見出し画像

【鹿児島】人気離島の日常に密着。甑島の文化を創造する「東シナ海の小さな島ブランド会社」

こんにちは。今回は鹿児島の離島『甑島』で集落に根ざした取り組みを行う「東シナ海の小さな島ブランド会社」〜island company〜さんをご紹介します。


本土から高速船に乗ること50分。
古くは8000万年の歴史があるとされる「甑島」。地層から形成された断崖や一面に広がる透き通った海。滞在中には美しい日の出や日の入り、集落の人たちが会話する何気ない風景。島の日常がひろがる。
自分らしい暮らしを探し、惹きつけられた若者も。

一面の海と朝焼け


海と淡水の交わる不思議な地形。長目の浜展望所

日常の暮らしに溶け込み、創造する

island company は集落の「ここにあるもの」を原点に、「未来にあるふつうの風景」を作り続けている。

始まりは耕作放棄地を含む稲作と畑作りから始まったのだそう。
さらにその3年後には、築100年の古民家を改装し「山下商店」と名付け、とうふ屋を始めたという。

山下商店
フードメニューには豆腐やドリンク、ジェラートまで


ー市町村合併により、自然発生的に生まれた小さなコミュニティー(むら)同士が結びつき、大きな単位が生まれた。日本の人口減少や都市部への人の流動により、限界集落と呼ばれる地域もある。それぞれコミュニティーで独自の交流と交換のシステムと「経済」が成立する。野菜を作る人、漁をする人、食材を加工する人、家を作る人、着物を仕立てる人。そのむらの資源的特性を通じて、何かが生まれ、それぞれが役割を持ち、交換をし文化が形成される。ー

甑島は薩摩川内市と合併し、人口9万人がいる市の一部となった。しかし、その島を覗いてみると、各集落でその集落文化が色濃く残ってる。


なぜ山下さんは、とうふ作りを始めたのか。

「未来のおいしい風景をつくりたい。」

家業ではなく、まったくゼロからの挑戦だったのだそう。

九州産大豆フクユタカと100%海水にがりにこだわり、職人が早朝から濃厚なとうふを製造し、そのこだわりの手作りのお豆腐が集落の住人へと届く。

商店には、村の住人が訪れ、何気ない会話をし、豆腐を買って帰っていく。
島外からの旅行客も、豆腐屋とは謳わない何やら面白くておしゃれなその商店を訪れる。

商店を通して人と人の交流の場が自然と生まれる。

日本の食文化には欠かせない豆腐。そんな豆腐のこだわりの味はもちろんのこと、そこには人の笑顔や交流が自然と生まれ、ずっと続いていく。そんな幸せな意味が込められているのではないだろうか。

島の魅力を発信する拠点

山下商店をはじめ、island companyは島の各地に事業を展開している。
カフェやパン屋、コワーキングスペースなど、住人にも島を訪れた人にも嬉しい交流の場がある。

そのうちの一つ、「コシキテラス」は常に賑わいのある、地域の中心的な存在。旧上甑島・中甑港ターミナル跡地を再開発したこの場所は、地域観光の拠点として、また、地域に暮らす住人が、集まる拠点になっている。
甑の素材を活かしたランチや飲み物、デザートを囲み、様々な年代の、友人同士の会話、夫婦、家族の会話が聞こえてくる。


外観仮 コシキテラスはterrace 、照らす両方の意味が込められている
コシキテラス内装
コシキテラス内装
上甑島で無農薬で栽培されているアロエの飲むお酢
旧村議会議場を活用したコワーキングスペース
オソノベーカリー
オソノベーカリー内装
コシキテラスからの夕景

離島移住への取り組み

island companyは、観光や通販などを通して、地域の良さを発信するとともに、地域に雇用を生み出す役割も担う。

三年前、ワーケーションという言葉が世に広まり始めた頃のこと、「甑島に暮らしてみる人募集」と題し、3ヶ月限定の移住企画を行った。
60名もの応募者が殺到したという。
その中から選ばれた「古賀愛深(こがなるみ)」さんは3ヶ月のみならず、移住して気づけば三年甑島で自分らしい島暮らしをしている。

福岡から移住し、甑島で暮らす古賀愛深さん

愛深さんは、宿のマネージャーとして、旅で訪れるゲストの案内人をしている。
学生の時に、雑誌の編集者を目指していて、実際に取材で地域に足を運ぶうちに、次第に現地で盛り上げる側をしたいと思うようになったのだそう。
色々なタイミングが重なり、移住企画を目にし、まさに運命的な出会いだったよう。

甑島で暮らし、そのありのままを旅人に伝える。愛深さんのやさしい人柄とこしき愛が、お話を聞くだけで伝わってきた。

「移動販売のお魚屋さんで獲りたてのサゴシが手に入ったよ」と嬉しそうに話し、振る舞ってくれたのが印象的だった。

その日取れたサゴシ

最後に

island companyは、島の日常を共につくるメンバーを募集しています。1月31日までは、空き家を中心とした地域課題解決を行う地域おこし協力隊も市と提携して募集しています。

そこに住み、日常に溶け込んでむらをつくる。居心地いい自分の居場所づくり、地域づくり、文化発信、空き家などの課題解決、などに興味のある人はぜひ一度見てみてみてはいかがでしょうか。

暮らしたい集落(むら)を共につくり、自分の居場所をつくっていく。そして誰かの居場所となっていく。そんな場を育てていきたい。

island company Instagramより


おまけの星野リゾート施設紹介

地域に溶け込んで取り組みをする星野リゾートの施設

離島で島と共に地域課題解決をする星のや竹富島。
島に流れつく標流ゴミ問題解決に向けたアクティビティー開発や島全体で伝統作物の復興などを行っています。

脱炭素社会を目指して、環境負荷を軽減できる場所、そして地域とつながれる場所、誰もが共存できる場所が増え、選ぶ側も考えて選ぶ時代が来ています。

地域とそこに根付く宿泊施設が経済以外の面でWIN -WINに、生活に溶け込み、暮らしや日常を豊かにし、誰にとっても環境にとっても優しい場所が増えたらいいなと思います。



この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?