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世界三大広告賞「The 2020 One Show」からみる、昨今のSDGs

こんにちは!
今回の記事を担当いたします、コムニコの神部です。

ラバブルマーケティンググループ(LMG)のメンバーが横断的にnoteを執筆する連載企画「バトンをつないで SDGsChallenge」で、ハウズワークの古瀬から私にバトンがまわってきました。

普段は、SNSマーケティングエージェンシーである(株)コムニコ の高知拠点「ソーシャルメディアマネジメントセンター高知」で、新規事業・サービス開発を担当しています。
SDGsはこれからのビジネスに欠かせない要素になると考え、弊グループで行われた第2回第3回目のワークショップに参加しました。

【1】はじめに

コムニコでは、月間1500本以上の原稿作成や企画に携わっており、広告に関してアンテナを張り常に社員間でシェアをしています。
社内Facebookグループ上で、世界三大広告賞の一つである「The One Show」の受賞作品に関する投稿があり、私自身とても良い刺激になったので、この広告賞について書くことにしました。

The One Showとは
One Show(The One Show)は、カンヌライオンズ、クリオ賞と並ぶ「三大広告賞」のひとつ。 広告クリエイターが審査し、広告クリエイターに与えられる賞として知られる。そのため、世界各地のクリエイターにとって最も憧れる賞ともいわれる。 主催するThe One Clubは、1975年に設立、ニューヨークに拠点を置く団体であり、広告関連の出版やセミナーなども行っている。 受賞者に贈られるトロフィーは鉛筆の形をしており、"ペンシル"と呼ばれる。(Wikipediaより

もう一つの世界三大広告賞である「カンヌライオンズ」は、毎年6月にフランスで開かれ、元々はカンヌ映画祭の中で劇場コンクールとしてスタートしたそうなのですが、今では社会課題の解決に先行して取り組む企業作品も多く受賞しており、「The One Show」でも、Sustainable Development PencilやGreen Pencilと言ったSDGsに関連する部門があります。

日本では2020年から「広告電通賞」でSDGs特別賞が新設されるなど、様々な広告賞でSDGsの部門があり、広告業界でもSDGsの気運は高まってきています。

この流れからか、昨今はSDGsに関連するクリエイティブ作品を目にする機会が増してきていると感じるようになりました。

そこで、今回は「The One Show」の2020年受賞作品の中からSDGsに関連した作品をいくつかご紹介いたします!

「うちの会社ならこういう活動ができるかもしれない!」、「こんなPRの仕方があるんだ!」など、自社の取り組みやプロモーションの参考にしていただけたら幸いです。

同時に、世界のトップクリエイターたちがクリエイティビティを発揮した作品をお楽しみください。

※そもそもSDGsとは?という方はこちらをご覧ください。

【2】The 2020 One Show―SDGs関連作品4選!

①<For Seasons>
1つ目は、最も環境に配慮した作品に贈られる「One Show Green Pencil」に選ばれ、「Creative Use of Data」部門で最高賞を獲得した「For Seasons」です。
ヴィヴァルディが「四季」を作曲した1725年から現在までの約300年で鳥類が15%減っているというデータを楽譜に反映させ、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団が鳥のさえずりを表しているメロディ部分を減らして演奏するというもの。

目標 13「気候変動に具体的な対策を」に貢献する取り組み

「春」は、聞いたことがある方も多いのではないかと思います。
”知っている曲に違和感を持たせることで、興味を惹きつけ、気候変動による変化を表した”とからくりを教えられるとハッとする方も多いはずです。
Facebookで15万回、YouTubeで1万回以上も再生されていました。(2020/10/16時点)

データを活用した訴え方で、有名な作品を別の表現にするという大胆な取り組みですが、訴え方を変えてみるというのがミソですね!
自社ですでに何か取り組まれている方は、少し見方を変えてみて、別の何かに例えられないか表現方法を考えてみるのも良いかもしれません。

②<The Lion’s Share Fund>
2つ目は、SDGsに持続的かつ重要なインパクトを持ち、他のブランドや場所でも展開できる作品に贈られる「One Show Sustainable Development Pencil」に選ばれた「The Lion’s Share Fund」という作品です。

私たちが目にする広告の約20%に動物が登場していますが、動物たちはこの働きに見合った支援を受けられておらず、「ライオンズシェア」基金に賛同するパートナーに対して、動物を使った広告費用の0.5%を基金に寄付することを促す取り組みです。

目標 13「気候変動に具体的な対策を」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献する取り組み

日本でも、犬や猫以外にも動物が登場するCMや広告がありますよね。それら広告にかかる費用の0.5%が世界の動物や生息地の保護に使用されるのであれば、大きな金額になり、広告に社会貢献の役割を持たせる良い取り組みになるはずです。

「ライオンズシェア」基金は他の国でも展開できる素晴らしい仕組みですが、自社や個人でここまで大々的なことはできなくても、「○○を買ったら、1%は寄付する」など、ルールを作ってみるのも、良いきっかけになりそうです。

③<Black Supermarket>
3つ目は、2つ目同様、SDGsに持続的かつ重要なインパクトを持ち、他のブランドや場所でも展開できる作品に贈られる「One Show Sustainable Development Pencil」に選ばれた「Black Supermarket」です。

まずは動画を見ていただきたいのですが、ブラックマーケットつまり闇市を意識したタイトルや、大きく表示される「ILLEGAL」、ちょい悪な雰囲気を出す生産者の方々の映像が記憶に残るかと思います。

目標2「飢餓をゼロに」
目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」
目標12「つくる責任つかう責任」に貢献する取り組み

ヨーロッパ最大手のスーパーマーケットチェーンの「カルフール」がヨーロッパで作られる97%の青果が違法扱いになっていることに疑問を投げかけました。
EU内では非常に厳しい規格があり、適合しないものは、協会に加盟している小売店で売ることができないなどフードロスにも繋がる状態。

そこで、カルフールが規格外のものを売るThe Black Supermarketを開催しました。この取り組みを通じて、8.4万件以上の署名が集まり、一部EUの法律を改正するまでに影響を与えました。企業がこのような取り組みを実行できるのは、すごいですね!

青果だけでなく、規格外でも本当は使用できるものもあるかもしれません。
それらの安全性を証明できれば変化に繋がるはずです。
慣習などを疑ってみるのも、取り組む一歩になると思います。

④<DO Black>
4つ目は、新製品または新サービスとして広告やキャンペーンで展開し、世の中へのインパクトが大きかった作品に贈られる「IP & Products」部門で最高賞を獲得した「DO Black」です。

気候変動の抑制に向けたCO2排出量の削減は、よく話題に上りますが、個人レベルで意識することは少ないと思います。

そこでDoconomyというスウェーデンの会社が日々の消費活動で発生するCO2排出量を測定・管理できるクレジットカード「DO」を開発。プレミアムカード「DO Black」では、CO2排出量に応じてカードの利用が制限される機能も付け、サービスを提供しています。

目標 13「気候変動に具体的な対策を」に貢献する取り組み

カードの利用を制限されてしまうと困ってしまいそうですが、どれだけ貢献しているのか目で見て分かる仕組みは多くの人の行動を変え、プラスの影響を与えると思います。

例えば、CO2排出量をどれだけ少なくできたのかコンペを開き、毎週の結果をTwitterやInstagramで投稿してもらうキャンペーンをするとさらに活発になりそうですね!

SDGsのそれぞれの課題について、自分たちはどれくらい貢献できているのか可視化できると、企業レベルでも個人レベルでも、より楽しみながら取り組めるようになるのではないでしょうか。

例えば自社で取り組む活動にエコポイントなど、ポイントを設定してみるのも良いかもしれません!

まだまだご紹介できていない好事例がたくさんあります!
ぜひ主催団体「The One Club」の公式サイトからチェックしてみてください👇
「The 2020 One Show Awards」作品サイト
https://www.oneclub.org/theoneshow/showcase/

【3】 おわりに

私は、弊社で行った第2回目、3回目のワークショップに参加しましたが、「無理なく持続でき、企業のメリット(利益など)にも繋がる活動」にすることがSDGsに取り組むうえで大切であるということを学びました。

同時に、「The One Show」を見て、楽しく取り組む重要性も感じました。
義務感でやるのではなく、楽しさをみんなで共有しながら取り組める仕組みやサービスにしていくことが継続性の鍵になるはずです。

そして、日本でも素晴らしい取り組みが数多くあるので、もっともっと日本の企業の取り組みを世界に向けて発信していってほしいなと思いました。
今回ご紹介した事例が広告企画のアイデアとして参考になれば嬉しいです。

私自身も新サービスに何か組み込むことにチャレンジしてみます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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