日本の渋沢栄一とブラジルの小林美登利(5/5)
小林美登利は渋沢栄一という強力な後ろ盾を得ることによって帰朝の最重要事項であった聖州義塾の活動資金を確保することに成功した。『聖州義塾後援者芳名録』に寄付者名の一覧があるが、前回に登場した有力者の名前も多く見える。
小林はおよそ半年間に亘って東西奔走、国内はもちろん満洲国の奉天(現中国遼寧省瀋陽市)や朝鮮の京城(現韓国ソウル特別市)にも足を延ばした。奉天では會中(会津中学校、現会津高校)の先輩であった小日山直登の尽力で満鉄こと南満州鉄道から二千円もの寄付を得ることができた。