景
新緑の参道ー小豆沢神社 azusawa-2
連休だっていうのに地名の話~?辛気臭ー
そんな声が聞こえてきそう。
まぁ、その気持ちもわかりますが(笑)
前回お話しした「小豆が流れ出た」という
”小豆沢”についての説話ですが、
その他にもいくつか地名の起こりを伝える話があります。
・飢饉の年に小豆が流れ着き村名とした。
・洪水の時に米が流れ着き、村人は腐らないうちに
小豆を入れて赤飯にして食べてしまった。
これを聞いた米の持ち主が訴えたものの
村人の勝利となり、村の鎮守に赤飯を奉納した。
・村の鎮守様のお祭りに赤飯を配ったが、
これを食べると妊婦が安産すると有名になった。
・梓(あずさ)の木が多く茂った土地で
「あずさざわ」がいつしか「あずさわ」になった。
という具合に、前回の平将門の話も含め
まぁ、ほとんどが小豆や赤飯にまつわるものです。
地名には説話が付き物ですが
どう考えても”あずさわ”という地名に
”小豆”の字を当てた後に生まれた作り話に思えます。
そもそも、その時だけの出来事が地名になる・・
私はそんなことあり得ないと思っています。
すぐ忘れ去られてしまうからです。
ずーっと昔からそこにあって
ずーっと昔から誰もが気になっている・・
地名の起こりってそんなものだと思います。
そういう意味で言うと興味深いのが「梓の木説」です。
「あずさざわ」が「あずさわ」になったというのも
なんとなくそれらしいし
植物の名は地名になりやすいからです。
たとえば麻生の麻、芦田の葦、漆田の漆、
桐生の桐、笹尾の篠、芋窪の芋などなど。
しかしながら、かつて本当に梓の木が多かったのか
これは調べようがありません。
そして、実はもう一つ
私がもっとも気になっている説があります。
今までの話の中にはありませんが、
”あず”という言葉が”崖崩れ”を意味するというものです。
(つづく)
(板橋区小豆沢)
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