くまのヨット暮らし③うちにぴったりの船が見つかった
大きなヨットの見学に南カリフォルニアへロードトリップもかねてドライブし、夜半には目的地のベンチュラに到着しました。その日はマリーナのパーキングで一泊。こういうときになんちゃってキャンパーがあると便利なのです。
南カリフォルニアは北カリフォルニアよりも大規模なマリーナがたくさんあります。お目当てのヨットが停泊していたマリーナもかなり大きくて、シャワーやクラブハウスなど立派な施設がありました。
ヨットに住んでる人も多くリタイアしたシニアたちがバークレーのマリーナよりも多い印象でした。南カリフォルニアは北カリフォルニアよりも断然暖かく、しかも霧も雨も少ないというヨット暮らしには最高の気候なのです。
38フィートのヨットとご対面
さっそくヨット販売のエージェントさんと落ち合ってヨットの見学をしました。見学にきたのは38フィート(実質40フィート)のべネトウ社製のヨット、バルー。名前はジャングルブックに出てくるクマさんからとったそうです。
バルーは長さが約12メートル、一番広いところの幅が3.9メートルあります。船の内部の天井の高さは約2メートルなので身長193センチのうちの旦那でも首を曲げずに歩き回ることができます。船の形は曲線なので、室内面積はだいたい30‐35平米前後の広さだろうと思います。
ヨットの内部
船の内部は真ん中にキッチンエリアと大きなテーブルとソファがあります。ふつうの家てきにはリビングダイニングとキッチンといったところでしょうか。船の先頭にはちょっと大きなベットルームとシャワーとトイレ。船の後方には小さなベットルームが2つと小さなトイレがあります。思いきり小さいサイズですが、3LDKにトイレが2つとシャワーが1つとなります。
バルーは私たちがこれまで使ってきた29フィートの船と比べると驚くほど広い船内でした。長さとしては約3メートルほど長くなっただけなのですが、横幅が広くなったのと天井が高くなったので特に広い印象を受けました。
私としては生活するためのヨットなので内部が使いやすくなっているかが購入の決め手となります。広々とした船内は十分合格なレベルでした。一方で夫はセーリングすることを重視しているので、船として機能しているかどうかを確認するためヨットのプロの友達に来てもらって一緒にリグを隅々まで検査していました。
この後夫と友達はエージェントさんとともにマリーナから近海へ1時間ほどのテスト航海に出かけました。
ベンチュラのダウンタウンでランチ
ヨットの見学の後は街の探索に繰り出しました。ベンチュラにはこじんまりとしたダウンタウンがあります。ヤシの木が立ちならぶ南カリフォルニア感満載のとてもきれいな街並みでした(2012年当時です)。
ダウンタウンをしばらく散策した後にバーべーキューのお店でお昼ご飯をいただきました。とてもアメリカンな巨大バーベキューであまーいバーベキューソースがこれでもかってくらいのっかっていました。
私たちが食事をしている間、ワンコたちはテラス席のテーブルの下で待機します。普段はおとなしく待っているのですが、今回はバーベキューの匂いが強烈すぎて我慢の限界に達したもよう。何度か夫におねだりしていました。私は絶対にテーブルからおすそ分けしないのを知っているので私にはおねだりしないのです。
カーピンテリア(Carpinteria)のビール工場へ
ベンチュラから20分くらい北上したところにカーピンテリアという海沿いの小さな街があります。お昼ご飯のあとはこの街にある地場のビール工場へビールテイスティングに行くことになりました。
アイランドブリューイングカンパニー(Island Brewing Company)
という地場ビール、北カリフォルニアの自宅で作り始めたビールから趣味が高じてカーピンテリアのウエアハウスでビール工場を開いたという典型的なサクセスストーリーの地場ビールですです。自宅でのビール作りはとても盛んで自作ビールのためのキットもお手頃価格で手に入ります。カリフォルニアだけでも数多くの地場ビールがありますが、そのほとんどは自宅で作り始めたのがきっかけで商業化していったケースではないでしょうか?
私はほぼビールは飲みませんが、ビール好きの夫とヨットの点検をしてくれたヨットプロの友達は大のビール好き。なのでビールの試飲にお付き合いしました。
工場での試飲もできますが、本格的に飲みたい人のためにパブも併設されています。瓶詰になってるビールよりも樽から新鮮なのをジョッキに注いで飲んだ方がきっとおいしいのでしょうね。パブはかなり込み合っていました。
ビールテイスティングでちょっとほろ酔い気分になったところで、工場から徒歩で行けるカーピンテリアのビーチへお散歩。テイスティング中はバンで留守番させられていたワンコたち、ビーチを大喜びで走り回っていました。
この後私たちはバークレーに戻りいろいろ考えた末にバルーを購入することに決めました。値段交渉はゲームみたいなものでダメもとでも安い価格でオファーを出します。船の売主は売り急ぎに入っていたので売値よりも低い値段で買うことができました。
バルーは外洋航海の経験豊富な友達がクルーを2人連れてベンチュラからバークレーまで運んでくれました。ベンチュラを出港してからきっかり48時間でバークレーに到着。こうしてめでたくバルーは私たちのヨットの家となったのでした。
次回はくまのヨット生活をご紹介します。
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