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はじめまして、LLLです。(後編)

前回の記事(前編)では、日本におけるリビングラボの実践・活用に関する大きな問題は、リビングラボ実践のベースとなる方法論や知見、情報が共有されていないこと、すなわち、リビングラボ実践のための<インフラ>が整備されていないことにあることを述べました。

この後編では、この問題を解決するために、LLLとして、どのような研究プロジェクを立ち上げたかを、簡単にご紹介します。
なお、LLLで実施する研究プロジェクトは、トヨタ財団「先端技術と共創する新たな人間社会」プログラムの支援を受けて実施しています。

リビングラボ実践のインフラの構築をめざして

LLLでは、日本国内の様々な人や組織が、リビングラボの試行錯誤的な実践をより積極的かつ効果的に行うことを可能とするための「インフラ」を構築することをめざします。具体的には、以下に述べるテーマに取り組みます。

LLLで行う研究の全体像

①   日本の社会文化的文脈におけるリビングラボのあり方ややり方の探索
海外で発表されているリビングラボの手法/方法論の調査、日本国内のリビングラボ事例の調査を行い、日本の社会文化的文脈におけるリビングラボの在り方ややり方を明らかにします。また、その結果にもとづき、日本国内の実践者が活用できるガイドブックや教育コンテンツなどの成果物を創出します。

②   実践者にとって役立つ情報の発信、共有
LLLとして創出した成果物(ガイドブックや教育コンテンツなど)だけに限らず、その過程で作成したコンテンツや獲得した情報・知見などを積極的に発信、共有していきます。このnoteやpodcast、ニュースレターなど、様々なメディアを通じて発信する予定ですが、発信コンテンツはすべて、LLLのWebサイトに集約します。

③   リビングラボの研究者や実践者が集まる場(ネットワーク)の構築
国内のリビングラボの研究者や実践者が集まり、様々な意見交換、情報共有を行うとともに、日本の社会文化的文脈におけるリビングラボの在り方ややり方を議論する場を構築します。具体的には、リビングラボの方法論的側面に関する公開オンラインイベントを定期的に行うことや、関連団体とも協力しながら、実践者や研究者が対面であつまるイベントを年1回程度行っていくことを予定しています。

LLLの活動は、まだ始まったばかりです。我々自身も、試行錯誤の中にいます。リビングラボのやり方を、完全に言語化できるとも考えていません。しかしながら、実践を通じた得られた知見や開発した手法を、少しずつ言語化・方法論化していき、日本国内の実践者/研究者が活用できる共有資産(コモンリソース)を徐々に増やしていくことはできると考えています。そういった活動の積み重ねにより、構成的に、リビングラボ実践のインフラを構築していきたいと考えています。

このような成果を創出、発信していくためにも、リビングラボに関わる様々な人々や組織とコラボレーションが重要だと思っています。まさに、LLLの共創です。一緒に議論していただける方、協働していただける方、ぜひ、ご連絡をいただければと思います。
LLLのメールアドレス(注1)、もしくは、LLLのWebサイトの「問い合わせ」よりご連絡いただければ、LLLのメンバに直接届きます。

Author: Fumiya Akasaka (AIST)


注1:inquiry [at] livinglablaboratory.com ([at]を@に変えてください。)

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