ロンドン市交通局は気候変動に対抗しながらウェルビーイングを高めるためにGreen Link Walkを整備
case|事例
ロンドン市交通局(TfL)は、ロンドン市などと協働で15マイル(約24km)のウォーキングとサイクリングのための専用空間「Green Link Walk」を整備する。Green Link Walkは市内の約40の緑地とも接続する。整備には市民がつくるウォーキングやサイクリングの愛好団体も協力する。
背景に、パンデミック以来のレジャーウォーキングへの関心の高まりと専用のウォーキングスペースの整備を求める声の多さがある。ロンドン市では、パンデミック以降、レジャーウォーキングを楽しむ市民が10%増加し、2022年にTfLが策定したLeisure Walking Planでは57%の市民が専用のウォーキングスペースが欲しいと回答していた。
TfLは、ボラードや障害物のない環境をルートで確保することを目指しており、縁石や急なスロープ、段差のある橋の設置なども避ける方針を示している。また、緑地や水路に誘導するサインや新たに2つのレインガーデンも整備する。
TfLやロンドン市は、Green Link Walkの整備で、ロンドン市民の緑地や自然へのアクセシビリティを高め、レジャーウォーキングを促進することで健康増進とウェルビーイングの向上を目指している。整備にかかる費用は市長の「Green and Health Street基金」から拠出され、CO2の削減や大気質の改善への寄与も期待されている。
insight|知見
線上の緑地やサイクリング道と聞いて日本の河川敷をイメージしてしまいましたが、記事内の地図を見るとちょっとイメージが異なるようです。水辺や緑地を結ぶルートだと植生や景色が変化して散策が楽しめそうです。
またTfLがLeisure Walking Planという計画を作っていることも驚きました。日本ではレジャーとしての交通計画は聞きなじみがありません。都市内でトレッキングやピクニックが楽しめるような歩行者・自転車専用の緑地・公園のネットワークは健康やウェルビーイングに限らず生活の質や住みやすさをも改善させるような気がします。