見出し画像

コペンハーゲンの新しいグリーン・エコノミー・プログラム「コペンペイ」

case | 事例

デンマークの首都コペンハーゲンは今夏、観光客に環境に配慮した選択を促すための新しいプログラム「CopenPay」を試験的に開始する。調査データによると、旅行者の82%が持続可能な行動を取りたい意欲を示している一方で、実際に行動を変えたのは22%に過ぎないとの結果を得られている。この結果をもとにコペンハーゲンの観光機関Visit Copenhagenは、環境に配慮した行動を文化体験の通貨に変える取り組みとしてCopenPayを導入する。旅行者は、自転車の利用、清掃活動への参加、都市農園でのボランティア活動などを通してCopenpayを取得し、それでガイド付き美術館ツアー、カヤックのレンタル、地元産の農産物を使ったベジタリアンランチなどに使うことができる。

Copenpayのシステムはシンプルなものとして構築されている。例えば、プラスチックゴミを持ってデンマーク国立美術館に到着した来館者は、そのゴミをアートに変えるワークショップに招待される。例えば、公共交通機関や自転車でコペンハーゲンのセントラルヒーティング工場に行くと、建物の傾斜屋根を滑り降りられるといったユニークな体験が特典になる。観光客は電車の切符を見せたり、自転車で到着したり、その他のグリーンな行動を証明する簡単なものを提示することで、特典と引き換える仕組みが考えられている。

CopenPayで利用可能なアトラクションや特典に関する最新情報は、7月15日に開設されるwww.copenpay.comに掲載される予定であり、Copenpayパイロット・プロジェクトは7月15日から8月11日まで実施されるが、国立博物館、デンマーク国立美術館、コペンハーゲン博物館、グリーンカヤック、コペンヒル、レンタサイクルなどのアトラクションが準備されている。

insight | 知見

  • 地域通貨は一般的に地域経済活性化の手段として考えられていますが、記事のように観光客の行動を変えていくような使い方もありそうですね。特に昨今観光公害が話題になっていますが、観光客への制限を増やすだけでなく、行動変容を促すインセンティブの導入も考える価値があるのではないでしょうか。