【インタビュー対談】経営者視点から見るマインドフルネスとその重要性
こんにちは!
ラバブルマーケティンググループでSDGs推進を担当している相澤です。
弊グループで今年から始まった「SDGs勉強会」。
第1回目のテーマは「マインドフルネス」でした✨
マインドフルネスの講義とワークショップの模様を紹介した記事はこちら→【SDGs勉強会レポート】マインドフルネスについて学ぶ
今回は、講師をしていただいた株式会社Lay代表取締役の野村 里奈さんと弊社代表の林 雅之による対談の模様をお届けいたします。
グーグルがマインドフルネスを社員研修に取り入れたことは有名ですが、昨今ではSansan株式会社を始め様々な企業も取り入れるようになってきました。
対談では、企業はどのような効果を期待して取り入れているのか、欧米と日本の違いは何かなどを野村さんにお伺いしています。
林からは、健康経営を取り入れる際に気をつけていることやコミュニケーションの在り方など、経営者視点から見るマインドフルネスやその重要性などをお話ししております。
マインドフルネスにご興味がある方、企業経営者や健康経営を取り入れたい企業様、社内コミュニケーションを促進する立場の方はもちろん、多くのビジネスパーソンに刺さる内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください!
1、勉強会・ワークショップの感想
相澤:まずは、勉強会・ワークショップの感想を一言ずつお願いします。
野村:皆さんがとても積極的に参加されていたことが印象に残っています。また、終了後のアンケートから、「とても満足」「満足」といった言葉をたくさんお聞きできたので嬉しく思っています。
事前に、御社から受講者の皆さんのニーズや属性情報などをヒアリングさせていただいたり、ディスカッションをさせていただいたりした結果を反映させたプログラムが、より皆さんの満足度の向上につながったのではないかと考えています。
林:個人的には、以前より瞑想やヨガなど、内省を深める活動に興味があり、マインドフルネスを行ったことはありましたが、会社のメンバーと行うのは初めての体験でした。全く知らない人と行うのとは違い、ある程度共通した文化を持つメンバーと共に体験するのはとても意義があると感じました。
なので、野村さんが企業向けに特化された研修を提供されているのはとても理に適っているなと思いますね。
2、野村さんとマインドフルネスとの出会い
相澤:野村さんはどのようにしてマインドフルネスを知ったのでしょうか?
野村:前職時代から、もっと「自分らしく働いて社会の役に立ちたい」という想いがあったのですが、具体的にどうすればよいのか分かっていませんでした。その手がかりを探るため、2015年頃から「人間」と「社会」について探究を始めました。
「社会」については、会社員として、そして起業家として働くことを通じて実体験で学んだり、MBAスクールでは経営学を通じてビジネスを体系的に学びました。
マインドフルネスは、「人間」探究の一環なのですが、ちょうどその頃に出会ったメンターから、瞑想を勧められたことがきっかけでした。瞑想を続けているうちに、自分、つまり人間が、論理や思考以外で理解、行動していることの多さに気づくようになり、マインドや意識、心理などの分野に興味を持つようになりました。
また、「人間」探究については、今月から大学院へ進学しており、人間学を研究しています。人間学とは、「人間とは何か」「生きるとは何か」「いのちとは何か」など人生の根幹の問題であるテーマに対し、思想・哲学、心理学、保健・福祉などの側面から学際的にアプローチする学問です。この研究を通じて、当社のサービスをより価値のあるものにしていきます。
3、企業がマインドフルネスに期待することは!?
相澤:企業はどういったことを期待して野村さんにご依頼されるのでしょうか?
野村:健康経営、SDGs、福利厚生、メンタルヘルスの一環としてご依頼いただくことが多いです。ご依頼のきっかけはそれぞれですが、共通していることは皆さん社員のためを思い、結果的に自社にもメリットをもたらせたらと考え、ご依頼される企業が多いです。
また、多くの企業は、研修やワークショップ終了後も、受講者がマインドフルネスをセルフで継続する意欲や知識を持てるようなプログラムを期待されています。それに応じるべく、頭で理解して身体で感じることのできる、理論と実践を組み合わせたプログラムを提供しています。
林:部署単位でのご依頼が多いですか?
野村:いえ、企業単位でご依頼いただくことが多いです。従業員数の多い大きな企業の場合は任意参加という形を取ることが多く、受講者数で言うと数十から100名単位になります。
林:何か特徴や傾向などありますか?
野村:経験から申し上げると、20代から30代半ばの方は「まずはやってみようという」積極的な姿勢をもった人が多いように感じます。また、年齢問わず経営者も多いですね。
マインドフルネス含めた非可視化領域=目に見えない何か、時にそれを直感ともいうかもしれませんが、日々の意思決定時に理論だけでなくそういったものを信頼されている方が多いからではないかと思います。
林:経営者は結果が全ての世界にいるからかもしれませんね。マインドフルネスを体験すると、心が落ち着くとか、筋肉が緩むなど、結果が表れるものに対して素直に受け入れられる人が多い気がします。
私が疑問に思っていることですが、心が落ち着くことや、ありのままの自分を受け入れる、その重要性は感じています。一方で、企業側としては、今のままで満足されては困るとも思う(笑)
「このままでいいのだ VS 成長意欲」これに対してはどのように考えられますか?
野村:そうですよね(笑)
まず、「ありのままの心でいると平穏な気分で幸せ」という感覚が確かにあることを知っておく必要があると思います。また、ガツガツする気持ちや承認欲求などの成長意欲もあってよい思います。ただ、そういった感情や欲求があることに気付かずにいるのではなく、自覚してさえいればよいのではないかと思います。
林:私なりの答えとしては、目標など未来への軸はあってよく、目標に向かって頑張ることが内発的に生まれたものであれば心の平穏を乱すものではないと考えています。
目標までの道すがらでうまくいったりいかなかったりするときに右往左往しない、一喜一憂せず、どんな結果も受け入れるんだという気持ちで成長意欲を保つことかと思っています。
野村:そうだと思います。
マインドフルな状態であれば、途中で右往左往することがあっても、時間軸で捉えた自分の立ち位置を俯瞰して見ることができます。
この先に目標があることを捉えることができれば、たとえ谷にいても、いまはアップダウンの谷なんだと思うことができ、必要以上に怒ったり悲しんだりすることはなくなっていくのだと思います。
時間軸で上からありのままの自分を見ている状態、それは広義の意味でマインドフルネスだと思います。
4、企業はどのように健康経営を取り入れるとよい!?
相澤:健康経営を取り入れることについて、林さんはどのように考えていますか?
林:社会的な要請として、企業は果たさなければならない責任だと思います。ただし、やらなければならないから“やる”ではなくて、楽しくなければ続かないと思っています。それは仕事でも言えますが、責任感だけじゃみんな頑張れないですよね。
会社はコミュニティの一つですから、嫌でも集まらなければいけない側面もあったりするので、そこをできるだけ快適にするのは企業としてやっていかなければと思っています。
コミュニティ構築には、共通体験を持つことが重要だと考えているので、繰り返しますがみんなで行ったことがよかった。
そもそも非日常な体験を積むことはリモートワークが進む昨今では作りづらくなっているのではないでしょうか。
今期のSDGs推進の取り組みとして始めた、有識者をお呼びするこの勉強会・ワークショップの意味はそこにあると思います。
野村:そうですよね。
マインドフルネスのような非言語領域のことを伝えることは難しいと思うのですが、一緒に体験したことによって「あの時のあれだよね」というような、共通体験を持てることでコミュニケーションの在り方に変化が生まれますよね。
それらの体験を言語化したコミュニケーションを取ることも出来るよう、企業研修を行う際には、様々な用語や表現についてもお伝えするようにしています。
5、欧米と日本のマインドフルネスの違いとは!?
相澤:グーグルなどがマインドフルネスを取り入れていますが、そのような傾向についてどう思われますか?また、海外と日本の違いなどあれば教えてください。
野村:マインドフルネスはアメリカから始まり欧米を中心に広まって日本での普及も進んでいます。論文に目を向けると、欧米ではビジネスにおける効用に関する内容も多い一方、日本ではそれらの内容は少なく、精神医療などにおける効用に関する内容が多いように感じています。
また、グーグルのようなチームで目標達成のためのマインドフルネスの活用は、ビジネススタイルの違う日本にはそのまま当てはまらないのではとも思います。
例えば、アメリカでは自己主張する文化で且つジョブ型雇用がメインですが、日本はまだまだ空気を読んで自己主張は控えめな方がよいとされる文化がありますし、メンバーシップ型の雇用も多いですよね。
林:その通りだと思います。
また、日本は“空気を読む”というより勝手に解釈をしてしまう気がします。例えば、上司に対して違う意見を言ったら罰があるかもしれないと思って3歩手前くらいでやめてしまう傾向があるといったことです。
心理的安全性を確保し、積極的に発言することがみんなにとってよいことなのか説得することが重要だと感じました。
野村:3歩手前で発言を控えるなどの行為は、防衛本能のもと無意識的にやっていることですので、いきなり止めることは難しいかもしれません。ただ、無意識的にやっていることを自覚するだけでも、変化が起こっていくと思います。
林:日本の場合はマインドフルネスの研修を上司が受ける方が効果が高まるのかもしれませんね。
例えば「〇〇さんそれ違いますよ」と部下が言った時、「なんか反抗された」とディフェンシブに感じる人がいると思いますが、上司が自分の意見が通らないことに右往左往しない方法を知っていれば部下やチームメンバーが意見を言いやすくなる。マネージャー研修、管理職研修に導入することで「日本流職場のマインドフルネス」になるかもしれないですね。
野村:そうですね。良くも悪くも、マネジメント層は全社に与える影響力が大きいので、この層に向けた研修の意義や効果は大きいように感じます。
6、おわりに
今期からスタートした「SDGs勉強会」ですが、メンバーにどのような機会として捉えてほしいかを林に聞きました。
林:色々な切り口でみんなで共通体験を増やしていきたいと思っています。その中の一つとしてこの勉強会・ワークショップがあります。
私自身、他分野で活躍している方の話を直接聞く機会が多く、得ること学べることはたくさんあります。
リモートワーク下でそういう刺激が減っている人もいると思うので、会社でそのような機会を作れるとよいと思っています。
何より私も話を聞いて、勉強したいと思っています!
次回は7月に実施予定です✨
こちらのnoteで報告させていただきますのでお楽しみに✨
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