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福岡に拠点をおくコンサルティング会社「Local Knowledge Platform」の公式noteです。 HP:https://www.chengshi-jp.com/

マガジン

  • LKP eye

    世界の都市・地域の最新事例を紹介するマガジンです(平日毎日更新)。 「case」では海外記事を抄訳して海外の都市計画関連の最新事例を紹介しています。「insight」では海外の最新事例から得られる示唆を私見としてまとめています。

最近の記事

8km未満の移動の25%を電動自転車に置き換えることは33.8万台分の自動車交通の削減と等しいと試算

case|事例 ロッキーマウンテン研究所(RMI)は、電動自転車の普及が環境や社会に及ぼす影響を評価するためのツール「E-Bike Impact calculator」を公開した。このツールでは、短距離移動を電動自転車に置き換えた際の効果を2つのシナリオで評価することが可能。ひとつは、現在の与条件の下で都市全体の影響を評価するもので、10年間の累積効果が算出できる。もうひとつは、電動自転車の普及のためのインセンティブを変数として評価するもので、市の予算やスケジュール、車両タ

    • パリ市内の移動手段は自転車利用が自動車を上回った

      case | 事例 パリ地域研究所の最近の調査によると、パリ市内の移動手段はすでに自転車が自動車を上回っており、全移動の11.2%を自転車が占めており、自動車は4.3%に過ぎなかった。ラッシュアワーの時間帯でも、自転車での移動が18.9%を占め、車での移動は6.6%にとどまった。同様の傾向は、パリ郊外と中心部間の移動にも見られ、全移動の14%を自転車が占めており、自動車は11.8%となっている。調査は、GPSトラッカーを装着することに同意した首都圏の住民3,337人を対象に

      • ソルトレイクシティの社会包摂を意識した新たなTOD開発

        case|事例 ソルトレイクシティ再開発庁(RDA)はリオグランデ地区の再開発に関する将来ビジョンと実行計画を発表した。今回構想が発表された再開発は公共交通指向型開発(TOD)となる予定で、都心西部のアートやコミュニティ・ウェルネス、経済成長の拠点となることを目的としている。ビジョンには地上階を小売りやメーカーズスペースとした住宅や新しいホテル、非営利活動用のスペースなど、多様な用途を混合させたウォーカブルな地区が示されている。 今回のビジョン策定は、世界的な設計会社「P

        • シアトル市の増税案に対して市民グループが持続可能な交通と住宅への投資を要求

          case | 事例 シアトル市は、同市史上最高額の8年間で13億5000万ドルに及ぶ、戸建住宅所有者への固定資産税増税案を提案している。「交通賦課金案(Transportation Levy Proposal)」と題されたこの法案では、税収を幹線道路の改善と舗装、特定橋梁の補修、歩道の整備と補修、自転車専用レーンの拡充、新規交通信号の設置に充てることとしている。これに対し、市民団体は税収の用途として、徒歩や自転車での移動も含め、公共交通機関の利用機会の拡大と、住宅への投資を

        8km未満の移動の25%を電動自転車に置き換えることは33.8万台分の自動車交通の削減と等しいと試算

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        • LKP eye
          183本

        記事

          アメリカは27億円をかけて公共交通指向型開発を促進

          case|事例 アメリカ連邦交通局(US Federal Transit Administration:FTA)は公共交通沿線のアフォーダブル住宅の整備などへの補助として1,760万ドル(約27億円)の財源を確保した。補助は、超党派のインフラ法に基づくTODパイロットプロジェクトを通じて提供され、延べ16州の20地区が補助を受ける見込み。今回の補助は、公共交通沿線の住宅開発やオフィス開発を通じて交通の利便性を高めるための計画策定を対象としており、計画の中にアフォーダブル住宅

          アメリカは27億円をかけて公共交通指向型開発を促進

          パリオリンピックの水泳競技はセーヌ川で実施できるか?

          case|事例 フランス政府とパリ市はセーヌ川の水質改善を着々と進めており、今夏のパリオリンピックの水泳競技をセーヌ川で実施することに自信を持っている。 一方で、サーフライダー財団が実施した水質調査レポート(フランス語)では、セーヌ川で高レベルのバクテリアが確認されたと報告されており、懸念もある。サーフライダー財団は、昨年の秋以降、パリ都心部2カ所でサンプル採取し水質の分析を行ったところ、基準値以上の大腸菌と大腸球菌が見つかったと発表している。 パリ市の担当副市長は、「

          パリオリンピックの水泳競技はセーヌ川で実施できるか?

          NYC交通局の「生活しやすい道路推進室」新設

          case | 事例 パンデミック時のNYCでは、公共空間や道路の使い方を変えて、自動車の通行を遮断して歩行空間や自転車の走行空間、遊び場などへと転換する経験を積んだ。その経験を経て今、NYC交通局は、あらゆる交通手段を利用する人々を受け入れる道路を設計し実現するための新たな組織「Office of Livable Streets(生活しやすい道路推進室)」を立ち上げている。同局によると、この種の推進室の設置は米国初だという。同室は道路改良室(Office of Street

          NYC交通局の「生活しやすい道路推進室」新設

          バルセロナはオーバーツーリズム対策としてバス路線を地図アプリから消去

          case|事例 バルセロナは世界的に人気のある観光地のひとつであるが、オーバーツーリズム問題にも苦慮している。観光地に向かうバスに観光客が押し寄せ、住民の生活に支障をきたしている場合もある。 今回、バルセロナ市は、GoogleとAppleの協力を得て、オーバーツーリズム問題を抱えるバス路線を地図アプリから消去した。対象となった路線は、グエル公園に向かう116番系統で、杖をついた人やお年寄りも乗れないほど、車内が観光客であふれる状況だった。沿線の住民は、何年にもわたって混雑

          バルセロナはオーバーツーリズム対策としてバス路線を地図アプリから消去

          持続可能な都市物流は、都市のアクセシビリティと生活の質を高める上で重要

          case | 事例 ベルギーポスト(bpost)グループは、2022年4月より、ブリュッセル東部の都市ルーヴェン市の中心部から市域南部をエコゾーンとして設定し、ゼロ・エミッションの手段で手紙と小包の配達を行えるよう、集配ポイントの密集したネットワークを構築してきた。今般、そのエコゾーンをルーヴェン市全域に拡大し、持続可能な配送を受ける住民の数を58,000人から103,000人に増やしたと発表した。 ルーヴェン・エコゾーンでは、すべての配達に電気自動車と自転車が使用され、

          持続可能な都市物流は、都市のアクセシビリティと生活の質を高める上で重要

          米タンパは電動キックボードの違法駐車に対する罰金制度を導入

          case|事例 フロリダ州の都市タンパは、不適切な電動キックボードの駐車に対して新たな取り締まりを開始することを発表した。今後、指定された区画や場所に駐車されなかった電動キックボードに対して最大5ドル(約770円)の罰金が課される。罰金徴収は、Lime、Spin、Helbizの3社が手掛けるシェアサービスの車両が対象となる。また、併せてリワード(報酬)制度も導入され、放置された車両や違法に駐車された車両を駐車しなおした利用者には0.5ドル(約77円)から2.5ドル(約385

          米タンパは電動キックボードの違法駐車に対する罰金制度を導入

          カナダのメインストリートは公的投資で復活するか?

          case|事例 都市問題の調査や研究を手掛ける非営利団体のカナダ都市研究所(CUI)は、最近の研究レポートの中で、メインストリート再生における公的投資の重要性を指摘している。レポートでは、パンデミックの影響を受けたカナダのメインストリート沿いの中小規模のビジネスはコロナ前の収益水準に戻っておらず、ビジネスオーナーも自信を失っている一方で、公的なインフラへの投資や補助、規制緩和など広範な公的支援によって地域のビジネスの成長を効果的に促進することが可能だと述べている。 CUI

          カナダのメインストリートは公的投資で復活するか?

          LAのダウンタウン活性化に街路のライトアップが期待されている

          case | 事例 ロサンゼルスではパンデミックによって企業が在宅勤務モデルにシフトしたことから、多くのオフィスは空室になり、ロスのダウンタウン(DTLA)ではパンデミック前に比べて65%までしか人の往来が戻っていない調査結果がある。パンデミックからの回復にいまだもがいているDTLAは、顧客をまちに呼び戻し、地域を活性化し、犯罪を抑止するために、新しい試みを始めている。 都心の民間主導のエリアマネジメント組織であるサウスパーク・ビジネス改善地区は、都心を貫く11番街の街路

          LAのダウンタウン活性化に街路のライトアップが期待されている

          住宅の路外駐車場の附置義務を撤廃したピッツバーグは縁石の切込み制限も検討

          case|事例 昨年、新築のタウンハウスの路外駐車場の設置義務を撤廃したピッツバーグ市は、縁石の切込みに新たに制限をかけることを検討している。ピッツバーグ市は、歩行者と自動車の錯綜を減らし安全性を高めるために、縁石の切込みに制限をかけ新たなタウンハウスの開発に伴う駐車場アクセスのための私道の整備を減らしたいと考えている。 併せて、火曜に承認されたローカルゾーニング法の改正では、路外に駐車場を設置するタウン開発には駐車場を裏庭に設置するかわき道からアクセスさせることを義務付

          住宅の路外駐車場の附置義務を撤廃したピッツバーグは縁石の切込み制限も検討

          都市の緑地は想像以上に有益であるとの研究結果

          case | 事例 オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学(UNSW)生物地球環境科学部の研究者らは、世界の都市にある人工的に造成された緑地の土壌がどの程度機能しているかを調査し、自然の生態系との比較を行った。研究によると、人工的な都市緑地は、これまで考えられていた以上に環境に良い影響を与えているとのこと。 研究では、シドニー、マドリッド、北京、スウェーデンの大規模な公園を含む世界中の56カ所を調査し、土壌の健康状態を示す様々な指標を用いて自然環境と比較した。都市の公

          都市の緑地は想像以上に有益であるとの研究結果

          NYCの混雑課金は法廷での異議申し立てに直面

          case|事例 ニューヨーク市の混雑課金は、3月末に15ドル(約2,300円)の課金額とすることの最終決定がなされたが、4月3日にニュージャージー州の弁護士からの異議申し立てによって法廷でその実施が争われることとなった。 異議の内容は、交通と大気汚染にどの程度影響が与えるのか不透明であるにも関わらず、連邦道路局(FHWA)が最終的に意思決定をしていることを不服としており、ニュージャージー州では特定のエリアで汚染が倍増される恐れがあり、国家環境保護法に基づく影響評価を行うよ

          NYCの混雑課金は法廷での異議申し立てに直面

          英国の子どもの4人に3人は自然の中でもっと時間を過ごしたいと考えている-National Trustの調査

          case|事例 英国の子どもの76%は自然の中で過ごす時間をもっと増やしたいと考えており、56%の子どもたちは緑地へのより良いアクセスが必要だと考えていることがNational Trustの調査で明らかとなった。この調査は子ども向けの新聞を発行するFirst Newsと協働で実施され、7歳から14歳までの1,000人の子どもたちとその親1,000人が対象とされた。 子どもたちの要望とは対照的に、68%の親は子どもを週1回以下の頻度でしか自然に触れあえる場所に連れて行けてお

          英国の子どもの4人に3人は自然の中でもっと時間を過ごしたいと考えている-National Trustの調査