見出し画像

【韓国】戦争記念館:朝鮮半島と戦争の歴史

国立中央博物館からバスですぐのところに戦争記念館がある。
この記念館の前ではデモ活動がほぼ毎日行われており、拡声器を持ってスピーチをしている人たちや立て看板をたて抗議活動をしている人たちがいる。
韓国の国防部門の組織が近隣にあることもあり、屈強な警察や警備員がいたるところに配置されている。

*住所:「戦争記念館」29 Itaewon-ro, Yongsan-gu, Seoul, 韓国


戦争記念館のアクセスメモ

【休館日】
□ 月曜日(連休中の月曜日は開館/連休翌日が休館)
【観覧時間】
□ 9:00~18:00 
*17:20ごろから閉館時間のアナウンスが流れており、17:40ごろには館内から出るように促すアナウンスが流れていた
【アクセス】
□ バス:110番、421番、740番、N72、N75など 戦争記念館で降車
□ 地下鉄:4号線、6号線 삼각지(Samgakji)で下車
*個人的にはバスで行くのがおすすめ

戦争記念館前のモニュメント

常設展示

メインエントランスからまっすぐ入ると、2階のメモリアルホールにたどり着く。常設展示のスタート地点は2階で1階には戦車や戦闘機の展示もある。
▷2階 護国追慕室(メモリアルホール)
▷1階 戦争歴史室1・2
▷2階 韓国戦争室1・2
▷3階 韓国戦争室3(国連軍の参加)、寄贈室、海外派兵室、国軍発展室
▷野外展示室・大型遺物展示室・モニュメント

日本語での解説も予約すればできるようだ。次、行くときは予約してみよう。

屋内1階:大型遺物展示室

感想

韓国・朝鮮半島の戦争に関する歴史を網羅的に勉強した感じだ。日本だと広島平和記念資料館沖縄県平和祈念資料館に相当するような資料館に歴史博物館と現在の軍備などの説明も加えた記念館だ。
大型の戦車などの大きさには驚くものの、やはり戦争はよくないし平和がなによりだという想いが湧き上がってくるところだった。

城壁と戦争の歴史

以前、ソウル歴史博物館の企画展「隅田川 - 江戸時代の都市風景」を見に行った時に、「江戸の都市のシンボルは”橋”、漢陽のシンボルは"門"だ」と感じた。島国の日本では川が町を区切り、大陸にある朝鮮半島では都市を囲む壁が区切りとなっている。

このことについて、今回の気づきだ。
戦争歴史室の前にある世界遺産”華城”の解説で、
朝鮮半島は中国・モンゴル側からの攻撃、朝鮮半島内での幾多の戦争の歴史から、城壁が発展を遂げてきたと述べられていた。

都市を守るための城壁や、山に沿って伸びた壁など様々な種類の城壁(石造りの壁)が韓国国内には存在する。なるほど、「門」単体がシンボルなわけではなく、「門を携える城壁全て」がシンボルであると理解した方が良さそうだ。

門がランドマークであることには変わりないが、それに続くにさらに大きな役割が課されている。世界遺産にもなった水原華城は、近代的で西洋的な建設技術と朝鮮半島の長年の経験から作られた最高傑作であるこということだった。

現在の徴兵制の説明

国軍発展室では現在の韓国の徴兵制の紹介をしている。
一連の戦争史にまつわる展示を見た最後に、徴兵制の説明や国軍の役割についての展示を見るもんだから、徴兵制の必要性を強く感じてしまう。

ドラマ『D.P』を見ると徴兵制は怖いし、内部の事情はわからないし、いじめられず無事に徴兵制を終えることの難しさや辛さを感じる。他方、この展示にはその部分には触れられていない。小さい頃から戦争史や徴兵制についてこの展示のように触れ続けていれば、自分が徴兵される頃にはポジティブに受け止められるのだろうか。しかし、韓国で生まれ育てばそれは義務であるからどうしようもないか。

国軍発展室

寄贈室について

前回も寄贈されたものの展示室に興味を持ったが、ここにもやはり「寄贈室」があった。おそらく、どこの博物館・記念館にも寄贈されたものの展示があるのだろう。これは日本との差異として心に留めておこう。

寄贈のものはレプリカの何倍もリアルで鳥肌が立つ。
それらが集められている空間であることにもゾッとするが、その当時のことを語るモノとして寄贈品は仕事をしていた。

韓国観光のひとつとして、ここもぜひたくさんの日本人観光客には行ってほしい。
日本語の解説は少ないが、英語の解説を読んで展示を見ればひとつの修学旅行になるように思う。ただ展示を見るだけでも実りの多い記念館であることには変わりない。

世界各国の国旗が並べられているところや、他国の戦争協力に賛辞しているゾーンには、日本はない。日本は朝鮮戦争への協力もベトナム戦争での活動も微々たるものであったのはそうだ。なんなら、韓国併合をした国でもあるわけだ。

韓国人パートナーに「日本の国旗はないね」と話すと、「敵だったからね」と返答された。間違いない。今日も戦争記念館の前でデモ活動はされているだろう。
日韓関係がさらに改善することを心底願っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?