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「他者への思いやりと配慮」私たちにもできるSDGs

はじめまして。
SNSマーケティングエージェンシー「株式会社コムニコ」の杉井です。

簡単に私の経歴を。
大学でイギリスに渡り、4年間留学生活を送りました。すっかり英国贔屓になって帰国後、貿易事務として就職。その後テレビの制作会社に勤め、約6年英語のニュース番組などを担当しました。
2018年にコムニコに入社してからは、コンテンツクリエーターとして、グローバルに展開されている企業様などを担当させていただいております。

1. はじめに

改めてSDGsとは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された国際目標で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す、17のゴール・169のターゲットから構成されたものです。
193の国連加盟国全てが「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を理念に掲げています。
(参照元 外務省: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

とはいえ、これだけ聞いてSDGsを身近な話だと感じる方は少数派ではないでしょうか。
ち…地球上の誰一人取り残さないことを誓っている…?
もう壮大すぎてこの時点で取り残されて置いてきぼりになりそう…。と思ってしまう方も多いのでは。
確かに壮大で他人事になってしまいそうですが、SDGsは本来、自分事として捉えてほしいと考えられている課題のはずですよね。

少し自分からは遠いことのように思いがちなSDGs。
でも実は、皆様の日常的な行動は意外とSDGsの活動につながっていると考えたことはありますか。

2.ジェンダー平等をもっと身近に

例えば、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に目を向けてみましょう。
2019年12月に世界経済フォーラムが公表した男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」、日本はなんと153か国中121位という結果に(下図参照)。前回は149か国中110位なので、大きく順位が下がり、他国に大幅な遅れをとってしまっていますね。

note_内閣府

(出典元 内閣府ホームページ:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202003/202003_07.html

日本の課題であるのはわかるけれど、普段からジェンダー平等のためにしていることなどなく、自分の日常とどう繋がるのか見えづらい…と感じられましたか?

SDGsは、ゴールに対して、具体的な取り組みをすることだけでなく、これらの課題に興味を持ち、理解することも貢献への一歩だと考えます!
そのため、「ジェンダー平等を理解する」、「違いを受け入れる」、「相手の立場を思い配慮する」ことも大きな貢献です。

「他者への思いやりと配慮」
これって皆様の日常でも普通に行われていませんか?

日常のひとコマとして、身近なSNSの投稿を例にとってみましょう。
SNSの投稿をする際、あくまで個人的な意見だったとしても、受け手が不快になりそうな内容を避けるなど、十分な配慮をして投稿しますよね。
例えば、仲のいいお友だちが失恋した直後は、SNS上に恋人と楽しい時間を過ごした投稿をするのを控えた経験はありませんか?
失恋した云々はSDGsじゃない?
いいえ。このように相手の状況を思いやることは、SDGsを自分事として捉えることにつながると思います。

3.SNS投稿とSDGs

他者への思いやりと配慮は、一見SDGsとは無縁のように思えますが、身近なシーズナルイベントの際にも行うことができます。今度は、個人の投稿ではなく、企業の投稿で考えてみましょう。

私が実際にSNSのアカウント運用において、読み手目線で考えた際に、少し表現を変えたほうがよいと感じた事例や、他社企業の投稿事例をもとにご紹介します。

*以下でご紹介するものは、このnote用に作成した投稿例となります。

1つ目は、クリスマス時期の投稿。
日本で投稿する際は、「メリークリスマス!」とイベントを楽しむような投稿をすることが多いですよね。
ただ、読み手に海外の方が含まれる場合は、この表現には注意が必要です。

ご存知のように、クリスマスはもともと宗教的要素の強いイベント。
国や地域によっては、日本のようにウキウキするイベントというだけの位置付けではないことがあります。
キリスト教以外の宗教を信仰されている方の中には、「Merry Christmas」が受け取りがたい表現であることも。

また、逆に日本でよく使われる「Xmas」という表記は、欧米のキリスト教徒の方には好まれないこともあるそうです。
「X」にキリストを意味する「Christ」を省略しているような印象を受け、神を省略して表すとは!と思う方もいるのだとか。
(*もちろん日本で気にされる方がいないわけではありません。)

そのため、海外での投稿あるいは、海外向けの投稿を見てみると、クリスマスの時期は、「Happy Holidays」と表記している企業や団体が多く見られます。
日本人向けに同時に発信する場合は、わかりやすいように「メリークリスマス」を併記することも。

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マーケターの皆様の中には、そういえばそんな配慮をしているかも…と思い当たった方もいらしゃるのでは?

2つ目は、来月に控えているバレンタイン。
日本では、女性が男性にチョコレートを贈る日とされることが多いですが、こちらもクリスマス同様、海外だと文化がさまざま。

例えば、イギリスでは男性が女性に、カードとともにチョコレートとバラの花を贈ることがあります。
(留学時代、小学校高学年くらいの男の子が、バレンタインの日に1輪のバラを持って歩いている姿にきゅんとした話はまた別の機会に…笑)
バレンタインは女性が男性に贈るものと思い込んで、文化が違う地域に発信してしまうと、全く伝わらなかったり、場合によっては批判に繋がってしまうこともあるので気をつけたいです。

最近は日本でも、友達同士でチョコレートを渡したり、自分へのご褒美でチョコレートを購入したりするのもメジャーになってきましたよね。
ジェンダー平等の観点から、「女性が男性に贈る」という文化に疑問を持つ方も年々増えています。義理チョコをやめよう!とチョコレートの企業が謳ったのも記憶に新しいところ。

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テキストに配慮していても、使用する画像や動画などのクリエイティブでうっかり女性が男性に渡しているものを選んでしまうと、女性が男性に渡すというニュアンスで伝わることもあります。テキストだけでなく、クリエイティブや紐づいているリンク先などにも気を配る必要があります。

上記のようなSNS投稿でされている配慮。よく考えてみると、先ほど挙げたクリスマスの投稿は目標10「人や国の不平等をなくそう」、バレンタインの投稿は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に繋がっているのにお気づきですか。

配慮した内容は宗教やジェンダーなどSDGsに直結する内容ではありますが、その根幹にある考えは、失恋した時のお友だちにしたような、自分と違う環境や立場にある相手への思いやりや配慮です。

このように考えていくと、地球規模の遠い存在に感じていたSDGsがぐっと近くなりませんか。
SDGsは簡単に言えば、相手の立場に立って、その人が何を大切にしているか、どんなことに共感ができるかを考えるものではないでしょうか。

4. おわりに

私がSNSの投稿作成の際に気を付けているこのような視点は、留学をしていた時に身近にさまざまな背景を持った人々がいたことが大きかったかもしれません。
例えば、大学で出会った友人から聞いたエピソードは、人種問題などあまり考えたことがなかった当時の私にとってはとても衝撃的でした。
今は当時よりもさらにSNSが普及したこともあり、皆様も、自分の周りで起こっていないことでも身近に感じる出来事が多くなったのではないでしょうか。
「#BLM」「#BlackLivesMatter」が一大ムーブメントとなった昨年、初めて人種問題に関心を持たれたという方もきっといらっしゃいましたよね。

SNSを通じて各々の違いに関心を持ち、思いやりにあふれた世界に繋がっていったら素敵ですよね 。

年齢、性別、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などは、持っているものや置かれている状況は人それぞれ違います。
その違いに配慮し、思いやりのあるコミュニケーションの基本に立ち返ることで皆様もSDGsを身近なものに感じていただけたら幸いです。

杉井さんimage


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