135. あの時からわたしは二十四節気を生きはじめた
bonjour!🇫🇷 毎週金曜日に更新のフランス滞在記をお届けします。
わたしは2020年から二十四節気の暦を取り入れた生活をしているのですが、そのきっかけになったのがある欅の木との出会いでした。
今号は、そのことについて書いてみたいと思います。
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フランスから帰国後、Stay Home期間中に朝の散歩が好きになって、自粛期間が明けてからも歩あるき続けていた。
一歩あるくごとにハッとして感動してシャッターを切る。
とてもとてもゆっくり歩くものだから、刻々と自然が移り行くのをダイナミックに受け取れる。
自然ってこんなにも豊かに表情を変えるものなの?
どうしてだろう。いつも歩いていた道なのに、見慣れた自然なのに。
まるで、まったく異世界に来てしまったかのような感覚だ。
わたしは、今まで一体、何をみていたのかな。
歩きながらふと空に呼ばれたような感覚を覚えて、上を見上げる。
するとそこには、欅の木。
この辺りでは一番のご長寿大木だ。
毎年毎年、厳しい冬をこえ、それでもなお枝を伸ばし続ける欅の木。その存在感に圧倒されて、わたしはしばらくその場にたたずんでいた。
すると段々、欅の木が自分の肺のように見えてきて、胸から息苦しいものが抜けていって、爽やかな風が吹きわたっていくような体感を覚えた。わたしはまたしばらくその場にたたずんでいた。
また歩き出すと、足元は重力をとらえ、一歩一歩しっかりと地面を踏んでいるという感覚があった。そして頭はすごくクリアで、体がとても軽い。
なんて気持ちが良いのだろう。
帰り道、桜の新芽を見つけた。
わたしの中で何かが芽吹く音が聞こえた。
急いで家に帰って、本棚の中で眠っていた二十四節気の本を引っ張り出して求めるように読んだ。そこには、わたしが知りたいことがすべて書いてあるような気がした。
あれから、Facebookへのつぶやきのような投稿から始まって、そこでは足りなくてnoteに二十四節気について書くようになった。
2020年5月。
フランス滞在記を書く目的ではじめたわたしのnote。
二十四節気や、一日一描、デジタルデトックスなど、「一つのテーマを続けること」をコンセプトとして思いつくままにコンテンツを作ってきた。
そのバラバラに存在していたコンテンツが3年経った今、傘がシュッと閉じるかのように一つになるのを感じています。
「フランス」滞在記なのだから、フランスから帰国したらおしまいにしよう、と思っていたのだけれど「まだ終われない」という感覚があって、謎な熱量と共に一体どこが終着なのだろう?と思いながら書いているのだけれど、きちんと収まるところに収まるのだろうなと思ってきた。
そこまで書いてみようと思います。
統合ってこういうささやかな感覚なんだろうなぁ。
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