テクノロジーに蝕まれる精神、肉体
ふとした時にどっと押し寄せる疲労感。なんとなく疲れを感じることが日々あるのではないだろうか?現代病の一つと言っても過言ではない。
私たちは多くのストレスを無意識のうちに浴びている。一日の大半を画面の前で過ごす人は多い。目は画面からの強い光に悲鳴をあげているかもしれない。またSNS、インターネットから情報を浴び続け、脳の容量はパンク寸前だ。
20世紀を代表する哲学者、マルティン・ハイデッガー(1889~1976)は行き過ぎた科学主義に対して警鐘を鳴らしていた。テクノロジーはいいこと尽くしではないのだ。
ここ数世紀の間にとてつもない速度でテクノロジーは進歩してきた。遠く離れている友人といつでも通話をできる。飛行機に乗って海外にも気軽にいける。ほとんどの人は食に困らずに暮らしていける。テクノロジーによる豊かさを享受してきたといえる。
しかし、テクノロジーによる恩恵を受ける一方で、特にデジタルテクノロジーにより生じるストレスは私たちの身体、心をむしばんでいる。心、体が無意識のうちに疲れ切り、疲れた状態で日常生活を過ごせば、さらに忙しなさがましていく。どこか精神的、肉体的に余裕のない人々が日頃のストレスを人に当たることでストレスの連鎖が生まれる。
前提として
人間の身体はテクノロジーの進化に追い付いていない
人間の身体は長時間のデスクワーク、勉強に耐えうる構造をしていない。肩こり、腰痛に悩む人の多くの原因は長時間のデスクワークにある。PCから浴びる光は気づかぬうちに我々の目を疲れさせている。
スマートフォンから得る刺激的なコンテンツはどうやら脳を破壊しているらしい。アダルトコンテンツは肉体、脳へも悪影響を及ぼす。性機能が衰えてしまい、パートナーとの性行為に満足できない人も多い。性コンテンツそのものが我々の性への価値観を歪めてしまうこともある。
食糧に困ることはないはずなのに、一部の人は食欲に従い続け、糖分、塩分を過剰に取ってしまう。日常生活のストレスを食欲で満たすためだろう。アメリカでは肥満は大きな社会問題となっている。栄養過多は歯周病や虫歯といった生活習慣病を引き起こす。さらには歯周病は心筋梗塞や脳梗塞をも引き起こす可能性がある。
スマホから得る情報量はとてつもない。実際、人間の脳は耐えきれていない。スマホからのSNSの通知は日夜我々の集中を妨げ、大して重要でもない誰かの情報が脳の容量を奪う。重要な考え事をしようとする際もSNSの通知は我々の集中を妨げる。思考のリソースは日夜削られている。
情報過多はスマホだけによるものではない。街中を歩けば、至る所に多種多様な広告がみられる。扇動的な広告は我々の購買意欲をそそる。たいして必要でないのに、気づいたら商品を買わされている。あれほど欲しいと思っていたのに、使わずじまいになったものは部屋にいくつあるだろう。身の回りのこと、物が自分の人生にとって必要か一度立ち止まって考えることは大切だ。
日常生活は便利になり、豊かさを享受しているように見えて、テクノロジーは身近な幸せ我々から奪っている。
テクノロジーによって疲弊しきった脳と体を一度休めるために、普段の生活を一度見直してみてはどうだろうか。まずはテクノロジーから離れてみることだ。寝起きにSNSを確認するでなく、朝日を浴びて散歩をする。一つ手前の駅で降りて目的地まで歩く。友人と楽しく酒をかわしながら思いのたけを述べる。これらの時間は人生にとって大切なことが何かを気づかせてくれるはずだ。
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