見出し画像

「転職回数が多くてもしっかりした理由があればいい」の【しっかりした理由】って何?

どうも、Youです。

転職回数が多い人が気にするポイントの一つに「転職回数が多いと選考に不利になるのか」というのがあると思います。

この質問に対する答えとしては、「しっかりした理由があればよい」と答えている人事担当者が多いです。

大手転職サイトでもそういった記述があります。

実際、私自身も複数の転職エージェントと定期的にキャリア面談を行っているのですが、やはり転職回数についてはしっかりした理由があればネガティブな評価にはならないという回答が多いです。

私自身も「なるほど、よかった」とその時は思ったのですが、よく考えると「しっかりした理由」って何?という疑問が浮かんできました。

感覚的には分かるんだけど、もう少しロジカルに条件を定義したい…そう思ってこのテーマで深掘りしてみることにしました。

1.転職回数は何回以上で多いと思われるのか

まず、そもそも何回以上転職していると、転職が多いと思われるのでしょうか。

これは、予想のつく方もいるかと思いますが【年齢によって変わってくる】がよくある答えのようです。

いくつかの転職サイトが掲載している人事向けのインタビュー記事を確認すると、20代は3回、30代は4,5回転職すると多いという評価につながりそうです。

別のリサーチでは年齢を区切らなければ、3回目から気になるという人が最も多いという結果でした。

その他、回数以外にも在籍年数が短い社歴が多いとあまりよろしくないといった声も見受けられます。

2.転職回数が多いとなぜネガティブ評価につながるリスクがあるのか

そもそも、転職回数が多いことでネガティブな評価になる理由は何かを理解しないと、それを補うための【しっかりした理由】も分かりません。

よく言われているのは、人間性に問題があって上手くやれないのではないか、やめる癖がついてしまっているのではないか、と思われることなどがあります。

しかし、これだけでは【しっかりした理由】を考える材料としては弱いので、企業の採用に関わる人の目線で転職回数が多いという事実の影響を検討してみましょう。

多くの場合、採用に関わるのは人事担当者、採用部門の管理職・部門長などが考えられます。

まずは、人事担当者について考えます。人事担当者の目線を知るため、彼らはどういうKPIのもとで働いているかを調べました。

【人事部 KPI】でググるとおおよそ以下の内容が出てきます。

  • 採用コスト

  • 労働生産性

  • 人材定着率

採用コストは当然採用には関係します。

中途採用の観点で考えると、コストをかけて採用した人材がうまく成果を挙げてくれなかったり、短期離職してしまうと掛けたコストを回収できないリスクにつながります。

労働生産性については、具体的には部署の売上/人件費の話なので、優秀な人材を増やすことが出来れば達成できます。

人材定着率ですが、これは少し深堀りしてみました。

定着率についてのリサーチをしていると、新卒・中途問わず定着率については3年間を一つの指標として見ていることが多い結果となりました。

そうすると、人事部内でも中途入社した人材の3年以上の定着率はKPIに置かれている可能性が高く、【最低でも3年以上いてくれるのか」というのは重要な判断軸になりそうです。

次は採用部門の部長目線で考えます。

部門ごとにKPIは異なるが、おおよそ事業部門であれば売上になることが多いでしょう。

そのため、自部門の売上向上につながるスキルを習得していることが必須条件となります。

自部門で成果を挙げてくれるかどうかを確認するためには、何を見れば良いでしょうか。

これは普通に面接で意識すべき内容ではあるのですが、おおよそ以下のようなことが考えられます。

  • 自部門に活かすことが出来る専門性を持っているか

  • 新卒を育成するよりもコストをかけずに成果を挙げれるか

  • チームのメンバーが持っていない何かを持っているか

  • チームにすぐ馴染んで仕事をスムーズに進めることが出来るか

  • 成果を挙げる前に辞めたりはしないか

簡単に言うとすでに優秀で周囲ともうまくやれて長く働いてくれる即戦力が欲しいということですね。

欲張りさんですね。

人事担当・採用部門の視点からから得られた考察を総合すると、中途入社する方に求める要望は、おおよそ以下の三点になると考えられます。

  1. 自部門で活かせる専門性があること

  2. 新卒を育てるよりも早く成果を出してくれること

  3. 3年以上在籍してくれること

今回のテーマに戻って考えると、転職回数が多いことで、これらの条件にマッチしない可能性があると判断されると、ネガティブ評価につながるのではないでしょうか。

冒頭で紹介した人間性に問題があるリスクややめ癖があるというのも、上記の3点にマッチしないという評価に繋がるので、大きく漏れやズレがあることはなさそうです。

3.転職回数が多いことでポジティブな評価はもらえないのか

もう少し別の観点からも考えてみます。

逆に転職回数が多いことで評価されることはないのでしょうか。

そもそも中途採用は何を目的にやっているのかを一度考えてみます。

リサーチした結果、これも改めての内容にはなってしまいますが、中途採用の目的は以下の二点です。

  • 世の中の変化にスピーディーに対応するために既に専門性を持った即戦力を雇用したい

  • 自社にない文化やノウハウを取り入れて企業をより成長させたい

上記の観点で考えると、転職回数が多いことはポジティブな要素になる可能性もありそうです。

つまり、前職の経験を活かして現職でも成果を挙げるということを繰り返していれば、それは転職回数が多い方ならではの強みに繋がりそうです。

加えて、少し別の話にはなりますが、転職の度に順調にキャリアアップしていると、引き抜き等も行われる優秀な人材であるという評価に繋がる可能性はありそうです。

※この場合のキャリアアップは有名企業に行くのではなく、役職が上がり続けることを指しています。

4.転職回数が多くても問題ない【しっかりした理由】とは

さて、転職回数が多いことをネガティブ・ポジティブ両方の観点で見てきました。

その考察から分かった結果を整理できればと思います。

まず、企業の考える【しっかりした理由】に合致するには、今までのキャリアや転職理由が以下の三点に悪影響を及ぼさないと判断してもらう必要があります。

  1. 自部門で活かせる専門性があること

  2. 新卒を育てるよりも早く成果を出してくれること

  3. 3年以上在籍してくれること

さらに、追加で以下の要望を満たせるエピソードを話すことが出来れば、逆に転職回数が多いことがポジティブに働く可能性もあります。

  • 応募企業が注力している分野に関する知見がある

  • 自社にない文化やノウハウを取り入れて企業をより成長させてきた

こう見ると【しっかりした理由】というのは、各企業の転職理由の話だけにとどまらず、今までに成果を挙げた経験の話にも関わってくることが分かりました。

結論として、【しっかりした理由】とは、自分が成果を挙げた経験・転職を繰り返してきた理由の両方で上述した要素を満たす回答が出来るものである、と考えます。

5.検証してみる

最後に、この結論について良くしていただいている転職エージェント3社に相談してみました。

その結果、なんと100%同意を得ることが出来ました。

うち一社はこの話を今後の転職者支援にも活用していただけるとのことでした。(リップサービスではないことを願います。)

ただ、私自身も3社目ですが転職面接の際には、全体的な話を通じて上述の条件にマッチする経験・背景を持っている旨を伝えていたように思います。

是非、転職回数が多くて悩んでいる方は参考にしてみてください。

お読みいただきありがとうございました。

You






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?