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"サーチX" ファッション編(前編)

こんにちは、ヤフーのオープンコラボレーションスペース「LODGE」です。今回は2020年8月20日にオンラインで開催された「Mix Leap Joint "サーチX"」の様子をご紹介いたします。

「Mix Leap Joint」とは?
業種・業界を越えた新たな課題解決やサービスの創出を目指し、「未来につながる学びと出会い」の機会を生み出すイベントです。

「"サーチX" シリーズ」は検索データに関わるトーク&ディスカッション。
ヤフーに蓄積された過去の膨大な検索結果をもとに、さまざまな事象を各回のスペシャリストと共にひも解きます。データへの理解と、各テーマのディープな知識が身につきます。過去五回の開催では「洗濯」「食」「時間」などをテーマに開催、好評を博しています。

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今回のテーマは「ファッション」。
「ZOZOTOWN」の技術を支える「ZOZOテクノロジーズ」よりゲストを迎え、トーク&パネルディスカッションを行いました。

司会:中川 雅史(ヤフー株式会社 LODGE)
モデレーター: 角 勝(株式会社フィラメント)
スピーカー: 金山 裕樹(ZOZOテクノロジーズ)
スピーカー: 藤嶋 陽子(ZOZOテクノロジーズ)
スピーカー: 池宮 伸次(ヤフー株式会社 データアナリスト)

冒頭、池宮さんからはこんなコメントがありました。

池宮さん
「ファッションのことを全く分かっていないなか今回の分析をしているので、今日これからが答え合わせの時間となりそう。分からないで出したデータが、ZOZOの方々から見て合っているのかどうなのか。そこが非常に楽しみです」

1. 時間軸とファッション

「時間軸とファッション」は「周期性キーワード」を用いて分析しています。

池宮さん
「検索されるキーワードは年間100億種類くらいありますが、なかには検索回数の増減が一定の周期性を持つキーワードがあります。それを『周期性キーワード』と言います。たとえば衣替えの検索数の推移。衣替えは春と秋にしますが、毎年その時期に検索量も増えます」

「衣替え」の検索数推移

グラフを見ると、毎年、四月頭、五月頭に検索回数が増えていることが分かります。

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角さん
「このタイミングで服が売れたりするのでしょうか?」
金山さん
「過去にデータを調べたことがありますが、気温と連動しています。最も分かりやすいのは冬物重衣料。最高気温が下がるといっきにダウンジャケットやコートの売り上げが上がります」

「10月はまさしく最高気温がぐっと下がる月なので、冬に関してはこのグラフが事実を照らし出しているなと言える。さすがだなと思います」
藤嶋さん
「グラフを見ると、秋冬よりも春夏の衣替え時のほうが検索数が少ないのが面白い。春服は着方を工夫すれば夏までそのまま着られるので、多くの人が秋冬ほどは衣替えを重視していないのが現れているように思います。面白いです」
金山さん
「トップラインの傾向を見ると、衣替えはダウントレンドにも見えます。そこも面白いかもしれない。たとえばここ数年でファストファッションが浸透してきていますが、ファストファッションのアイテムは基本ワンシーズンしか着ない。『衣替えをしないで、着たら捨ててしまう』といったパターンがあるのかもしれない。そんな仮説も立てられますね」

「〇〇 服装」の検索数推移

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池宮さん
「このグラフは『初デート 服装』『同窓会 服装』『結婚式 服装』のキーワードが、24時間のうちどの時間帯で検索数のピークを迎えるかを調べ、推移をあらわしたものです。それぞれにピーク時間が違う、というのがポイント。なぜ違うのでしょうか?」
角さん
「初デートは若い子だから遅くまで起きているから、とかでしょうか?」
池宮さん
「初デートほど遅い時間まで悩むのではないか? という仮説を持っています」
藤嶋さん
「初デートはこの服で行くぞ! と決めていても、夜寝る前に不安になって検索している……というケースもありそうですね」

「結婚式 服装」が検索される時間が早いことについては、「次の日が結婚式だと朝が早いから」「検索をするのが結婚式前夜とは限らず、服を買うために検索している」なども考えられると挙げられました。

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また、気温と服装の相関関係についても紹介。気温が上がるにつ入れて、真夏のアイテムの検索数が増えることが分かります。気温が最も高い期間に最もよく検索されているのは「ノースリーブ」。納得の結果でした。


2. 男女年代とファッション

「服装」×「〇〇」の検索結果比較

次に、「服装」と一緒に検索されるワードを性年代別に見てみます。

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角さん
「男性が『服装』と掛け合わせて最も検索してワードは、10代だと『オープンキャンパス』。そして20代以降はずっとトップに『結婚式』がランクインしています。女性は30代になると突如『卒園式 ママ』がトップに躍り出ます」

60代になると「法事」「納骨」「お通夜」などがランクインしてきます。

角さん
「性年代別にかかわらず検索数の総合1位は『結婚式』、総合2位は『卒業式 ママ』ですが、第3位は何でしょう? 視聴者の方からもコメントを頂きたいです」

ここで配信を見ている方から「面接」「就活」「オフィス」「礼服」などの意見が飛び出します。

正解は「お宮参り」。

中川さん
「男性はスーツが一般的。女性は着物かスーツ。子供が複数人いる場合は、前の子の時と変える、アイテムを変えてみる、などの迷いがあるのではないでしょうか」
池宮さん
「服装の検索をするのは、生涯のなかでそう回数が多くないイベントであるが多いです。『どんな服装が正解なのだろう?』と検索する意味合いが多いのではないでしょうか」
角さん
「では、20代男女と50、60代男女にランクインした場面とは何でしょうか。
30代、40代は検索しない言葉です」

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「結納」「同窓会」「結婚前の両家顔合わせ」「ブランド」などのキーワードが配信を見ている参加者から挙げられます。

角さん
「正解は『顔合わせ』。20代、50代、60代が、親子の立場を変えて検索することが表れていますね」

「〇〇」×「コーデ」の検索結果比較

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次に、「コーデ」というキーワードと共に検索されているワードを性年代別に見てみます。総合の1位は「ユニクロ」、2位は「冬」、3位は「レギンス」となっています。「レギンス」が最も検索されているファッションアイテムとなりました。

藤嶋さん
「レギンスは普段使いしたい定番アイテムだからこそ、靴下とのバランスなど、コーディネートを考えるシーンが多いのではないでしょうか」
金山さん
「流行のアスレジャー(※)の影響もありそうです。スポーツレギンスをファッションとして着こなす人も増えている。レギンスの新しい使い方の可能性として検索が増えた可能性もあるのではないでしょうか」

※「アスレチック」と「レジャー」を組み合わせた造語。スポーティなアイテム

角さん
「では、グラフの赤でマスクされた部分はなんでしょう。唯一ランクインした、幅広い年齢層に愛されているアプリです」

配信を見ている参加者からは「あつ森」「TikTok」「ZOZOコーデ」「LINE」などの声が上がります。

正解はZOZOTOWNのコーディネートアプリ、「WEAR」。金山さんと藤嶋さんは手をたたいて喜びます。

金山さん
「WEARは自分のコーディネートだけを投稿するアプリ。着こなしの参考になります。ブランド、色、髪型などで検索できます。意外に便利なのが身長でコーディネートを絞り込むことができる機能。自分と同じような身長の方のコーディネートを見ることができ、被写体の方と同じようなアイテムも探すことができます」
角さん
「60代男性にもランクインしていますね。ポロシャツ、ライダースなど」

そこで配信を見ている参加者からは「50、60代はもともと服装にお金をかけてきた世代」とのコメントが届きます。

金山さん
「あの頃の日本製の古着は質が良くて、今も人気と聞きます」

WEARでは「シニア部」タグも使われており、シニア層にも利用されていることが分かります。

「〇〇」×「合わせ方」の検索結果比較
「合わせ方」という検索ワードと掛け合わせてよく探されているワードを見てみると、男性はポケットチーフが圧倒的な結果となりました。

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ポケットチーフの意味が分からない、と男性陣。配信を見ている参加者からは「ポケットチーフのメリットは分からない」「スーツだけだと没個性なので差別化ですね」などが寄せられます。

藤嶋さん
「ポケットチーフは、スーツの色、ネクタイの色とのバランスでセンスを表すのに重要な役割なのではないでしょうか。男性の服装は、近代社会の公の場・ビジネスシーンで、だんだんとルールが厳しくなり、簡素で倹約的になっていったと言われています。制限された中でほかの人と差別化するために遊んでいることがダンディズムやおしゃれの要件になっていったのではないでしょうか」



ひとつのグラフから多様な見解、推測が広がる"サーチX" ファッション編。ヤフーのデータアナリストが検索動向から読み解いたファクトは、ZOZOのメンバーによってどんな「答え合わせ」につながるのでしょうか。

後半では「コロナとファッション」「悩みとファッション」「ファッションペルソナ」についてディスカッションします。

後半はこちら

イベント概要
MixLeap Live Joint #35 - "サーチX"ファッション編
2020/8/20(木) 20:00~

登壇者の資料、動画のアーカイブはこちら



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Yahoo! JAPANのオフィス内にあるオープンコラボレーションスペース「LODGE」の公式noteです。 LODGEは、様々な業種、職種の人たちが出会い、技術やスキル、価値観の交換をすることでコラボレーションやイノベーションが生まれることを目指しています。
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