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「北海道産酒は、今後取り合いになる時代が来ると思っています」

中嶋圭(なかじまけい)さん
出身地:北海道札幌市
職業:会社員(株式会社Kカンパニー 海外事業部所属)

ー イギリスに来た経緯や理由を教えてください
以前はロンドンのビジネススクールに1年通い、その後1年弱インターンシップをしていました。今回の渡英は出張ですが、コロナもあったので、5年ぶりくらいのイギリス訪問です。

ー 日本酒の海外展開のお手伝いをされているとの事ですが、経緯をおしえてください
このインタビューを頂いて考えていたのですが、実は北海道と英国がきっかけとなって、今の仕事を始めています。イギリス留学をしていた当時は、ロンドンのパブにはビールを飲まない人が注文できるものは白ワイン1〜2種類くらいしか置いていない時代でした。そのバラエティの少なさに驚き、梅酒があればとても人気になるのではないかと考えていました。イギリスの友人達も梅酒を気に入り、「日本からイギリスに輸入しよう」と盛り上がったのですが、皆就職をして忙しくなり、そんな話もすっかり忘れていました。私はその当時勤めていた会社を辞め自分で仕事をしたいと思い、札幌に戻り色々とビジネスアイディアを検討していたところ、その時の話を思い出し調べてみると、梅酒は「日本酒を製造する酒蔵が1アイテムとして作っている」ことがわかり、それならば日本酒を輸出したほうがよいなと思い、せっかくなら地元北海道の日本酒を輸出したいと思ってビジネスをスタートしました。一番最初に快くOKをくれた小樽の酒蔵があったのですが、その後にすぐ廃業してしまい、日本酒の蔵の大変な現状を目の当たりにしました。落ち続ける国内消費量は止めることができないので、それならば蔵がどんどんなくなってしまう前に海外に市場を求めなければならないと強く思い、そこから北海道や道外の蔵の輸出に関するお手伝いをコンサルタントとして仕事にして今に至っています。

ー 7月21~23日のイベント「Hyper Japan」での出展、お疲れ様でした。イギリスで初お披露目となる「NEKOSAKE」の特徴、おすすめの飲み方などおしえてください
ブラジルで立ち上げたブランドですので、元々はブラジルでとても人気な日本酒の飲み方で、カクテルに使用する”サケリーニャ”(カイピリーニャを作る時にカシャサではなく、サケ(酒)で作る)に使用することをオススメしていました。また、ブラジルはとても暑い国なので、NEKOSAKEも半分凍るほどキンキンに冷やすと美味しく飲めるような酒質設計にしています。当時はアルコール度数を抑えた日本酒は少なかったのですが、NEKOSAKEは白ワイン程度の度数で、ワインしか飲んだことのない国の人達でも冷やすと抵抗なく飲めることも特徴です。実はイギリスのバイヤー向けには2018年のimbibeの展示会よりNEKOSAKEを紹介をしていましたが、一般の方に向けての試飲は今回が初めてです。イギリスの方の反応を聞くことが楽しみです。

ラベルもネーミングも情報もミニマルに。環境にもやさしいブランドを展開しています

ー 日本酒は世界的にも人気が出てきましたが、北海道産のお酒となるとまだまだ知名度は低いと思います。今後世界展開する中で、道産酒には何が必要になると思いますか?
日本酒を売って世界数十カ国を回る中で、海外の日本酒初心者には北海道の美味しいお水でできた、さらりとして軽いお酒が一番飲みやすいということに気がつきました。日本では弱点と思われていた部分かもしれませんが、海外では一番の強みになると思い、私は敢えて「お水のようにサラサラで飲みやすい日本酒」という点をアピールポイントに、NEKOSAKEは「北海道産」にこだわってブランドをスタートしました。北海道はビール、ウィスキー、ワイン、そして近年はスピリッツなどお酒の生産者がたくさん産まれており、やはり綺麗な空気、水、土地、環境と全てが揃った世界的にも恵まれた場所ですので、日本酒も今後は北海道産が取り合いになる時代がくると思っています。日本でも多くの家庭で北海道のお米を食べるようになっていますし、酒米も毎年どんどん美味しくなっており、可能性にあふれた北海道産酒に期待をしています!


Hyper Japanでは、「Best Sake for Sake Beginners」を受賞


ー 今後の目標・ご自身のPRなどお願いします

NEKOSAKEは現在世界15カ国に輸出をしており、今まで日本酒を飲んだことのない人達をターゲットに商品開発とブランディングをしています。日本酒市場を世界で拡げる活動は、日本のお寿司が世界中に広がったように、今後、日本酒を飲むことが当たり前になる時代に繋がると思っています。それが現在お手伝いをしている酒蔵や、日本酒業界全体、そして日本経済にとってプラスになると感じているので、やりがいを感じながら楽しく活動をしています。世界中の多くの方達に「日本酒」というアルコールカテゴリーを知ってもらいたいです。
https://www.nekosake.com


編集後記:
NEKOSAKEのネーミングの由来をお伺いしたところ、「私のニックネームがネコだったんです」との事。猫のような愛らしさとクールなまなざしが印象的な中嶋さん。NEKOSAKEもクールですっきりとしたお酒でした!今年の夏は、キンキンに冷やしたNEKOSAKEをお楽しみください!
日本酒が流行りつつあるイギリス。中嶋さんが手掛ける次の日本酒もとても楽しみです!
中嶋さん、お忙しい中、取材にご協力いただき、ありがとうございました!

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