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多重露光のためのロケーションハンティング

多重露光は通常異なる被写体を重ねることです(たまに同じ被写体を重ねることもあります)。と言うことは2箇所以上のロケーションで撮影することになります。ではそのロケーションをどのように探しているのか?今回はそんなお話です。

まず多重露光をするには2つの方法があります。1つはカメラの多重露光の機能を使ったもの。もう1つは「セルフフィルムスワップ」というフィルムの再装着による多重露光。

カメラの多重露光の機能を使う撮影の場合、1回目を撮影した後にすぐに2回目を撮影することがほとんどなので、撮影する前に何と何を撮影するかを通常考えます。そしてそれらはほとんどの場合、それほど離れた場所ではなく歩いてすぐと言うことがほとんどです。なのでこの撮影方法の場合はロケーションについて考えることはありません。下の写真は2つの被写体はすぐ近くにあるもの同士を撮影。

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さてここから本題。もう1つの多重露光の方法のセルフフィルムスワップの場合です。詳しいフィルムスワップの撮影方法については僕のホームページで詳しく解説しているのでこちらをご覧下さい。

まずは下の写真をご覧下さい。この写真は下半分が香港、上半分がアイスランドで撮影されたセルフフィルムスワップによる多重露光です。

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この多重露光は偶然重なったわけではなく、実は撮影に出る前から予めこのように撮ることを計画していました。ではなぜ現地に行く前に完成図を計画できたのか?それはgoogle mapでトコトン調べまくるからです。

まずこのような多重露光を撮影する場合は1つのプロジェクトとして計画します。わかりやすく言えば1つのテーマを考えます。例えば以前に投稿でお話しした映画の内容を表現するなど。そしてテーマが決まればそれをどこで撮影できるかをネットの画像検索で洗いざらい探します。例えばそれが「滝」がテーマになりそうであれば滝の画像を検索します。そして理想的な風景を見つけたらそれがどこにあるのか、そして個人でそこで行けるのかをさらに検索します。

検索の結果、個人でも行けることがわかれば次はさらにその周辺に他にもテーマに見合った風景がないか確認をします。その際に役に立つのがgoogle mapです。google mapには景勝地なども掲載されているし、そこで撮影した写真が投稿されていることが多いのでガイドブックよりも情報量が多いのです。そこで自分のテーマに合った風景なのかもさらに確認をすることができます。

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そのgoogle mapで探し出した撮影地の点を線で結んでいき撮影ルートを決めていきます。そうするとおおよその撮影の流れが見えてきて、2回目の撮影地の撮影ルートを決める際にも事前に何と何を重ねることができるのかが計画できるのです。

もちろん計画通りに行かないこともありますが、闇雲に撮影するより効率よくイメージに近いものが完成します。特に海外では時間の制約もあるので効率的な撮影は僕にとって必須なのです。

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このように一枚の多重露光の作品が完成するまでには事前のロケーションハンティングが不可欠なのです。何事にも準備は大切ですね。


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