見出し画像

【畑の日常】”雑草”が秘めたものがたり #花言葉

 無農薬の畑を歩いていると、たくさんの種類の野草に出会います。”雑草”として除草剤で処理されたり、草抜きして捨てられてしまったりすることもある草花たち。でも、本当は”雑草”なんてひとつもなくて、それぞれに美しい言い伝えや歴史が遺されています。
 今回は、畑の日常風景のなかにある野草のものがたりを紹介します(*^^*)

スギナ
ー 3億年の時を超え生きる ー

花言葉:向上心、驚き

 駆除しきれず「地獄草」なんて呼ばれることもあるスギナ。それもそのはず、スギナは3億年の昔から地球に仲間が存在したと言われ、広島原爆の後においても最初に蘇ったほど生命力が強い野草なのです。
その効能は多岐に及び、日本では江戸時代に本で紹介されて以降、民間療法として定着。少なくとも明治にその本が絶版となるまでは、健康の強い味方として愛されてきました。

カタバミ 
ー カタバミで鏡を磨けば、
愛する人の顔が現れる ー

花言葉:輝く心、喜び、母の優しさ

  底抜けに明るい黄色の花が印象的なカタバミ。
カタバミのハート型の葉には、古来からこんな言い伝えがあります。

"カタバミで鏡を磨けば、愛する人の顔が現れる ー”

時代を超えても変わることのない、人を想う喜びや輝きを感じられる野草です。

※カタバミの葉に含まれるシュウ酸という成分に金属の汚れを落とす作用があるため鏡が綺麗になります。

シロツメクサ 
ー 四葉のクローバーができる理由とは? ー

花言葉:約束、幸運、私を想って

 幸運の象徴とされる四葉のクローバー。通常シロツメクサの葉は三つ葉ですが、なぜ四葉になるのでしょうか?
四葉のクローバーができる理由とは、
「踏まれるから」。
踏まれることで成長点が傷つくことが、葉が4枚になる理由のひとつだそうです。
誰かに踏まれ傷つくことは、実は幸運へと繋がっている。そんなことを感じさせてくれる野草です(*^^*)

ハハコグサ
ー 母から子への無償の愛 ー

花言葉:永遠の想い、無償の愛

 その姿を見て「母と子を見ているように心が温まる」と感じた人々は、いつしかこの野草を「母子草(ハハコグサ)」と呼ぶようになりました。江戸時代までは、桃の節句(雛祭り)を飾る菱餅の原料としても使われていたとのこと。「永遠の想い」「無償の愛」という花言葉は、女の子の人生の幸福を願う雛祭りにぴったりです。

ハキダメギク 
ー 勇ましい戦士 ー

花言葉:不屈の精神

 自然に生えてきたとは思えないほど美しい花を咲かせるハキダメギク。「ハキダメ」とは、ゴミの「掃き溜め」のこと。日本では世田谷区のゴミ捨て場で初めて発見されたから、こんな名前が付けられてしまったそう。
でも、西洋では" The Gallant Soldier (勇ましい戦士)”との名を誇ります。花言葉は「不屈の精神」。悪口のような名に屈せず勇ましく咲く、品格高き野花です。

スベリヒユ
ー 万葉の時代の縁起物 ー

花言葉:いつも元気、無邪気

 朝だけ花咲く黄色の花が特徴的なスベリヒユ。サボテンと同じ光合成システムを持つため生命力が強く、古来「祝い蔓」として、お祝いの際には軒先に飾られました。茹でるとぬめりが出るので、とろろにもできるらしい...

ハルジオン 
ー いつか、
上を向いて花咲く日まで ー

花言葉:追想の愛

 蕾の頃はうつむいていても、やがて上を向き花を咲かせるハルジオン。機が熟せば輝くその姿は、なんだか勇気をくれます。

ドクダミ 

ー 日陰で輝く、万能薬草 ー

花言葉:白い追憶

 古来から「十薬」と呼ばれ、あらゆる病気に効くと言い伝えられてきたドクダミ。徳島大学薬学部により行われた民間茶の効能聞き取り調査(1983年)によれば、ドクダミ茶の効能は257件にも及び、数ある薬草茶のなかで堂々の第1位だったそうです。
見分けが付きやすく、野草初心者が安心して採取できるのもうれしいポイント。5月から6月には、純白の花を咲かせます。

参考文献
・稲垣栄洋「花と草の物語手帳 105の花言葉とエピソード」
・船瀬俊介「『健康茶』すごい!薬効 もうクスリもいいらない医者もいらない」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?