トークイベント&交流会「好きな場所で生きるためにキャリアを諦めない」開催レポート
こんにちは。奄美大島にあるライフ&ワークスペース「Living AMAMI」コミュニティマネージャーの菅野です。
2024年1月26日(金)にLiving AMAMIにて「働き方について考える」トークイベント&交流会を開催しました。今回のゲストは徳島県・神山町在住の辰濱健一さん。求めるライフスタイルとキャリアの両立を果たしている辰濱さんが大事にしていること、学生時代から今日までの歩み、今後についてなどを伺いながら「あえて都市部に出て行かない」生き方、働き方について皆さんと一緒に考える貴重な時間になりました。そんな当日の様子をレポートしたいと思います!
今回のゲストはこの方!
プロフィール
徳島県神山町在住のスマホアプリエンジニア。
新卒で徳島市にあるソフトウェア開発会社へ入社したのをきっかけに、徳島での仕事環境&生活環境の良さに惚れ込む。
徳島に居ながらどこまでキャリアアップができるかを挑戦中で、今までにサービスの海外事業展開、エンジニアリングマネージャ、執行役員VPoEを経験。
休日はエンジニアコミュニティの運営、楽器演奏、草刈り機やチェーンソーを用いた野山の手入れなどを行っている。
辰濱さんについて
辰濱さんってどんなヒト?
徳島県生まれ、奈良県育ち
趣味は楽器演奏と旅行
就職で徳島県にUターン
以後も3回転職するも、徳島県からは出ていない
国内で200万人が使うスマホアプリの開発経験やそのサービスの海外事業展開も経験
現在はスタートアップでスマホアプリエンジニアをしつつ、開発組織の執行役員
土日はエンジニアコミュニティの運営を行ったり、音楽活動も行っている
育ちは奈良県ですが、徳島に戻ろう(Uターン)と思ったきっかけはなんですか?
学生時代、電車2時間かけて学校に通っていたが、その時間がもったいないと感じた
満員電車での通勤を避けるため、徳島に本社を持つ株式会社ジャストシステムへ就職した
徳島から出ずにキャリアアップにチャレンジしてみようと思うようになったのはいつからですか?新卒で入社する当時からですか?
大学の先生に「地方だとキャリアアップは難しいから、キャリアアップするなら都市部」みたいなことを言われたが、そんなこともなさそうと思ってきた(ある意味で反骨精神のようなもの)
新卒で入った職場環境がとてもよかったため、会社が変わってもこの環境を維持し続けたいと思った
仕事とプライベート、一見全く違う活動をしているように思いますが、公私のバランスってどのように考えていますか?
休日は家で休むより、何か活動している方が好きなタイプ
エンジニアコミュニティも運営していたり、吹奏楽団に入っていたりしているので、土日に仕事を持ち込んだりはしない
地域での活動には最初どのように入って行ったのですか?
今住んでいる神山町は5000人弱と人口が少ない
清掃活動や森林整備、空き家改修などのイベントでもスキル以上に人手が重宝され、「関わりシロ」が儲けられていることが多い
神山町では”手間替え”という、誰かを手伝った代わりに必要なときに自分も助けてもらえる文化が根づいている
地元での募集や地元の方の声がけからスタートして関わるようになった
元々Sansanに勤めていたときに、地元の方たちから「どんな人が働いているかわからない」という声を聞いたため、会社の信頼や働きやすさを獲得するために地域活動には積極的に参加するようにしていた
地方在住のキャリアの考え方
奄美に限らず地方には「仕事がないから帰れない(移住できない)」みたいな風潮がありますが、それについてはどう思われますか?
コロナ禍を経てフルリモートという働き方がひとつの選択肢として定着したので、職場と住む場所が必ずしも一緒である必要がなくなってきた
もし、会社のルール上フルリモートの選択が難しい場合は、スキル次第ではあるが業務委託としての参画もひとつの有効な選択肢
週4は業務委託、週1は地元の会社のようなパラレルワーカーとしての選択肢もあり得る
都市部に比べて家賃などの生活コストや起業コストは低いため、よりチャレンジしやすい環境はある(地方は課題先進地だったりもするため、取り組むべき課題も明確)
就職前の若い人たちが「地元を出ずにキャリアを伸ばしたい」と考えた時に準備できることはありますか?
大学生であれば大学生同士での交流だけになってしまいがちだが、多様な人とのネットワークを築いていくことが重要
人と関わる中で「外のモノサシ」の視点をどれだけ持てるかも重要
どうしても、地元企業だと井の中の蛙になりがち。その会社の中で生き抜けても、業界では生き抜けないかも?
外のスタンダードを知り、流動性の高い人材・市場価値の高い人材になる
そのためにも「こんなことをやってます!」「調べてみた」などのアウトプットは大事
エンジニアコミュニティやデザイナーコミュニティなど、様々なコミュニティがあるためそういうのに参加してみるのははじめの一歩としてはオススメ
旅行がてら都市部のイベントに参加してみるのもよい方法
仕事の探し方、転職の仕方について、辰濱さんが譲れない軸のようなものはありますか?
仕事の探し方は特別なことはしていない
「勤務地:徳島、フルリモート」などのキーワードで検索していた
仕事を探す際に譲れない軸は「自分のスキルがテコのように活きること」
✗:未経験のジャンルを経験させて貰える
○:経験を元に事業や組織にコミットしたい
ぶっちゃけ辰濱さんが優秀だから、とか、エンジニア職だから、できたみたいなことなのかなと思ってしまったりもするのですが、そのあたりどうでしょうか?
反骨精神を持っている性格が良い方向にエネルギーとなっている部分がある
神山町の場合は周りにも挑戦している人が多数いたため、自分が埋もれないためにという刺激は受けた
これからについて
最終的に目指す姿は?そこに対して今は何%くらい達成していますか?
目指す姿…「地方で働きたいソフトウェアエンジニアを育成したり雇用できる会社を作る」
自分が地方で働けているのも、地方勤務の条件で雇用してもらっているから
今度は、地方で働きたい人を受け入れる側に回りたい
まだ20%程度
エンジニアコミュニティはできているが、コミュニティ参加者の仕事にはなかなか直結していない
自分のネットワークから誰かを紹介したりなど少しずつは動き始めている
今年やりたいことなど具体的に決まっていれば教えてください。
エンジニアコミュニティ活動は継続していきたい
昨年から高知県も活動範囲に入れ始めたので、四国全域でエンジニアの交流やスキルアップのお手伝いをしていきたい
地域のエンジニアやデザイナーを巻き込みながら町内の課題を解決するようなサービスやアプリをローンチさせてみたい
これまでの人生でやっておいてよかった経験ベスト3
①転職
会社の規模やフェーズによって取るべき戦略や行動の違いを体験できたため。
②旅行や異文化交流
本やインターネット上の情報だけではわからない現地の空気感や人とのつながりを得られたため。
③神山町への移住
人口が少ないがゆえに、世代や業種を超えた密度の濃い交流があるため。また、自分のスキルや経験を活かせるチャンスが大きいため。
さいごに
トーク後の交流会では、奄美を盛り上げたい若い参加者の方たちから辰濱さん宛にたくさんの質問が飛び交っていました。
奄美と神山町がコラボレーションする日もそう遠くない!?
辰濱さん、今回ははるばる奄美までお越しくださりありがとうございました!
後日、辰濱さんから神山町関連で書籍を3冊オススメいただきました。Living AMAMIにも置いていますので、気になる方はぜひ読みにきてくださいね!
「あのヒトのしごととくらし」シリーズの今後
「あのヒトのしごととくらし」シリーズは、隔月を目安に今後も続けていく予定です。次回は3月26日(火)。ゲストは加藤真守さんです。
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