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MarkeZineDay 2018 Autumn その2

9月20日 Day1

【A-1】デジタル与党時代のマーケター心得
【B-2】現場が知りたい今日から使えるデータ基点のコンテンツ開発手法
【B-3】Sansanの顧客基盤が統合されるまで。
【B-4】データに回帰するECマーケティング
【A-5】ITの力で顧客ベースを強化し、ロイヤルティを構築するには?
【A-6】「私だけの体験」で、顧客の笑顔を増やす方法
【A-7】2018年度マーケティングオートメーション実践編ひとまとめ
【B-8】ロイヤルカスタマーとつながる自社アプリの活用
【B-9】ライトニングトーク

【A-1】デジタル与党時代のマーケター心得 井上大輔

デジタル(SNS、web等)↔︎クラシカル(TV、新聞等)
両者は近くなってはきたが、、分けて考えるべきである。
以前は少数派の野党であったデジタルが与党であったクラシカルを単純に批判すればよかったのであるが(Cookieも知らないんですか?w)、与党となった昨今では心構えが必要である。

与党の心得
・与党がキャッチアップ、リードしていかないといけない。
・デジタル以外の勉強をする必要がある。→クラシカルを知る
→新聞購読者はインスタ利用者の倍!週に一度は新聞・雑誌を買ってみてどういう広告が載っているかを調べてみる。

クラシカルマーケティングは情報が少ない
TV、ラジオ、雑誌、新聞等それぞれ独自の歴史のマーケティング手法があり、担当者にノウハウを深掘りしようとしても
「TVとは、こういうものです!こうやってきたんです。」と一蹴されてしまうことがある。そういうところを聖域化と呼ぶ。


理由のない「こういうものです」は受け入れない。
ただし、その人を否定しない。全身全霊で話を聞く。


クラシカルマーケティングでも注目できる手法はたくさんある
・「さよなら、おっさん」-NewsPicks-
・「ケンドリック・ラマー来日」の交通広告

デジタルマーケティング人の発想
例えばインプレッション単価を比較すると
TVは0.6円!!(TVはすごい)、最新のデジタル(バナー広告のツール等)を駆使し最高に頑張って0.7円。新聞は2〜3円、雑誌は20円。
単純に比較することは出来ない。が、
クラシカルの人は「比較は出来ないですよ、、。」で終わり。

単純に比較は出来ないな〜、けど、参考として知っといて損はない!
これがデジタルマーケティング人の発想。

まとめ
・批判に慣れる
・耐性を作る
・何で私に?私が?と言わない!
・キーワードは「resilience:弾力性」→アナロジー:柳の木
・つっぱらない
・誰も褒めてくれない、、。でも価値のあることをしているとじる
・幸い一人じゃない。日本独特の横の繋がりがある。

感想
デジタルマーケティングに限ってというよりは、全ての物事の本質に通ずる話を聞くことが出来た。

理由のない「こういうものです」は受け入れない。
ただし、その人を否定しない。全身全霊で話を聞く。
誰も褒めてくれない、、。でも価値のあることをしていると信じる

その通りだと思う。
井上さんからは日本のマーケティングをよりよくしていこうという気概を感じることが出来た。


【B-2】現場が知りたい今日から使えるデータ基点のコンテンツ開発手法 今井 裕香里

適切なコンテンツの量は?
刺さるコンテンツはどうやって作ればいいの?

キーワード基点(データ基点)で問題を解決していこう。

例としてキッチン家電ミキサーで考える。
コンセプト:毎日の生活に役立つトータルサービスを提供

準備
・サイト解析データやDMPデータ(インターネット上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォームから得たデータ)を活用してペルソナ情報を作成
・アクセス解析ツールからデモグラ情報(性別・年齢・興味等)を取得

上記から購入や体験の仮説を立てる(ジャーニー)

ジャーニーの情報から考えられる課題を洗い出し、対処すべき課題の優先順位を決める。
1. ミキサーを使うシーンやライフスタイルを知り、自分に必要と感じるか
2. メリットを理解して商品を購入するか

課題から導かれるコンテンツ例
企画概要:面倒いらず!ミキサーを使った簡単レシピ
記事構成:通常レシピ5選、お菓子レシピ5選、ダイエットレシピ5選

STEP1 コンテンツ制作
ミキサーを基点にレシピ、オススメ、ダイエット、離乳食等考えられるコンテンツの種類を洗い出す。

STEP2 自社において可能な情報をフィルタリング
レシピ○
オススメ✖️
ダイエット○
離乳食✖️

STEP3 検索結果、上位化されたサイトにはユーザーニーズに対する答えが多く存在する
・展開手法の共通項はあるのかどうか
  →ワードの共通:人気レシピ/ランキング
・独自の強みを打ち出せる余地はあるのかどうか
  →動画でレシピを紹介する

STEP4 有効な展開イメージ・企画テーマの策定
そして完成!公開。

STEP5 施策は2軸で評価
・オーディエンス評価
・コンテンツ評価

オーディエンス評価
ターゲティングした人が本当に来てくれたかどうか?
→想定値(KPI)を設定して基準に達したかどうかで次のステップを考える。
基準を達成していれば更なるターゲットの獲得を狙っていく。
未達成ならば、想定ターゲットの修正を行う。

コンテンツ評価
コンテンツ制作時に設定したKPIに対する貢献度を考察する。
・タイトルの引き
・離脱ポイント
・SNS上の広がり
・読者アンケートのコメント内容でのネガポジ分析
以上の結果に応じて次回の打ち手を考える。それにより読了率の向上、回遊率の向上を狙っていく。

感想
とても早いスピーチと濃密なパワポ資料、そしてめくるのが早い。しかしエッセンスはうまく取り出せたとは思う。
データ基点にはキーワード基点の他にAI解析、テキストマイニングがあるが、最初のところが違うだけで後半は同じである。今井さんもこれは王道パターンと言っていて、確かにテキストに書いてあるような内容ではあるが、
基本はやっぱり大事で忘れた時には見返しに活用できそう。


【B-3】Sansanの顧客基盤が統合されるまで。データドリブンマーケティングへの自社の取り組み 久永 航

名刺管理の最前線!

MA(マーケティングオートメーション)導入後、2年で起きたSansanの変化した点のお話
→顧客+3000社、社員数倍!

課題
リード(見込み客)の振り分けが大変、、。
その人が既存か見込みなのか複数のシステムで名刺を確認しないと分からない。
→例えば「アシスト」という社名は日本に約1000社存在する。
売っても終わりではない、カスタマーサクセスをデータドリブンする

やること
顧客後もデータを取り続ける。
各顧客を育成して契約更新につなげる。
各顧客にアップセルをかける。
顧客の口コミによって新しい見込み客を探す。

新規獲得と既存顧客の深掘りではルールが違う
新規顧客と既存顧客でMarketo等のツールが2パターン存在していた。最終的にsalesforceで統合しているが社名が変わったりもする。

これを解決するには1会社1レコードで管理すれば良いのではないか!?
なかなか難しいがここを自分たちで作ってみよう。
そして完成したsansanCI。
sansanCI↔︎salesforce
sansanCI↔︎Marketo
salesforce↔︎Marketo
そしてMarketo↔︎DataRobotを連携させることで進化する顧客マスタを目指す。まずはリードのスコアリングからトライ。
AIに対する期待は、細かい属性情報を付与できるかどうか。

今後の目指していくこと
新規顧客:勝てるストーリーを作れるか?
既存顧客:ユーザ企業のヘルススコア、タッチスコア、エンゲージメントの可視化

感想
このセッションはsansan社の新ツール紹介の意味合いが濃いセッション内容となっていた。
大事なことは新規顧客と既存顧客で社内でのオペレーションも部署も別々であったと想像できるが、そこのマスタを一元管理することで今回のMarkezineのテーマの1つである「分断された組織に横串を」を体現でき
たのではないかと思う。


【B-4】データに回帰するECマーケティング 山崎 徳之

ここ最近の香港とドイツのカンファレンスを回ってきたが複数の人からAIからデータという話を聞くころができた。
・AIというバズワードはここ2〜3年で使い倒されていて、そろそろ飽き気味。次のブレイクスルーが必要!
・ビッグデータというバズワードもあったが私はそれほど定着しなかったように思う。なぜなら当時の考え方はDataはイコール、全てのデータは平等だった。しかしよく見ればデータの中でも重い、軽いはある。

AIで何が変わった?
・結局ディープラーニングだけ。いわゆる画像認識の分野だけ特化して、それ以外のところはブームの前からあった機械学習の領域。しかしブームになったおかげでこの分野にお金と優秀な人材が流入したのでそこは良かったと思う。

データは?
・IoT・オムニチャネル化が加速し、データは爆発的に増加している。
・スマホの普及で膨大なパーソナルデータを取り込みやすくなった。
→ラップトップよりスマホの方が購入に結びつきやすい。中国のコマースではPCはどうでもいい扱い!PCはリレラシーの高い奴が使うから見え方が悪くても何とかしてくれる。それよりスマホだ。
・前に何を買っているか?→一番重要!!
・検索履歴→重要!能動的にユーザが入力してくれている。
・位置情報→重要!自分の近くに何があるか?nearly検索が増加している。
・結局AIは差別化しずらくなる。しばらくはデータに目を向けることが多くなる。

検索結果について
・検索はリアルタイムで行い、検索結果もリアルタイムである。そして表示されたものは自分で入力した結果なので嫌がられることがない。それに対し、レコメンドは嫌がられる傾向にある。
・ECサイトの偉い人はあまり目を向けない。逆にいえば伸びしろがある分野でもある。
・検索結果のファネルができるだけすぼまらないようにする。
・検索結果は優秀な店員さんという位置付け。

レビューについて
・検索で活用できる
・ユーザの使えるお金には限界があり、出来るだけ買い物は失敗したくない。これからは透明性、健全性が重要になる。
・レビュー1件で購入が1.1倍、10件で1.5倍、50件で2倍。
・ECは検索とレビューが重要だ。

感想
ZETAの検索エンジンの紹介セッションではあったが、山崎さんの過激なメッセージと強烈なワードにグイグイ引き込まれてしまった。。AIとデータに関する考え方はとても参考になった。
愚直に検索とレビューを改善すれば売り上げにつながる、とは何となくはわかる気がするが、言うは易し行う難しなのだろうなぁ〜と思った。

長くなってしまったのでDay1の前半として記事を分けることにした。。


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