見出し画像

「2020&2021年 カンヌライオンズ」受賞作品から考える、グローバル企業の責務

1.はじめに

こんにちは!
ラバブルマーケティンググループでSDGs推進担当をしている相澤です。

弊グループのnote企画『バトンをつないで #SDGs Challenge』で、過去にもご紹介した”広告賞の受賞作品シリーズ”。
今回は「One Show」、「クリオ賞」と並ぶ世界三大広告賞の一つである「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(以下「カンヌライオンズ」)」で受賞した作品の中からSDGsに関連したものをご紹介します。

▼以前の記事はこちら
世界三大広告賞「The 2020 One Show」からみる、昨今のSDGs
「日経SDGsアイデアコンペティション」5作品から見るSDGsの取り組み方

カンヌライオンズとは?
カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(英:Cannes Lions International Festival of Creativity)は、 One Show、クリオ賞と並び、世界3大広告賞の一つといわれる世界最大級の広告賞の名称。
毎年6月下旬に、フランスのカンヌ市にて開催される。審査は世界中から選抜された審査員による。
各部門ごとに、グランプリ・金賞・銀賞・銅賞が設けられている。
Wikipediaより一部抜粋)

今年の「カンヌライオンズ」は6月21日~25日にすべてオンラインで開催されました。昨年は会自体が中止で賞審査も行われなかったので、今回発表された2年分の作品の中からピックアップしています。

受賞作品を見ていて感じたことは、カンヌライオンズにはSDGs部門もありますが、他部門でも作品の多くがサステナビリティに関するメッセージを含んでいる印象を受けたことです。
そのため今回はSDGs部門以外の受賞作品からもピックアップしました。

卓越したクリエイティブはもちろんのこと、新しいビジネスアイディアは非常に勉強になりました。ぜひ自社の取組みやプロモーションの参考にしていただけたら幸いです。

2.「カンヌライオンズ」受賞作品3選!

①SDGs関連部門「The Sustainable Development Goals Lions」グランプリ-「The 2030 Calculator」

スウェーデンの技術系スタートアップ企業「Doconomy」の「The 2030 Calculator」という作品がSDGsに関連した部門「The Sustainable Development Goals Lions」でグランプリを受賞しました。

「The 2030 Calculator」は各ブランドやメーカーが自社製品の二酸化炭素排出量(カーボンフットプリント)を計算することができるサービスです。
製品の各部品、材料、パッケージ、輸送など、製品を消費者に届ける過程ごとに発生するエネルギーを計算し、製品のカーボンフットプリントをすばやく計算することができます。

独自でカーボンフットプリントを計算するのは、以前は困難で費用がかかっていたそうですが、このサービスを利用することで簡易的になるため、今後はより多くのブランドが利用するようになりそうですね。

さらにカーボンフットプリントをオープンにしていく製品が増えると近い将来、スーパーやコンビニで値札に値段が貼られているように二酸化炭素排出量が記載されるようになるかもしれませんね。

ちなみにこの会社はCO2排出量を測定・管理できるクレジットカード「Do Black」というサービスで「The 2020 One Show」の「IP & Products」部門で最高賞を受賞しています。

このサービスを紹介している前回の記事はこちら↓
https://note.com/lmg/n/nd0cf25c75432

②2020年デザイン部門「DESIGN LIONS」グランプリ-「Notpla」

イギリスのスタートアップ企業「Notpla」がデザイン部門「DESIGN LIONS」で2020年グランプリを受賞しました。

「Notpla」の製品は、海藻や植物から作られており4〜6週間で自然に生分解される性質で、そのまま食べることもできるそうです。

大量にプラスチックが必要となるスポーツフェスティバルや、ソースやドレッシングといった調味料などで使用する小袋の代替品として実際に使用されており、2019年のロンドンマラソンでは藻から作られた食べられる水を3万個配布されたそうです。
容器ごと全部食べられるのでプラスチックゴミをださないだけでなく、ゴミの回収も楽になるので運営側にもメリットがありますね。

Notplaのサイトページで「We make packaging disappear(=パッケージをなくします)」と謳っている通り、プラスチックを“減らす”のではなく、そもそも“なくす”ためにどのような製品を開発するのが良いかという逆転の発想と実行性に驚きました。

③2021年デザイン部門「DESIGN LIONS」グランプリ-「LOOOP」

H&Mがデザイン部門「DESIGN LIONS」で2021年グランプリを受賞しました。

H&Mは、衣類から衣類へのリサイクルシステム「Looop(ループ)」をスウェーデンの店舗に導入しました。
そこでは、コンテナほどの大きさの機械を通して、古着を新しいアイテムにリサイクルする工程を実際に見ることができます。

不要になった衣類から新しいファッションアイテムを生み出すことへの可能性を消費者が視覚的に理解できるようにするためだそうです。
また、このシステムでは水も化学薬品も一切使用しないため、ゼロから衣類を作るよりも、大幅に環境への負荷を抑えることができます。

以前のnote記事「ファッションとSDGsについて考える」でご紹介した通り、ファッション業界は2番目の環境汚染産業であるとみなされており、毎年大量の水を利用し、大量のマイクロファイバーが海洋投棄されています。

このようなリーディングカンパニーの取組みとそれに伴うクリエイティブの世界的評価は、ファッション業界と私たち消費者にインパクトを与えるきっかけになればよいと思います。

3.おわりに

いかがでしたでしたか?
いずれもグランプリ作品のクリエイティブ力が評価されたことはもちろんだと思いますが、二酸化炭素排出問題、海洋プラスチック問題、海洋汚染問題など、切迫した地球規模の課題に向き合うことがグローバル企業としての責務であり、現在の広告トレンドとなっているのではないかと感じました。

グランプリ以外もご紹介したいほど素晴らしい作品やサービスがたくさんありましたので、ご興味ある方はぜひ、「The Sustainable Development Goals Lions」部門の受賞作品リストからご確認ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?